クレーム対応の勘所

 

クレーム対応の勘所

クレーム対応が上手にできない3つの理由(2)

クレーム対応が上手にできない3つの理由(2)

「これ以上、クレームを聞きたくない」「なんとかクレームを聞かずに収めてしまおう」・・・など、クレームが自分への攻撃のように感じられ、心が防戦してしまい、ついつい言い訳をしてしまうことがよくあると思います。

クレーム応対は本当に大変ですが、ここを我慢できずに、言い訳をしてしまうことがクレームを発生させる大きな第二の要因です。

本日は、この問題について、じっくりと見ていきます。

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1. 「態度」「表情」「声」を総動員して対応

お客さまの話を聞くとは、「態度」「表情」「声」を使い、お客さまの困っている状況に対して「共感」を全身で伝えることです。
たとえば、 

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お客さま 「貴社のパソコンを使っている時に突然画面が固まって動かなくなってしまった。おかげでせっかく作っていた会議資料が台無しになってしまったじゃないか!A社のパソコンでは、こんなことはなかった」
  
応対者 「さようでございますか。当社の製品を使っていただきながら、誠に申し訳ございませんでした。不具合はどのような状況で起こりましたか?恐縮ですが、お教えいただけますでしょうか」

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このように、「お詫び」のあと、お客さまの話を促して、全身を使って聞くのが、対応として適切です。漢字の細かいニュアンスを表現すれば、これは「聞く」ではなく「聴く」です。事務的ではなく、心でクレームの声を聴くことが求められます。

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2. 最低「3分間」は聞き役に回る

お客さまの話は、最低でも「3分間」は聞くようにします。お客さまは、何が起きて、どのように困っているのかを話したがっています。クレームを受ける側にとっては小さなことと感じられるかもしれませんが、お客さまにとっては「大きな」「大切な」ことです。

ですから、お客さまの気が済むまで話を聞くことが必要です。お客さまの話を聞いている時間は、長く感じられるものです。
しかし、お客さまの最初の話はほとんどの場合、3分以内に終わってしまうことでしょう。

少し我慢して聞いてください。そうすると、話しているうちにお客さまの頭の中もだんだん整理されて、除々に気持ちが晴れてきます。また、話をしっかり聞く姿勢を見せることで、お客さまとの間に信頼関係が生まれ、最小限の時間で解決へと向かうでしょう。

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3. 「相づち」を打って誠意を見せる

「聴く」ときのポイントは「ええ」「そうでございますか」「かしこまりました」などと言いながら「相づち」を打ち、お客さまに対して真剣に接しているということを示すことです。

また、クレームの上手な方は、激怒するお客さまの声を真剣に聞きながらも、少しずつ、こちらの言い分を伝えていきます。つまり「聞きながら話している」のです。

しかられても、怒られても、少しずつ情報を伝えていくのが得策です。あたかもボクシングのジャブのように。こんな具合です。

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お客さま 「いったいどうなってるんだ、君のところの対応は・・・」

応対者 「(しっかり話を聞いたあとで)お怒りはごもっともでございます。ご不便をおかけいたしまして本当に申し訳ありません。ただ、この製品の機能を維持するために必要な部品の保有期間が3年ほど過ぎておりまして・・・」

お客さま 「そんなことは聞いていない、私はこの製品を使いたいんだ!」

応対者 「弊社の商品を大切にご使用していただき誠にありがとうございます。おっしゃる通りです。この製品には私どもも愛着がございます。ただ、誠に恐縮ではございますが、コンピューターで全国の部品の在庫をお調べしましたところ、もうどこにも在庫がございませんでした」

お客さま 「そうか・・・、わかった。じゃあどうすればいいんだね」

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このあと、お客さまと具体的な対応策を考えることができればベストです。ご要望に添えない場合には、再度お詫びをして、納得していただくしかないという意思を伝えます。

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4. クレーム対応が下手な人は「言い訳」が多い

クレーム対応が上手でない人は、お客さまの話を全然聞いていないようです。たとえば、このような具合です。

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お客さま 「貴社のパソコンを使っている時に突然画面が固まって動かなくなってしまった。おかげでせっかく作っていた会議資料が台無しになってしまったじゃないか!
A社のパソコンでは、こんなことはなかった」

応対者 「お客さま、何時間も連続してお使いではないでしょうか?説明書は読まれましたか?説明書には、この商品は長時間連続使用するとオーバーヒートして、時にシステムダウンすることがありますと注意書きがございます。その理由は、パソコンの心臓である・・・」

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このように、お客さまの話を最後まで聞かず、「言い訳」や「説明」を始めてしまう。もしくは、黙って聞いてはいるけれども無反応、無表情などという人がクレームを起こす人に多いタイプです。

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5. 自分の主張はあとまわし

当たり前のことですが、クレームを寄せてくるお客さまは「怒って」います。そのお客さまに対して、自分の立場を主張したり、お客さまの間違いを指摘するのは誤りです。しかし、実はこの重要なポイントが意外に理解されていません。

「どうも私はクレーム客に会いやすいような気がする」「私はお客さま運が悪い!」

このように、1度ならず2度、3度とクレームにあう方は、無意識のうちにお客さまの意見・意向の間違いを指摘したり、即座に反論をしてしまって、お客さまの意見・意向の間違いを指摘したり、お客さまの気持ちを逆なでしていることが多いものです。
実は、お客さまの話を聞かない対応こそが、クレームを大きくする元凶になっているのです。


※来週は、クレームが起こるその他の要因についてお届けします。

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