インソース マーケティング&デザイン室

顧客の記憶に残る戦略的ブランド導入4ステップ~単なるロゴ作りから企業価値を高める戦略資産へ

「人々の記憶に残り、価格以上の価値を認めてもらえるブランドを作りたい」

そんな思いから始めたにもかかわらず、「ロゴやデザインばかりに気を取られ、本質が分からなくなった」「せっかくの投資や労力が思ったほど成果につながらず、計画が頓挫してしまった」という経験はないでしょうか。

ブランドが選ばれるのは、顧客の記憶に蓄積された「価値」があるから

街中や電車、CMなどで、なぜか人々の記憶に残っているブランドがあります。こうした製品やサービスは、価格が高くても選ばれます。選ばれるその理由は、単なる見た目の良さではなく、顧客の記憶に蓄積された「価値」が大きな役割を果たしています。

本コラムでは、ブランドの役割と重要性を整理するとともに、企業が顧客に対して記憶に残り「価値」を生むための、一貫した戦略的にブランド導入を行うための具体的な4ステップを実務の視点から解説します。

ブランドの役割は「顧客の記憶に価値を刻むこと」である

ブランドとは単なるロゴやデザインに留まらず、商品やサービス全体を象徴するイメージの総体を指します。狭義には名前やマークなどの具体的な要素を意味し、ひとことで言えば、「顧客からどう見られているか」です。つまりブランドの役割は、単に見た目を整えることではなく、顧客の記憶の中に「その企業らしさ」や「提供価値」を刻むことにあります。

市場には数多くの商品やサービスが存在します。その中で自社ブランドが覚えられ、他ブランドや他社製品と異なる存在として認識されることは、選択の場面で優位に立つための前提条件です。ブランドは、企業と顧客をつなぐ記憶の接点であり、価値を継続的に想起させる役割を担っています。

ブランド導入が重要な理由は「信頼が競争優位を生む」ため

自社ブランドが顧客に認知され、他社製品と区別されることは購買行動に直結します。顧客の記憶に「良いブランド」として残れば、それは事業にとって最も価値のある信頼を獲得したことを意味します。この信頼こそが、ブランドの持つ本質的な力です。

信頼が蓄積されることで、商品そのものに説得力が生まれます。新商品を展開する際の説明コストや販促費を抑えることができ、価格競争に巻き込まれにくくなります。場合によっては、競合より高い価格であっても選ばれる可能性が高まります。良いブランドと評価されるのは、多くの顧客に良い印象として記憶され、さまざまな人から注目を集め、求心力を持つブランドです。

そしてその力は、企業の規模や業種を問いません。中小企業であっても、明確なブランドを持つことで市場での存在感を高めることができます。

ブランド導入を成功に導く4ステップ

1.マーケット規模の予測と動的な視点で市場を捉える

ブランド導入を判断する際、最初に行うべきことはマーケット規模の予測です。どの程度の潜在顧客が存在するのか、そのうちどのくらいを獲得できる可能性があるのかを見積もります。たとえ全く新しいジャンルの商品・サービスであっても、潜在顧客を想定し、市場規模を仮説として描くことは可能です。この段階では、売上目標から逆算するのではなく、市場の構造を把握することが重要です。

ただし、マーケットは静的ではなく、ブランドの拡大や浸透、競合他社の参入によって規模や構成は変化します。そのため、予測を行う際には常に動的な視点で市場を捉えることが重要です。市場規模や顧客層を定期的に見直すことで、戦略の修正や方向性の調整が求められます。

2.先行販売で市場投入で市場の反応を見る

新しいジャンルの商品・サービスを投入する場合には、いきなり全国展開を目指すのではなく、地域や顧客層を限定した試験的な市場投入が有効です。先行販売によって、実際の市場の反応を確認できます。想定したターゲットが「本当に購入するのか」「価格は受け入れられるのか」「どの訴求点が評価されるのか」を具体的に把握できます。

この段階で得られたデータや顧客の声をもとに戦略を修正することで、本格展開時の成功確度を高めることができます。結果として、投資リスクの軽減にもつながります。ブランドは計画と同時に検証を重ねながら育てるものです。

3.商品・サービスのポジショニング設計

同じ商品であっても、「全く新しいコンセプトの商品」として市場に投入するのか、「既存商品の改良版」として訴求するのかによって、リスクとリターンは大きく異なります。どのポジションに商品を置くかは、ブランド戦略において特に重要な問題といえます。前者は話題性や高い付加価値を期待できる一方、市場の理解を得るまでに時間とコストがかかります。後者は受け入れられやすい反面、差別化が不十分であれば価格競争に陥る可能性もあります。

