得手不得手に関わらずプロジェクトを円滑に進めるために~プロジェクトマネージャーに求められるスキル
長年システムエンジニア(SE)としてさまざまな人と関わってきた経験から、大きく分けてSEには2つのタイプがあると考えます。
技術に面白さを見出し、それをとことん追求するタイプ
システムそのものに魅力を感じる傾向があり、海外の著名なITエンジニアに多い印象です。
プロジェクトに面白さを見出し、そこに情熱を注ぐタイプ
人や組織を動かすこと、プロジェクト全体の推進にやりがいを感じる傾向にあります。例えば、トラブルシューティングが得意な人などはこのタイプに該当すると思われます。
プロジェクトが発生すると、必ず誰かがプロジェクトマネージャー(PM)の役割を担います。先ほどのタイプでいうと後者が向いていますが、SEであれば向き不向きに関わらず担当しなければならないことがあります。IT分野のPMの役割や求められる能力をみていきましょう。
目的を理解し、プロジェクトが成功するようマネジメントする
プロジェクトマネジメントとは、プロジェクトをどのように遂行するか計画を立て、その目的を達成できるようにコントロールすることです。そのためPMの業務としては、計画立案から進捗・品質・コスト・リスクの管理、関係者との調整、チームのモチベーション維持まで多岐に渡ります。さまざまな知識や手法を身につけ、プロジェクトを推進していくことが不可欠です。
迅速に問題を解決し、方向性を明示する
プロジェクトには独自性があり、全く同じものは存在しません。問題が発生した際も、過去の解決策をそのまま用いただけでは解決できないケースがほとんどです。PMには、問題に応じた解決策を検討・決断し、仕事の方向性を的確に示せすことが求められます。
<具体例>
- あらゆる問題に対応できるよう準備し、状況に応じて適切な案を選択する
- 場面に応じた解決方法を検討し、お客さまやプロジェクトメンバーの理解を得る
- ツールを活用し、決断の根拠として使える適切なデータを日頃から収集するよう管理・監視しておく
メンバーを巻き込み、鼓舞しながら引っ張っていく
プロジェクトを推進していくうえでメンバーの協力は必要不可欠です。プロジェクトを成功させるには、PMとしていかに「人心を掌握」するかが鍵となります。苦しい状況に陥っても、メンバーを牽引していく姿勢が求められます。
<具体例>
- 活力を持って、前向きな姿勢でプロジェクトを進める
- 状況に応じてプロジェクトメンバー個々にも動機づけを行い、権限を移譲する
- プロジェクトメンバーに問題が生じた場合、相談に乗り、適切にアドバイスする
【極意シリーズ】プロジェクトマネジメント研修~心得・立上げ・推進・ツール(2日間)
本研修では、PMとしての基本的な心得を学ぶことから始めます。既にシステム関連のPMである方はもちろん、SEとしてこれからPMを目指す方にもおすすめのプログラムです。
具体的には、実際の現場での経験に基づいた知見として以下の3点を理解します。
- プロジェクトを取り巻くステークホルダーの把握と、効果的なコミュニケーションの取り方
- 品質管理、進捗管理、コスト管理、リスク管理における実施すべき事項とその技術
- プロジェクト管理業務へのツールの適用方法
受講者の声
- 自分の考えを周囲にうまく伝える力を磨いていきたい
- 会社として過去のナレッジやノウハウを蓄積できていない部分があることに気づいた。まずは自分からナレッジを残せるようなアクションをしていきたい
- 進捗管理や業務を円滑に進めるために人とのコミュニケーションを取ることは、PMでなくても必要なスキルであると思った
セットでおすすめの研修・サービス
システム開発のためのプロジェクトマネジメントの極意シリーズ
ベテランプロジェクトマネージャーの経験が詰め込まれた人気の研修シリーズです。要件定義・スケジュール管理・テスト・RDB開発・障害対応・システム障害防止策などのテーマについて、基礎を踏まえつつすぐに実践にいかせる内容を盛り込んでいます。
【極意シリーズ】テストの勘所研修~ソフトウエア品質は上流工程が決める
本研修は、ソフトウェア開発における品質管理のために行うテストについて学びます。テストの全体像や具体的な実施方法をおさえ、勘所を理解します。
【極意シリーズ】スケジュール管理研修~スケジュール監視・コントロールの進め方
本研修は、プロジェクトマネジメントのスケジュール管理に焦点を当て、必要なスキルを身につけます。スケジュールの種類や目的、可視化方法、資料の共有、コミュニケーションのポイントを取り上げます。
アジャイル開発のためのプロジェクトマネジメント基礎研修~スクラムの基本プロセスを習得する編(2日間)
本研修は、仮想の開発プロジェクトを題材に、アジャイル型開発プロセスの代表格「スクラム」の基本的な進め方について学びます。難しいといわれるアジャイル型開発プロセスを「ちょっと使ってみよう」と思えるよう、重要なポイントに絞ってお伝えします。