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表記ゆれやセル結合をなくす、分析しやすいデータの作り方|データリテラシーの基本1

「データはあるのに、うまく活用できていない」「ExcelやBIツール※を使っているが、分析に時間がかかる」このようなお悩みはありませんか。ビジネスにおいて、データは意思決定や分析の基盤となる重要な資産です。

売上管理、業務改善、顧客分析などさまざまな場面でデータが活用されています。データの集計や分析の前準備に時間がかかるといった課題も少なくありません。その原因の多くは分析手法やツールではなく、データの整え方にあります。

本記事はデータ活用や社内教育にそのまま転用できる「データリテラシーの基本」を全5回でお届けするシリーズです。初回となる今回はデータ活用の土台となる「きれいなデータとは」について解説します。データ分析やDX推進に取り組む際の共通認識づくりにお役立てください。

※BIツール
会社中のデータを一ヶ所に集めて、パッと見てわかるグラフや画面(ダッシュボード)を自動で作ってくれるツールのこと。表計算ソフトのExcelよりも大量のデータが扱えて自動更新できるような作りになります。例えば、有名なBIツールは、Tableau(タブロー)、Power BI(パワー・ビーアイ ※Microsoft製)、Looker Studio(ルッカースタジオ ※Google製)など。

データの入力形式の統一で分析作業をスムーズに

きれいなデータとは誰が見ても理解しやすく、ExcelやBIツールなどでも正しく読み取れる状態のデータを指します。見た目が整っていても入力形式が統一されていない場合、並べ替えや集計、分析の際に問題が発生します。

たとえば売上データを扱う場合、日付、顧客名、商品名、売上金額などの入力形式が統一されていればデータをそのまま活用でき、分析作業をスムーズに進めることができます。

きれいなデータは誰が使っても同じ結果になる

きれいなデータが整っていると次のようなメリットがあります。

  • 集計や分析がスピーディーにできる
  • BIツール※やAI分析にそのまま活用しやすくなる
  • 入力ミスや二重登録を防ぎ、データの信頼性が高まる

特に複数の人や部署でデータを扱う場合、「誰が使っても同じ結果が出る」状態を作れることは大きな利点です。データの形式が統一されていれば担当者ごとに集計結果が変わったり、確認作業に時間がかかったりすることを防ぎやすくなります。

恐ろしいことに、起こりえる「汚いデータ」の例

汚いデータは分析や活用の妨げになります。縦の列の内容が揃っていない、1行に別のデータが混ざる状態では、足し算や並べ替えなどの単純なデータ分析ですらできません。分析前にデータ整形作業が発生します。下記の汚い状態の顧客情報から、売り上げの計算や、宛名を印刷することを想像してみてください。イメージなので、かなり極端に作ってありますが、項目名がシンプルすぎたり、曖昧な入力方針で作成すると、汚いデータができます。

実際こんなデータを担当されたことがあれば、ぞっとするはずです。そして、データについて詳しくない方でも、この状態から売上金額を計算することが容易ではないという事が伝わるはずです。

汚い状態の顧客情報イメージ

日付 都道府県 顧客情報(担当・連絡先) 売上金額
2024/4/1 東京 株式会社A商事
担当:佐藤 (090-1111-2222)
100,000
東京都 (有)鈴木商店 50,000円
TOKYO 田中 太郎 様
[email protected]
32,400
--- 4/1 小計 --- 180,000
2024年04月02日 神奈川県 川崎市 株式会社Bテック / 鈴木 200,000
神奈川 C建設 (03-1234-5678) 165000
千葉県 カマド 一郎※漢字不明のためカタカナ 80000
--- 4/2 小計 --- 430,000
24/4/3 埼玉 (株)Dシステム担当:高橋 120,000円
  • セルを結合している
  • 日付の列の途中で小計などの別のデータが入る。見出し行や小計行が途中に混ざっている
  • 都道府県に「東京」「東京都」「TOKYO」「市区町村混在」「スペース」などが混ざるなど、表記が統一されていない
  • 日付に全半角が混ざる、漢字が混ざる、西暦や前ゼロの有り無しなど書き方の規則が無い。何の日付か不明(受注日なの?、売上日なの?、入金日なの?)
  • 1つのセルに複数の情報が入る仕様で記入ルールが無い
  • 顧客情報に、担当と連絡先以外のデータが入っている。例えば注意書き。さらに、会社名と個人名が混在、担当と連絡先の間の区切り仕様が決まっていない。連絡先にメールアドレス、電話番号混在。名前だけしかない。略称、正確な名前で入力されていない、など
  • 売上金額に税込みと税抜きが混ざっている
  • 全半角が混ざっている
  • 数字で入力してほしい欄に円などの漢字が混ざっている
  • 数字の桁区切りをするしないのルールが無い

