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復職はキャリアの再設計!育休経験を活かす「リカレントキャリア」の築き方

育児や介護など、さまざまな理由でキャリアに一時的なブランクが生じることは、現代社会において珍しいことではなくなりました。

しかし、いざ仕事に復帰するとなると、「以前と同じように働けるだろうか」「業務のスピードについていけるだろうか」といった不安を感じる方は少なくありません。

スムーズな復職を叶え、再び活躍するための鍵は、休業期間を「空白」ではなく、将来に向けた学びと成長の機会と捉えることにあります。本コラムでは、育児休業(育休)からの復職に向けた準備の進め方や、復職後のキャリアを豊かにするための考え方について解説します。

復職はキャリアの再設計~育休中の経験を仕事に活かすマインドを持つ

リカレント教育とは、仕事と学びを繰り返し、生涯にわたってキャリアを更新していく考え方です。復職はまさに、このリカレント教育を実践する絶好の機会といえます。

育休からの職場復帰は、単に元の仕事に戻ることではありません。新しい生活スタイル、働き方、そして自身のスキルを見つめ直し、アップデートするタイミングです。

育児を通して得られる新たな経験や視点は、復職後のキャリアに大きなプラスとなります。不安を感じるのは自然なことですが、その不安を解消するためには、復職後の自分を具体的にイメージし、事前に準備を進めることが重要です。

産休・育休前の準備:引き継ぎがスムーズな職場復帰への道筋をつくる

育休に入る前の準備は休業中の安心感だけでなく、復職後の円滑なスタートにも大きく影響します。

業務の引き継ぎと情報整理の徹底

育休中は、いつまで休むのか、誰が自分の業務を担うのか、といった点が不明確だと、チーム全体に負担をかけてしまう可能性があります。育休に入る前に、自身の担当業務を整理し、担当者へしっかりと引き継ぐことが重要です。

  • 業務マニュアルの作成
    自分が普段行っている業務内容や、その進め方を詳細にまとめたマニュアルを作成しておくと、引き継ぎ担当者が迷うことなく業務を進められます。
  • 進捗状況の共有
    現在進行中の業務やプロジェクトの進捗状況、次にやるべきことなどを関係者と共有し、口頭だけでなく書面でも残しておきます。
  • 緊急連絡先と連絡方法の確認
    万が一の事態に備え、育休中の緊急連絡先や連絡手段(メール、電話など)について、上司や担当者と事前に話し合っておくことで、お互いに安心して過ごせます。

職場のメンバーとのコミュニケーションを密にする

育休は法律で定められた権利ですが、その取得や復職のタイミングについて、事前に上司や人事担当者に相談しておきましょう。

  • 復職の意思と時期の伝達:育児休業に入る前に、復帰の意思があること、そしておおよその復職時期を上司に伝えておきましょう。これにより、職場側も復職後のポジションや業務内容について、事前に検討を進めることができます。
  • 復職後の働き方の相談:復職後の働き方(時短勤務、テレワークなど)について、希望があれば育休前に相談しておくことで、復職後のギャップを最小限に抑えられます。

育休中の過ごし方:復職を見据えたスキルアップ

育休中は育児に追われ慌ただしいものですが、職場復帰の時期が近づいてきたら、すきま時間に復職の準備を進めておくことをおすすめします。

自身のキャリアを棚卸しする

育休中に、一度立ち止まって自身のキャリアプランを見つめ直してみましょう。休業期間を経て、「何のために働くのか」「どのようなキャリアを築きたいのか」といった問いに対する答えが、より明確になっているかもしれません。

  • 過去の経験を再評価する:これまでの職務経験に加え、育休中に得た家事、育児、コミュニティ活動などの経験をじっくりと棚卸ししてみましょう。その中で、改めて自身の強みや得意なこと、そして成長した点を発見できるはずです。
  • 新たな強みを発見する:子育てでは、タイムマネジメント能力、マルチタスク能力、問題解決能力など、仕事に通じるスキルが自然と身につきます。これらの経験を「仕事に活かせる強み」として捉え直すことが大切です。
  • 将来のキャリア像を描く:復職を機に、数年後、10年後の自分を想像し、どのような働き方をしたいか、どのようなスキルを身につけたいかを具体的に描いてみましょう。

ITリテラシーなどの知識やスキルのアップデートに取り組む

時代の変化に合わせて、求められる知識やスキルは常に変わっていきます。育休中は職場の最新情報から遠ざかりがちです。少しでも学びの時間を確保すると、スムーズに業務に戻ることができます。

