評価者が知っておくべき、対話ツールとしてのKPI活用術~期中面談でできる目標達成支援
期初の目標設定面談や期末の評価面談に加えて、期の中間で面談を行う組織は増えています。しかし、「目標は立てたものの、部下の進捗が見えづらい」「期中面談をやっているのに、評価の時期になっていつも慌てて振り返ることになる」など、評価者の悩みは尽きません。
目標設定後の中間面談は、単なる進捗確認だけでなく、被評価者の成長を支援するための重要な場です。しかし、評価者自身が「何をどう支援すればよいのか」に迷いを感じているケースは少なくありません。本記事では、評価者が被評価者の目標達成を支援するために活用できる、KPIを活用した進捗管理の手法をご紹介します。
KPIは監視ツールではなく「対話ツール」
KPIとは重要業績評価指標:Key Performance Indicatorの略で、日常の業務管理において、業務がうまくいっているかどうかを評価する指標のうち、特に重要な指標の一つです。KPIは目標(ゴール)に向かってどの程度進んでいるかを「数値」で把握するために使われます。
KPIの例
業務の内容 | KPIの例 |
---|---|
営業 | 月間売上、商談件数、成約率、営業訪問件数 |
マーケティング | Webサイト訪問数、クリック数、SNSフォロワー数 |
カスタマーサポート | 顧客満足度、対応件数、初回対応時間 |
製造 | 不良率、生産数、稼働率 |
KPIの活用にあたっては、進捗管理や評価のための「監視ツール」ではなく、支援のための「対話ツール」として使うことが大切です。KPIを通じて部下の行動を把握できれば、適切なタイミングで声をかけることができます。また、KPIを共有することで、評価者と被評価者の間に共通の認識が生まれ、目標達成に向けた一体感も高まります。
KPIを活用した期中面談の進め方
期中における評価者の役割は、目標達成に向けて被評価者がどのように行動し、どのように成長していくかを支援する「伴走者」です。中間面談では、KPIを活用した「進捗の見える化」と「行動の具体化」を軸に、部下との対話を進めましょう。
①目標とKPIの整合性を確認する
まずは、部下が設定した目標に対して、どのようなKPIが設定されているかを確認します。目標が曖昧だったり、KPIを設定していなかったりした場合は、部下の目標達成に関わる指標を洗い出し、部下と一緒にKPIを設定します。
②現時点での進捗を「数字」で把握する
現時点での進捗を、KPIの達成率など、できるだけ具体的な数値で確認します。行動や成果が可視化されているかどうかがポイントです。
目標に対して進捗が遅れている場合は、その原因を一緒に探ります。「優先順位が不明確」「スキルが不足している」など、具体的な要因を明らかにすることが重要です。
③次のアクションを決める
面談の最後には、次に何をするかを明確にします。KPIを活用し「今月中に○件の訪問を目指す」「週1回の勉強会を実施する」など、実際に行う行動を設定しましょう。
実践!評価者研修~進捗管理・達成支援編
期中の目標の進捗管理や部下が目標を達成できるためのサポートは評価者の重要な役割です。この「実践!評価者研修~進捗管理・達成支援編」では、KPIによる具体的な進捗管理の仕方、また面談を通してどのように双方で話し合い、目標を軌道修正するかなどの具体的な期中の進捗面談の進め方についても理解します。
よくあるお悩み・ニーズ
- 評価を行うにあたって日常的に部下の観察すべきポイントが知りたい
- 目標設定・進捗管理の具体的な方法や気を付けるべき点を学びたい
本研修の目標
- 期中での目標進捗管理の具体的手法を知る
- 部下の評価をするための、日常的な観察ポイントを学ぶ
- 部下のタイプに合わせた適切なフィードバックができるようになる
セットでおすすめの研修・サービス
360度評価アセスメント
本サービスは、360度評価を活用して個人の行動変容と組織全体の人材育成を支援するアセスメントです。自己評価と他者評価の比較により、個人の強みや課題を可視化し、行動改善につなげます。
また、定期的な実施によりフィードバックの機会を増やし、風通しの良い組織づくりや管理職昇格時の判断材料としても活用できます。
一人ひとりの特性と組織全体の傾向を「見える化」giraffeアセスメント
giraffe[ジラフ]は、114問の設問に答えることで個人の特性や志向性を可視化するアセスメントツールです。能力ではなく特性に特化しており、キャリアタイプやモチベーション、共感力などを多面的に分析します。
さらに、組織に対する満足度アンケートも含まれており、社内の人材傾向や組織の特徴を把握することで、採用や人材戦略に活用できます。
被評価者講座~評価の意義を理解し、自身の成長につなげる編
本動画では、評価の基本や自己評価の重要性、他者評価の受け止め方について解説します。前半では、成果や目標達成度を数値化する方法や、KPT法を使った効果的な振り返りのポイントを紹介します。
後半では、面談に向けた心構えや上司からの評価の受け止め方を学び、行動改善や支援の求め方について考えます。評価制度を自身のキャリア形成や組織への貢献にどう活かすかを考えるきっかけとなる内容です。