インソース グループコンテンツ開発本部

「AIに仕事を奪われる人」と「AIと協働できる人」の違いとは

生成AIによる業務の代行は、多くのビジネスパーソンが想像していたよりも早いペースで進みつつあると言われており、徐々に私たちの仕事の現場に影響を及ぼし始めています。

情報収集、文章の下書き、データの整理・分析――かつては人が時間をかけて行っていた業務の多くを、今はAIが担うようになっています。こうした変化を前に、「自分の仕事がAIに奪われてしまうのではないか」と不安を感じている方も少なくないのではないでしょうか。

しかし重要なのは、AIの台頭を脅威として受け止めるだけでなく、「人間にしかできないこと」を見極め、そこに集中して力を注ぐ姿勢です。本コラムでは、AI時代を生き抜くビジネスパーソンに必要な視点と、具体的に強化すべき3つのスキルについてお伝えします。

AIが不得意なことを知ることが出発点

AIは大量の情報を高速に処理し、精度の高いアウトプットを生成する能力に長けています。一方で、以下のような判断はAIには非常に難しいとされています。

1.実用的かどうか

AIはアイデアを大量に生成することや、それを一定の基準のもとにスクリーニングすることはできますが、一つひとつのアイデアが、現場の実態に合っているかどうかや、今の会社の流れの中で優先度が高いかどうかを踏まえて、「今、提案すべきかどうか」を総合的に判断することはできません。

2.倫理面で妥当か

法律に合致しているかや、社会規範に合っているかどうかくらいまでは、何とかAIにも判断ができますが、自社のポリシーに適っているかどうか、取引先との関係性を悪くしないか、といった、文脈に応じた倫理的判断はさすがにできません。

3.固有の事情が考慮されているか

自社の文化、過去からの経緯、チームの現状、特定の顧客との関係性など、数値化・言語化されていない「組織固有の事情」は学習データとなり得ないため、AIには判断することができません。

AIが本質的にできないこと~責任をとること

そしてもうひとつ、忘れてはならない本質的な違いがあります。AIは決定事項の責任をとることができないという点です。アウトプットがどれほど優れていても、最終的な意思決定と、それに伴う説明責任・結果責任は、人間しか引き受けることはできません。

意思をもって行う仕事はAIに代替されない

「AIに奪われる仕事」と「人間が担い続ける仕事」の境界線はどこにあるのでしょうか。一言で表すなら、意思をもって行う仕事はAIに代替されないということです。何を問うべきかを考える、答えの妥当性を自分の頭で評価する、不確実な要素を含みつつも覚悟をもって判断を下すこと。こうした行為はすべて、人間の意思と責任を伴うものです。

逆に言えば、「指示された作業をこなす」「情報をまとめる」「定型的な文章を作成する」といった仕事は、AIによる代替が進みやすい領域です。これは職種によって大きく異なるわけではなく、同じ職種・同じ業務の中でも、「意思を伴う部分」と「作業として実行する部分」が混在しているケースが大半です。

「AIに奪われる仕事」という表現で、様々な職種が列挙されることがよくありますが、正確には「AIに奪われる役割」というべきで、先ほど挙げたような指示を受けてこなすようなアシスタント的な役割は、その多くがAIに代替されていく、ということなのでしょう。

AI時代に磨くべき「トリプルスキル」とは

では、人に残る役割において求められるスキルとは、具体的にどのようなものでしょうか。以下の3つのスキルをAIと協業できる人材の持つべき技術として推奨します。

トリプルスキル①問いを立てる力(質問力)

AIに問いかけた時の答えの質は、質問文(プロンプト)によって大きく左右されます。しかし、そうした質問のテクニック以上に重要なのは、「そもそも何を問うべきか」を考えることです。問いかけさえすれば何らかの回答が得られるAI時代だからこそ、課題を正しく設定することが、これからのビジネスパーソンに求められる価値となっていくのです。

トリプルスキル②妥当性を評価する力(クリティカルシンキング)

AIが吐き出すアウトプットには、誤情報や古い情報、バイアスが含まれている可能性があります。また、質問者に都合のよい答えを返す傾向があることも指摘されています。ただし、こうした問題は、何も生成AIだけに見られるわけではなく、検索で出てくる答えであろうと、人に尋ねた時の返答であろうと、どこでも起こり得るものです。生成AIの登場以降、そのスキルが必要となる場面がより増えてきているだけの話なのかもしれません。

トリプルスキル③決断を下す力(意思決定力)

AIは判断材料を提供できますが、「決断」は人間だけが担い得るものです。価値観や経験にもとづく独自の判断基準を持ち、不確実性を引き受けながら前に進む覚悟がAI時代においても揺るがない人間の役割です。また、決断には説明責任が伴います。「なぜその選択をしたか」を自分の言葉で語れることが、これからのビジネスパーソンに問われます。

AIと協働するために~AIにはできないことを磨こう

人間の意思と責任をもって行う仕事はAIに代替されません。質問力、クリティカルシンキング、意思決定力の3つの力を磨くことは「自分の仕事がAIに奪われてしまうのではないか」という不安を遠ざけます。

AI時代のトリプルスキル研修~問いを立て、評価し、決断を下す力を磨く

コラムで解説した3つの力を体系的に学ぶ研修プログラムです。講義とワークを通じて、AIと人間の協働の在り方を整理し、実務に直結する思考プロセスを習得していただける内容です。生成AIを日常的に活用されている方や、チームメンバーのAI活用を促進したいマネージャーの方にも広くご活用いただけます。

「トリプルスキル」を個別のスキルとしてではなく、実務において連動して発揮される一連の思考プロセスとして整理します。生成AIを有効なパートナーとして活用しながら、成果につながる判断と行動を生み出すための基本的な考え方と視点を体系的に学んでいただきます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 「AI」あるいは「AIを使うのが得意な人」に仕事を奪われるのではと不安になる
  • 仕事におけるAIと人間の役割分担の在り方について知りたい
  • AIで仕事が楽になった分、どこに力点を置いてスキルアップを図るべきか知りたい

本研修の目標

  • 生成AIと人間との協働の在り方がイメージできるようになる
  • 生成AIの活用シーンで3つのスキルをどのように駆使すればいいかが分かる
  • 3つのスキルを一つながりで活用することで課題解決につなげられることが分かる

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

セットでおすすめの研修・サービス

AI時代の質問力向上研修~求められる「問題発見力」と「問いを立てる力」

答えを出す仕事は生成AIにどんどんシフトしていく中で、人に求められる「問いを立てる力」の向上を図るための研修です。

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

>動画教材の詳細はこちら

AI時代のクリティカルシンキング研修~求められる「疑う力」と「活かす知恵」

AIが出す回答の真偽を疑うことや、質問する際の前提を問い直すことで、AIとの協働をさらにレベルアップさせていくための研修です。

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

AI時代の意思決定力研修~求められる「価値判断」と「背負う覚悟」

AIに任せられない、主観的な考え方を決断に反映させることや、その決断を通じてリスクを取る責任の担い方について学ぶ研修です。

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

生成AIへの仕事の任せ方ワークショップ~120%のポテンシャルを発揮する

リサーチ・思考・資料作成・DX・自己研鑽という5つの視点で、生成AIを活用するコツをワークショップ形式で学ぶ研修です。

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

関連読み物一覧

関連シリーズ一覧

新作記事