  • ITリテラシーの向上:Excelや生成AIなどのITツールは、業務効率を劇的に改善します。特に復職後に時短勤務となる場合には、限られた時間で成果を出すために、これらのツールの使い方を事前に習得しておくことは非常に有効です。オンライン講座や書籍を活用し、基本的な操作方法や最新の機能について情報収集しておきます。
  • 業界のトレンドをキャッチアップする:業界紙やニュースサイト、SNSなどを活用し、最新の情報を得るように努めましょう。

復職後の働き方:制約があるなかでも成果を最大化する3つのポイント

復職はゴールではなく、新たなキャリアの始まりです。育児経験を通して得た、時間管理や多角的な視点といったスキルは、ビジネスの現場でも大きな強みになります。

1.仕事とプライベートのバランスがとれる働き方を設計する

復職前と全く同じ働き方ができるとは限りません。保育園の送迎など、プライベートな時間が増える中で、仕事とのバランスをどのように取るか、具体的な働き方を考える必要があります。まずは、周囲の協力を得ながら、自分にとって無理のない範囲で、最高のパフォーマンスを発揮できる働き方を設計しましょう。

2. 限られた時間で最大の成果を出すスキルを磨く

時短勤務により勤務時間が短くなったり、子どもの体調不良による突発的な休みが発生したりするなど、時間の制約が増えます。そこで重要になるのが、効率的に仕事を進めるスキルです。業務の優先順位付け、生産性を高めるためのデジタルツール(プロジェクト管理ツール、コミュニケーションツールなど)の活用、集中力を高めるための時間管理術など、限られた時間の中で最大の成果を出すための具体的な方法を学び、実践していくことが求められます。

3.周囲との良好な関係を再構築する

休業期間を経て、職場のメンバーや状況は変化しているかもしれません。復職後は、遠慮なく周囲に相談し、助けを求める姿勢が大切です。「迷惑をかけてはいけない」という思いから、一人で業務を抱え込んでしまう方もいます。しかし、復職直後は、周囲の協力を得ながら仕事のペースを取り戻すことが、結果として全体のパフォーマンス向上につながります。自身の状況を正直に伝え、必要なサポートを求めることで、周囲も協力しやすくなります。また、感謝の気持ちを言葉で伝えることも忘れてはなりません。

長く活躍し続けるために~育児経験をキャリアの強みに変える

復職をゴールとせず、そこから先のキャリアをどう描いていくかを考えることが大切です。育児というかけがえのない経験を、仕事に活かせる貴重な財産と捉え、それをキャリアに活かしましょう。

育休復職者向け研修~職場復帰への不安を解消するための心構え(半日間)

画像・写真

育休取得後、職場に復帰する際には、以前とは環境が異なるがゆえに不安はつきものです。

本研修では、職場復帰を前向きに捉えるために、その気持ちとの向き合い方や心構えを学びます。ワークスタイルに合わせた仕事の進め方を身につけ、自信を持って取り組めるようになることを目指します。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 近いうちに職場に復帰する予定だが、うまくやっていけるか心配
  • 早く感覚を取り戻して活躍できるよう、マインドセットをはかりたい

研修のゴール

  • 職場復帰に向けた準備を整える
  • 現状を受け入れ、仕事の仕方を見直せるようになる
  • 限られた時間の中で周囲からの期待に応えていくコツを知る

>講師派遣型研修の詳細はこちら

セットでおすすめの研修・サービス

(半日研修)ワーキングマザー研修~仕事の進め方編

ワーキングマザー研修

ワーキングマザーの仕事の進め方の基本を学ぶ研修です。上司やメンバーへの相談や依頼の仕方、いざというときのために「仕事を見える化」するなど、協力してもらうメンバーに配慮した仕事の進め方を習得します。

「仕事を見える化」することで、自分の業務管理のしやすさにもつながります。

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職場復帰ナビ~受け入れるリーダー向け

育児休業・介護休業・病気休職などから職場へ復帰する部下を受け入れるリーダーの方に知っていただきたい、心構えやコミュニケーション方法を解説する動画教材です。

受け入れるリーダーの方には、当事者の方が職場へ順調に復帰をし、持続的に活躍してもらうと同時に、周囲のメンバーの方も安心感をもって復帰を手助けできるような仕組みや雰囲気をつくることが求められます。

>動画教材の詳細はこちら

復職者・シニア社員の成長を促すリカレント教育プラン

復職者・シニア社員の成長を促すリカレント教育プラン

復職者やシニア社員が、研修(スキル教育)とeラーニング(資格講座など)で実務スキルを習得・強化する研修プランです。合わせて、対象のメンバーを支援する管理職向けの研修も実施します。

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