上手なお詫びの仕方を身につけ、クレーム対応上級者になる
クレーム対応が上手な人とは
「クレーム対応が得意です」という人は、周囲を見渡してもなかなかいないのではないでしょうか。
その一方で「あの人が対応するとお客さまのクレームが収まる」や「お怒りだったお客さまが、むしろ楽しそうにお話されている」というような、周囲が驚くようなクレーム対応上級者も中にはいます。そのような上級者とそうではない人との違いは何かを考えた際、様々な理由があがりますが、その中でも「上手にお詫びできているか」がポイントであると考えます。
押さえておきたいクレーム対応4つの手順
もちろん、お詫びが上手にできたらクレーム対応が完了するわけではありません。
大前提として、クレーム対応の4つの基本手順を押さえておきます。
基本手順1:当事者である意識を強く持つ
クレーム対応を行うとき、「わたしのせいでは...」と思い逃げ腰で対応したら、「この方は逃げようとしている、私の話を聞いていない!」とお客さまの怒りを増幅しかねません。クレームを受けた際は、覚悟と勇気を持って「組織を代表している」という意識を持って挑みましょう。
基本手順2:お客さまの心情を理解し、そのことを行動で示す
クレームを寄せるお客さまは、「自分の話を聞いてほしい」、「自分が置かれた大変な状況をわかってほしい」との思いで発します。まずはお客さまに冷静になっていただくためにも、お客さまの心情を理解するよう努めます。
また、お客さまの想いを理解していることを伝えるためにも、きき手の言動が大事になります。「はい」「左様でございますか」などのあいづちや、うなずくなどのジェスチャーを用いて全身で聞いていることを伝えます。ただし、うなずき過ぎは逆効果です。話の40~50%程度にしましょう。
基本手順3:解決すべき問題・ご要望の確認を行う
お客さまと対応者の常識は異なります。だからこそ「きっと○○だろう」と決めつけて話を進めるのは禁物です。基本手順2で伺った内容を踏まえて、「何が問題であるか」「お客さまのご要望は何か」をすり合わせましょう。
基本手順4:問題の代替案・解決策を冷静に提示する
その場しのぎの提示はもちろん厳禁です。お客さまの立場を想定し、最大限、誠意を見せて解決策を提示することが大切です。その際、自組織の理由で対応できないとお伝えすると、お客さまのお怒りは再燃します。
クレーム対応をワンランクアップするお詫びの仕方
代替案・解決案を提示してお客さまにご納得いただいた後、再び、今回のことに対して「この度は、大変ご不便をおかけしまして、誠に申し訳ありませんでした」と丁寧にお詫びしましょう。更には、今回貴重なご意見を頂戴した旨を感謝し、お礼を申し上げましょう。
お客さまからクレームを頂いたということは、お客さまの会社への信頼が低下しているということになります。ここは、精一杯の誠意を見せて、信頼を回復し、逆に、「この会社はこんなにしっかり対応してくれるのか」と思われ、クレームが起きる以前よりも良い印象をいただけるように努めましょう。
クレーム対応研修~苦情対応の正しい手順を学ぶ
インソースのクレーム対応研修では、「1次対応」の基本スキルを習得します。
まず、CSマインドや当事者意識など、クレーム対応に必要な心構えを学びます。次にクレームを背景から聴く手法を学ぶことで、お客さまの怒りを鎮めることができます。最後に、ご要望を的確に訊き、寄り添った代替案・解決策を伝えることで、相手の納得を引き出し、クレームを収束させます。多くのロールプレイングを行うことで、明日から現場で使える実践力を高めます。
よくあるお悩み・ニーズ
- お客さまに納得いただけるような対応方法が知りたい
- お客さまに厳しい言葉を言われると萎縮してしまう
- クレーム対応に時間が取られて他の業務に支障が出ている
本研修の目標
- クレーム対応の当事者として、お客さまの心情を理解した行動ができる
- 1次対応の中で、問題点やお客さまのご要望の確認ができる
- クレームの解決方法を冷静に確認・判断し、お客さまに提示することができる
セットでおすすめの研修・サービス
クレーム電話対応研修~見えない相手との対応テクニックを学ぶ
本研修では、クレーム電話に対する基本的なスキルを習得します。「相手の顔が見えない」「こちらの気持ちが伝わりづらい」などの電話特有の難しさを踏まえ、対応の4つの基本手順である「1.当事者意識を持つ、2.お客さまの心情理解、3.問題・要望の確認と提案、4.関係部署との連携」を学びます。
基本的なスキルを学んだ後は、よくある事例をもとに、お客様役・対応者役に分かれてロールプレイングを数回繰り返します。評価シートを使用し、自身の対応についてフィードバックをもらいながら繰り返すことで、対応スキルの向上を図ります。
クレームEメール対応研修
近年、Eメールでの問い合わせ対応を行う場面が増えています。メールの特徴として、1.意見や要望を書きやすい 2.お互いの考えが伝わりづらい、という2つの特徴があります。文字だけでは相手の温度感や真意が汲み取りにくく、対応を誤るとクレームになったり、さらに対応が難しくなったりします。メールでの対応では、「対応に時間がかかる」、「記録が残る」、「文書読解力や文書作成力が要求される」など、対面・電話とはまた違ったクレーム対応スキルが必要です。
本研修では、クレーム対応の基本手順と、ビジネスメール作成のポイントを踏まえたうえで、クレームメールへの対応スキルを習得します。明日から現場ですぐに実践していただけるよう、ケース別の豊富な実践演習でスキルの定着を図ります。