中途採用者の評価が決まる「最初の90日間」~カギを握るのは「期待値マネジメント」
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中途採用市場が活況を呈する中、入社後に思うように力を発揮することができず、悩んでいる中途採用者が少なくないといいます。経験を買われて採用されたにもかかわらず、なぜ早期の戦力化につまずいてしまうのか。
本コラムでは、中途採用者が新しい職場で確実に成果を出していくために知っておきたい「期待値に対する考え方」をテーマに考えていきます。
評価の高い中途採用者は、自分への「期待値」を理解している
新しい職場ですぐに活躍し始める中途採用者と、伸び悩む中途採用者の違いはどこにあるのでしょうか。両者を比較して見えてくるのは「期待値」に対する感度の差です。
中途採用は、新卒採用と異なり、配属ポジションに対する具体的な人員ニーズが背景にあります。退職者の補充、事業拡大に伴う増員、専門人材の確保といった、組織側の切実な事情を受け、期待を背負って採用されるのです。しかし、その「期待値」が入社時に明確に言語化して伝えられるケースは意外と少なく、本人が意識的に探りに行かなければ見えてこないことも多いのです。
評価の高い中途採用者は、入社後の早い段階で、自分に向けられた「期待値」がどのようなものかを言語化できています。この時に注意しなければならないのが、「期待」ではなく「期待値」だということです。「期待」というのはぼんやりとしたもので、どこまでできれば達成できたのかが判別できません。これを、「期待値」として明確なゴールを定め、必要なアクションに落とし込んでいくことが、期待に応えるためのスタートラインに立つこととなります。
期待に応えれば応えるほど「期待値」は上がっていく
期待に応えられたかどうかは、アウトプットに対する上司や周りの反応によって明らかになります。「想定よりも早くできた」とか「もう少しスムーズにできるかと思った」といった反応一つひとつを通して、「ああ、ここが期待値だったんだな」と理解していくのです。
そしてここで重要なのが、期待に応えると、次はさらに高い期待がかけられるということです。最初は「まずは業務を覚えてほしい」くらいの期待値だった期待が、半年後には「自分で判断して進めてほしい」になり、1年後には「チームを引っ張ってほしい」へと変わっていきます。
これは、常にハードルが引き上げられていく厳しい現実を表しているとともに、信頼の残高がどんどん積み上がっている証拠でもあります。期待値の上昇を負担と捉えるか、成長機会と捉えるかで、その後のキャリアは大きく分かれていきます。そして、大切なのは、日々の小さな期待に応えることを疎かにしないことです。納期を守る、報告を欠かさない、慣れたからといって手を抜かない。こうした基本動作の積み重ねが、より大きな期待につながっていきます。
「積極的なのに謙虚」が中途採用者にとって最強である理由
中途採用者には、しばしば「積極性」と「謙虚さ」という、一見矛盾する二つの姿勢が同時に求められます。それはなぜでしょうか。
新卒のように手厚くフォローされない中途採用者は、自ら動かないかぎり仕事も覚えられなければ、力を発揮するチャンスも得られません。
一方、謙虚さに欠けると、つい前職のやり方や常識を今の職場に持ち込みがちになり、周りから煙たがられることになります。「外から来たばかりなのにすぐに自己主張する人」「ウチのやり方の批判ばかりする人」という印象を持たれると、周囲との協働が著しく損なわれてしまいます。
まずは最初の90日間で成果を出すことに集中する
中途採用者にとって、入社後の最初の90日間は特別な意味を持ちます。この期間に何を実現するかで、その後の職場での立ち位置やキャリア形成が大きく左右されるためです。
入社1カ月目は、周囲も「まずは慣れてもらうことが第一」というスタンスで接してくれ、「大目に」見てくれます。しかし2カ月目に入ると、周囲の目は「そろそろ自分で動けるはず」という期待に切り替わり始めます。
そして3カ月目は、上司が「期待した戦力になりそうか」を見極める、いわば最初の「決算期」となります。この時点で形成された評価は、その後長く影響を及ぼすことになります。
転職直後は中長期的なキャリアを描く絶好の機会
新たな環境下で悪戦苦闘する期間というのは、中長期的なキャリアビジョンを描き直す上での絶好の機会でもあります。
この会社でどんなキャリアが描けそうか、ある程度見定めた上で転職してきたつもりではあったが、思っていたのとは違うところも少なくない。しかし、その想定外だったところになぜか面白みも感じ始めている。そうした違和感が、キャリアの描き直しにつながっていくのです。
そこでカギを握るのが、過去の経験のアンラーニングです。前職での成功体験を「すべて捨てる」必要はありませんが、今の職場でも使える「応用可能な原理」だけを残して、あとの具体的なやり方やノウハウは一回手放してみる。こうした「メタ認知的」な自己再定義を通して、新たなキャリアイメージが描けるようになってくるのです。
中途採用者向け研修「マインドセット編」~期待に応える戦力となる
インソースでは、中途採用者の方が新しい職場で早期に活躍できるよう、本コラムでもお伝えしたようなマインドセットを体系的に学んでいただける公開講座「中途採用者向け研修『マインドセット編』~期待に応える戦力となる」をご提供しています。
本研修では、中途採用者に求められる「期待値」を言語化し、それを軸にして新たな職場で活躍するためのマインドセットを身に付けていただきます。「前職のやり方への固執」や「空回りしがちな自己アピール」といった、ありがちな問題も具体的に取り上げながら、中途採用者の心境に寄り添った実践的なプログラム構成となっています。公開講座型ですので、業種や職種を超えて多様な中途採用者の方々が集まり、互いの気づきを共有しながら学んでいただける場としてもご活用いただけます。
中途採用者の早期戦力化に課題をお感じの人事ご担当者さま、また自身のキャリア形成に意欲をお持ちの中途入社の方は、ぜひお気軽にお問合せください。
よくあるお悩み・ニーズ
- 前職と業種や規模が大きく異なる組織に転職してきたため、戸惑うことが多い
- 早期の戦力化が期待されているが、それに応えられるかどうか不安である
- スムーズに当社になじんでもらうための意識転換の機会を提供したい
本研修の目標
- 新しい職場で自身に求められている「期待値」を明確にする
- 90日間で何らかの成果をかたちにするためのポイントを知る
- 中長期的な成長を図るための考え方と心構えを理解する
セットでおすすめの研修・サービス
中途採用者向け研修「スキルアップ編」~経験を早く成果につなげる
中途採用者が新しい職場で成果を上げていくためには、自身の役割に求められるスキルセット(To Be)と、現状の自身が備えているスキルセット(As Is)とのギャップを可視化し、それを埋めていくアプローチが欠かせません。そのAs Is-To Beモデルの考え方にもとづいてスキルアップ計画を立てていただきます。
中途採用者向け研修「コミュニケーション編」~職場に速やかに適応する
中途採用者は、貴重なスキルや経験を有する一方で、それらを活かすための社内基盤が弱いために、本来の力を発揮できないことがあります。本研修では、新しい職場での信頼関係の築き方や、適切なコミュニケーションの取り方を身に付け、成果につなげやすくすることをねらった研修です。
中途社員向け研修~オンボーディング・まず上司と話し合う5つのこと
本研修のワークでは、中途採用社員(出向者)の方に、まず新しい職場で求められる役割を考えていただき、そのうえで自分の強みを活かしてどのように活躍するかについて、上司と1対1面談で話し合うことを5つの視点で具体化していただきます。





