マネージャーとして覚悟を決める｜新任マネージャーの方法論３

私は精神論より、方法論が好きです。どうやって仕事をするか、つまり「how to」を探求するのが好きです。ですがマネージャーになるためには、方法論だけでは充分ではないと考えます。

マネージャーとして部下を率いていくためには、スキルや経験も当然ながら大事ですが、精神力、もっと言えば覚悟が一番重要な気がします。覚悟がなければ、しんどいマネージャーの仕事はやり抜けないと思います。

１．覚悟は「守りたい誰か」を明確にすることで決まる

マネージャーの覚悟を考えると、生き方にも通じるかもしれませんが、「守りたい誰か」が決まれば覚悟が決まります。

例えば、自分の部下が結婚して家を買い、子供が生まれたとしましょう。そうすると、その部下の生活を、やはり守ってあげなければなりません。縁あって自分の部下として働いている人たちに対する責任があるのです。少なくとも、マネージャーである自分がしっかり仕事をして、成果を上げれば、組織の利益につながり、部下の雇用や報酬が保証され、部下の生活が守れるのです。

創業期、貧乏を経験しているので、経済的安定は大事だと考えています。正直に言うと、部下が都内に家を買った話を聞くと「会社を潰せないな」と今でも覚悟が新たになります。

２．部下と自分の心身の健康を維持すること

経済的な安定と同時に、覚悟を持って部下と自分の心身の健康を維持することも、重要だと考えています。部下の心身に負担のかかる様な働き方をさせるのは、部下の生活を破壊し、経済的に大きな損失を与えることになります。場合によっては、チームだけでなく会社全体に損失を与えかねません。

また、マネージャー自身も心身の健康が必要です。マネージャーが自分の健康を顧みずに不摂生していると部下も会社も守れません。

３．マネージャーは「サムライ」であれ

何かのせいにできる逃げ道みたいなのを用意しておきたい人が大半だと思います。もちろん私もそうです。おそらくマネージャーは、その逃げ道を自ら断ち切る必要があると思います。

米国海兵隊の将校は自らを「アメリカンサムライ」と自称するのを好むそうです。「武士は食わねど高楊枝」という言葉がありますが、サムライの美意識は「やせ我慢」です。どんな困難な状況でも涼しい顔で最も困難な任務を、やせ我慢して引き受けるのが海兵隊将校の美学という訳です。このやせ我慢が部下の強い信頼につながってもいます。私も現実はどうあれ、困難な仕事を涼しい顔で引き受けるサムライでありたいと考えています。

４．一番熱心に働く～ちょっとだけやせ我慢をする

まずは部下より少し早く出社することからスタートしてみてください。早く出社するのは少し辛い事ですが、やせ我慢して、涼しい顔で一日をスタートしましょう。毎日、早く起きて仕事をスタートする事が自分の覚悟になります。

また、「チームで一番熱心に働いているのは私だ」との、さりげないアピールにもなるのでメンバーからの小さな畏敬を得られるかもしれません。

今後、リーダーとしてさまざまな困難に直面しても、この小さな「やせ我慢」のルーティンは覚悟のベースとなると思います。

マネージャーとして覚悟を決める｜新任マネージャーの方法論３

１．覚悟は「守りたい誰か」を明確にすることで決まる

２．部下と自分の心身の健康を維持すること

３．マネージャーは「サムライ」であれ

４．一番熱心に働く～ちょっとだけやせ我慢をする

関連する研修

＜熱意と覚悟のマインドセット＞逆境の中でのリーダーシップ研修

リーダーのためのストレスマネジメント研修～ストレスをうまく活用して自分も職場も元気にする

リーダーのためのレジリエンス研修～自分・部下・チームのレジリエンスを高める

業績向上のための組織づくり研修～ＯＯＤＡループで目的を達成する編

リーダーシップ研修～激動の時代に求められる考え方と強かなマインド