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コンフリクトマネジメント
「コンフリクトマネジメント」とは、対立する状況を「組織の成長を促す機会」と捉え、活用する組織強化の手法です。従来の日本では、物事に対して波風を立てることは避けられがちでしたが、内在するコンフリクト(conflict=対立・衝突・不一致)を顕在化し、議論のテーブルに載せることで、膠着した組織の活性化につながると注目を集めています。
通常、組織のコンフリクトは以下の原因から発生します。
①条件の対立:顧客と営業担当、上司と部下など立場や役割によって利害や意見が違う。
②認識の対立:思考や価値観の違いから、方法や戦略が異なる。
③感情の対立:①②の対立から、怒りや反発、非難や拒否、嫌悪の感情が発生する。
コンフリクトに直面した時の個々の反応は、以下の5タイプに分かれます。
①競争:権威や力関係で、自分の意見を強要する。
②受容:自分よりも相手の要求を優先して従う。
③妥協:譲り合うことで自分の意見の一部を実現するが、不満が残る。
④回避:対立そのものを避けることで、解決を先送りにする。
⑤協調:対立点を明確にしながら、双方がWin-Winの解決を目指し議論する。
コンフリクトマネジメントが目指すのは、⑤の協調です。違う意見を排除せず、異論こそ重要なヒントとすることで、新しいアイデアが生まれやすくなります。また、双方が利益を得る方法を模索することで、チーム内の相互理解が進み、人間関係も強固になります。
議論をするにあたっては、事前にコンフリクトマネジメントの概念や目的、協調の姿勢をメンバー内で共有することが重要です。共通目的を認識したうえで、どんなに意見が対立しても冷静に、自由に、平等に話すことを確認しておきましょう。また、感情の対立が激化した場合は、時間をおいて再度試みるのも一案です。
感情の対立を避けるには、怒りの感情をコントロールするスキルの習得や、多様性を認めるマインドの醸成が有効です。また、心理的安全性が高く風通しの良い職場づくりを心掛けることで、立場の違いを超えた本音の議論が可能となります。社内の障壁を乗り越え、組織力を高めていけるよう、コンフリクトマネジメントの手法を学んでみてはいかがでしょうか。
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