営業職「誰もやらない」101の秘策

 

営業職「誰もやらない」101の秘策

【第3話】「企画~アイデアを否定しない」

【第3話】「企画~アイデアを否定しない」

◆インソース講師 平野
◇インソース 小林                          

※バックナンバー
【第1話】「営業~お客さんと一緒に仕事を面白がる」 
【第2話】「交渉~海外大企業との契約に関するタフ・ネゴシエーション」
 

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             ◇今回のビジネスパーソン◇
       
             平野 茂実(Shigemi Hirano)

     大手電機会社や大手メーカーで、経理・営業職や新規企画の
    仕事に携わる。豊富な経験に基づき、現場ですぐに役立つ
    知識やノウハウを温和な話し口で語る。  

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◇企画の仕事に携わられたとお聞きしたのですが、企画の仕事で難しいのはどういう所ですか?弊社代表の舟橋は「企画というのは「ひらめき」よりも、実際に商品にしたり、売ることの方がはるかに大変だ」と言っているのですが、やはりそれはそうですか?

◆おっしゃる通りです。いいものがひらめくとそれだけで売れそうな気になりますが、「売れそう」と、「買ってくれる」の間には大きな差があります。目の前にあるけれど、谷底があるみたいな感じです。それを乗り越えるのがものすごく大変です。

◇それは、既存の枠組みからはみ出すことで何か障壁があるということですか?

◆そうですね。ある意味で、革新的な商品というのは、お客さんの仕事のありかたそのものを変えてしまうこともあります。つまり、お客さんが現在やっているプロセスをある意味破壊してしまうので、必ず抵抗する人がいるわけです。

◆具体的な例としては、むかし図面のトレイサーという「清書」する仕事をしている人いたのですが、その人たちの仕事は大判プリンタが出現することによりなくなりました。また、昔はタイプ室というのが総務部にありまして、タイピストのお姉さんたちがタイプを
打っていました。今はないですね。みんなパソコンとレーザプリンタに変わりました。それと一緒です。

◆新しい商品というのは、必ずお客さんのプロセスを何か一部破壊してしまいます。だからそれに対しては、必ず抵抗があります。でも、いつかそっちに行かざるを得ないことは、お客さんも含めみんなわかっています。わかってはいるんですけど、なかなか難しいときもあります。それを上手に「そうだね」と言わせるのが、商品企画とか新規事業の一番難しいところでしょう。

◇平野さんは企画の仕事もされていたと思いますが、良い企画を行うポイントなどがあれば教えてください。

◆企画に関する本は何百冊もありますが、大体書いてあることは同じです。例えば、「企画は、わかりやすくて、誰が読んでも間違いがないように」とか、「シンプルにメリットを強調して」ということがよく言われています。それは企画書に関してはもっともだと思います。しかし、企画をまとめるまでのプロセスで一番大事なのは、「どんなアイデアでも否定しない」ことだと私は思っています。

◆例えば、新製品ができたので「この商品のコマーシャルをつくろう」とか、「カタログを作ろう」といったときに、よく"ブレインストーミング"をしますよね。ブレインストーミングの鉄則というのは、決して否定してはいけない、そして質より量ということです。

◆でも、会社のお偉いさんがブレインストーミングやると、自由な意見を活発にやりとりするというよりは、「そんなのは駄目だよ」とすぐ意見を否定しちゃいます。これは、企画をする上では非常に良くないことだと思います。

◆作り話ですが、「新しい高級車のテレビコマーシャルつくる」という議題でブレインストーミングの会議をしたとしましょう。

いいアイデアない?と聞いたときに、若い人が「アメリカのブッシュ大統領と、イギリスのブレア首相と、日本の安部首相と、車の前で並ばせて、これがいいって言わせたらどうですか」と言うと、課長は、「ばかやろー」 「ふざけるな。おまえ常識で考えろ。大統領や首相がそんなことするわけないじゃないか」と言ってしまいますが、それはやっちゃいけないことです。これもアイデアとして残しておかないといけない。

◆小林さんに聞きますが、このコマーシャルの企画をもし簡単に実現することができる方法があれば何だと思いますか?

◇そっくりさんを使う・・・ですか?

◆そのとおりです。本物が言わなくていいんです。そっくりさんを並べれば。一見無理そうな企画でも、もう一つアイデアを出すことで実現できる場合があります。だから「どんなことでも否定しない」ということが大切です。企画の段階で出るアイデアというのは一個一個が何かの宝の鉱脈かもしれません。

◇ただ、ブレインストーミングの形で会議をすると、意見は出るかもしれませんが、それをまとめたり、調整したりするのが非常に難しいなと思うのですが・・・。平野さんもファシリテーター的な会議のまとめ役をされたことがあると思いますが、何か多様な意見をまとめるコツなどはありますか?

◆会議で難しいのは、正解の方程式が一本じゃないことです。発言者のキャラクタをみながら、「この人はここを押したほうがいいな」とか「ここはちょっと妥協しておくべきだな」というように、落としどころを探るというのが会議の司会者の役割です。だから司会者は発言している余裕はあまりないはずです。

◇ブレインストーミング的な会議だと"締め"(しめ)が難しいような気がしますが・・・どう終わるんですか。

◆いきなり終わらせるのが良いと私は思います。あと5分ちょっとでお昼だから、やめよう!と言うと、黙ってた人も急に発言し始めるんです。終わらせるには、外部から制約条件を与えるやり方が一番良いと思います。


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