どのポジションを選択するかは、ブランド戦略の中核です。ブランドが持つ力を最大限に活かすため、競合商品との差別化ポイント、自社の強み、顧客が求める価値を整理したうえで、戦略的に立ち位置を決める必要があります。ポジショニングを曖立てにしたまま市場に投入すると、ブランド形成のチャンスを大きく逃すことになるため注意が必要です。

4.導入後は顧客反応から分析と改善を行う

ブランド導入後も、単に市場に商品を出しただけでは十分ではありません。顧客にどのように受け入れられているかを定期的に分析し、改善を重ねることがブランド価値の維持につながります。

アンケートや販売データ、SNSの情報を活用して、ブランドイメージのズレや改善点を把握します。また、パッケージデザイン、接客、広告など、あらゆる顧客接点でブランド体験の一貫性を保つことも重要です。

顧客は「一貫性のあるブランド体験」を思い出す~世界観を統一させる

顧客が商品やサービスを通じて受ける印象は、常に統一されることが重要です。パッケージデザインや接客、広告など、あらゆる接点でブランドの世界観を一貫させることにより、顧客の記憶に強く残るブランドを作れます。

「強いブランド」は時代や市場に応じてアップデートする

市場の変化や顧客ニーズの変化に応じて、ブランド戦略や商品ラインナップを柔軟に調整することも大切です。ブランドは固定的なものではなく、時代や市場に応じて進化させることで、長期的に強いブランドとして維持できます。

まとめ:一貫した戦略的ブランド導入が大きな資産を生み出す

ブランドは自然に出来上がるものではありません。ブランド導入とは、単に商品を市場に出すだけではなく、マーケット分析、仮説検証、ポジショニング設計、導入後の改善までを一貫して行う戦略的プロセスです。こうしたプロセスを丁寧に積み重ねることで、顧客に名前を覚えられ、他社と異なる価値を持つ存在として認識されるようになります。

丁寧な対応から信頼が生まれ、継続的な購買へとつながります。その結果、ブランドは企業にとって大きな資産となります。ブランドの役割と重要性を理解し、計画的に導入の道のりを歩むことが、長期的な成長を実現するための第一歩です。

ブランディング基礎研修~一貫した戦略と戦術で、顧客目線の価値を高める

いいモノを作れば売れる時代はすでに過去のものとなり、どれだけ意味を付加して提供することができるかが問われる時代となっています。

そこで重要になってくるのが「ブランド」ですが、ややもするとデザイン的なもの、あるいは販促手段的なものと捉え表層的に対応しがちです。本研修は、ブランディングにおける基本的な知識を修得するとともに、それが経営戦略上どのような意味を持つのかを理解していただきます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 自社のブランド力が競合と比べて見劣りしていると感じている
  • ブランド価値を高めるために何をすれば良いか今一つ分からない
  • 従業員の離職防止のために会社のブランド力を高めたい

本研修のゴール

  1. ブランディングが企業経営の上流工程に位置付けられることを理解する
  2. ブランドを確立する上で、活動の一貫性がいかに重要かを知る
  3. ブランディングを実践する上での具体的なステップが分かる

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マーケティング研修~STP・4Pから学ぶ売るための仕組み作り

マーケティングとは売れる仕組み作りです。自社の商品やサービスを市場に展開するまでのプロセス全般に関わる活動を指し、研究・開発、企画・製造、営業・販売、宣伝・販促などあらゆる職種がマーケティングの当事者です。

本研修では、マーケティングの基礎知識やフレームワークを学びます。そして、その手法を活用した販売戦略の策定を考えていただきます。

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企画力研修~企画立案から企画書作成までの流れを学ぶ

どの組織でも時代に即した「新しい企画」が常に求められています。「一定の企画力を持つ人材が多数いる」ことがより重要となります。

そこで、「アイデア出し~企画書作成」の一連の流れを学び、企画を確実に実現するためのポイントを習得していただけるような本研修を開発いたしました。企画立案がはじめての方にもおすすめです。ぜひご参加ください。

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<課題解決ワークセッション>ブランド戦略策定(2日間)

1社3~4名グループで受けて頂く、ワークショップ形式の研修です。自社のブランドイメージを、本ワークショップを通してあらためて客観的に捉え直し、あるべき形に言語化した上で共通認識化を図り、今後の自社のブランディング活動に活用していただくことができます。

<プログラムの流れ>

  • STEP0:ブランディングの基本知識のインプット
  • STEP1:現状分析(成果物:ブランドの現状分析マップ)
  • STEP2:課題と方向性の明確化(成果物:課題リスト、ブランド・ビジョン)
  • STEP3:ブランド・アイデンティティの定義(成果物:ブランド・ステートメント、ブランド・バリュー)
  • STEP4:ブランド体験の設計(成果物:顧客接点マップ、ブランド・ガイドライン)

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