黙って「低モチベ」認定していませんか?違和感を口にしない組織にこそ求められる「複層的視点」

「あの人って、やる気がないよね」
そう思っていても、今、職場ではっきりと言葉にすることは少ないでしょう。
ハラスメントだと思われても困るし、波風を立てて騒ぎたくない、と考える人が多い組織では、印象や違和感が表面化せずに共有され、「見えない壁」となって静かに固定されていきます。その結果、誰にも口にされないまま「低モチベ」という誤解が生まれることがあります。
本記事では、こうした見えにくい分断の構造と、解決のために求められる「複層的視点」についてみていきます。
「言わない」ことでラベリングが強化される
部下の成果が落ちる、発言が減る、表情が暗い。その変化に気づいても、「本人の問題だろう」と整理し、深く踏み込まない。周囲もあえて触れない。こうして「モチベーションが低いのだろう」という空気が生まれます。しかし実際には、家庭の事情で睡眠不足が続いている、突発的な案件の対応で負担が増えているなど、複合的な要因で一時的にパワーレスな状態にあるだけかもしれません。
本来の力が発揮できない局面を、能力や意欲の問題として処理してしまうことは、本人にとっても組織にとっても大きな損失です。
見えない壁はこうして生まれる
明言されなくても、「期待されていない」「評価が下がっている」という感覚は、当事者に伝わります。周囲のメンバーは、こうした変化に違和感を覚えても互いに干渉しないことが無難だとして、「あえて触れない」「深く踏み込まない」「自分と相手は違うから」と距離を置きます。対話が減り、関心が薄れ、不信や無関心が積み重なる。それは衝突のある組織よりも、むしろ波風の立たない組織で起こりやすい現象です。こうして静かな分断が進みます。
管理職のモチベーションはチームに伝染する
パワーレスな状態にあるのが管理職であった場合、その影響はさらに大きくなります。周囲は気を遣って踏み込まず、本人も弱さを見せにくい。結果として孤立が進み、チーム全体のエンゲージメントが下がっていきます。今の職場におけるエンゲージメントの低下は、強い対立からではなく、「触れない」「言わない」という見えない壁から生まれるのです。
分断を防ぐ方法~メンバーの状態を分類せず、複層的にみる
こうした分断を防ぐことに活かせるのが、メンバーの状態を分類せず、複層的にみる視点です。仕事におけるパフォーマンスは単一要因では決まりません。業務量や役割、チーム内の関係性、心身のコンディション、私生活の負荷など、複数のレイヤーが重なり合って、メンバーの今の状態がつくられています。意欲や能力として単純に整理するのではなく、背景を重なるものとして考えることが、これからのリーダーに求められる姿勢です。
チームを集団としてみる
また、個人の不調を個人の問題として完結させないことも重要です。チームを集団としてみると、業務の偏りや、相談しづらい雰囲気など、構造的な要因が見えてくることがあります。一人の元気のなさは、チーム全体のサインかもしれません。違和感を口にしない文化だからこそ、リーダーが一段深く見る必要があります。
小さな対話から壁を越える
特別な施策から始める必要はありません。短時間でもよいので、1対1面談など、評価とは切り離した対話の機会を持つこと。
メンバーの背景を知ろうとする姿勢そのものが、見えない壁を和らげます。
分断を乗り越える対話力研修~メンバーを複層的に捉え、チームを再統合する
発言に配慮が求められる現代の職場においては、違和感があっても口に出せないまま、メンバー間に心理的な壁ができるケースが増えています。
そこで、組織内で分断が起きる構造を理解し、価値観の違いを前提にしたコミュニケーションの取り方を学ぶプログラムを開発しました。メンバーの状況を複層的に捉える手法、分断を生まない面談の仕方などを、演習を通じて身につけます。
対象者
- 発言しやすいチーム作りをしたい管理職の方
- 多様性を活かした組織づくりを目指す役職者の方
よくあるお悩み・ニーズ
- 言いたいこと・言うべきことが口に出しづらい
- メンバー同士の仲が悪いわけではないが、深く立ち入らない雰囲気がある
- 管理職を含むメンバー全体のエンゲージメント向上に取り組みたい
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