データを正しく扱うための3つのポイント

日々の業務でデータを扱う際には、以下の3つを意識することが重要です。例はExcelのファイルの場合です。

1.ファイル名やシート名を分かりやすくする

「新・売上集計.xlsx」「売上集計_改訂版.xlsx」「Sheet2(コピー)」のような名前では、どれが最新版なのかわかりにくくなります。後から見たときに何のデータか、いつのデータかがすぐにわかる名前にしておくことが大切です。

  • ファイル名:260704_【売上】6月集計.xlsx
  • シート名:営業部_売上データ

2.作業前に元データはコピーを作成しておく

元となるデータを直接編集すると修正履歴が追えず、元に戻せなくなるリスクがあります。分析や加工を行う際は必ずコピーを作成してから作業するようにしましょう。元データ、作業用データ、提出用データを分けておくと、後から確認しやすくなります。

3.データ入力のルール・形式を統一する

日付表記、住所の書き方、半角・全角など、入力ルールをあらかじめ決めておくことが重要です。可能なら、機能を使って、入力を制限したり、具体的なルールを作ります。たとえば次のようなルールです。

  • 日付は「yyyy/mm/dd」で入力する(半角で西暦を4桁、月を2桁、日付を2桁で書く)
  • 「日付」だけでは不明になる場合は、何の日付なのかを具体的に項目名に書いておく
  • 都道府県名は省略せずに入力する(都道府県名くらい、頻繁に変更の無い項目ならば、コードにしてしまい、書かせないのも手です)
  • 会社名の表記を統一する(正式名を記入、株式会社、有限会社などの省略をしない。この場合、パソコンで入力できない旧字体や英字や記号の入る社名の場合などのルールも、考慮しておく必要があります)
  • 入力候補は可能ならプルダウンで選べるようにする

ルールが統一されていれば集計や分析の精度が高まり、後工程の負担を減らすことができます。

データ分析用の入力と、印刷したり表示するためのデータは違うものです

近年は生成AIやBIツールを活用する組織も増えています。こうしたツールは、入力データが整っているほど処理結果が安定しやすくなります。AIやBIツールを効果的に活用するためにも、きれいなデータを扱う意識が欠かせません。先にきれいなデータを作成しておけば、表示用に変換することは容易です。表示用は人が見やすいように、セルを結合して表示させても、紙や画面の幅に合わせて、省略して表示しても大丈夫です。ただし、後からあえて行う加工です。

データ活用を進める際は、「データをどう整えるか」という基本から見直すことが大切です。

(半日研修)Excelでできるデータクレンジング入門研修

本研修では、データを活用する前の段階で必要となる、データクレンジングの基礎を学びます。住所・郵便番号・電話番号などのデータ整形をExcelの基本機能や関数を使って実践的に学びます。また、データを整えるだけでなく、そもそも入力ミスや表記ゆれが起きにくいExcelファイルを作成する方法も習得できます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • データの入力フォーマットがバラバラで、集まってくるデータの形式が異なり扱いにくい
  • 統一されていない形式のデータを手動で整形しているため、見落としやミスが多い
  • データの整形ばかりに時間を取られ、肝心のデータ整理や活用まで手が回らない

本研修の目標

  • Excelを使ったデータクレンジングの基本を理解できる
  • データを見た時に、Excelのどの関数やどの機能を使えば整形できるかが判断できる
  • そもそものデータクレンジングが不要になるExcelファイルの作成方法を身につけられる

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