銀子の一句インタビュー リモートワークマネジメント研修を訪ねる|シルバーWEBライター銀子さんの研修川柳

形は変わってもマネジメントの基盤は信頼


銀子

リモートワークやテレワークといった言葉が一般化してきましたが、「リモートワークマネジメント研修」はコロナ以前からあったのですか?


M氏

はい、ありました。が、働き方改革など時代の流れで、一部の企業から導入に関するご相談をいただく程度でした。やはりコロナの感染拡大とともに、受講件数は急増しましたね。

銀子

そうですよね。でも、世の中の需要やタイミングなど、同じ状況下で同じスタートとなると、競合他社と差別化しにくいと思いますが。

M氏

2020年の3~4月に感染が急拡大して、4月7日から首都圏に緊急事態宣言が出され、全国にリモートワークが広がりました。そういった中、企業向け研修を企画する他社の多くは5~6月に動き出しています。

しかし当社では、宣言前から状況を見越して、いち早く3月にはオンラインツールを活用した研修を企画、運用するための、「オンライン教育事業部」を立ち上げました。そして、4月の研修にあわせた「オンライン研修」を次々に開発いたしました。

もちろんお客さまの相談内容・反応・感想などを受けて、その後もブラッシュアップを続けています。そういった経緯から、業界における「先行企業」とお客様から認知していただき、オンラインによる研修のお申込みは順調に伸びています。

銀子

それは素敵です。社会変容で、慣れないリモートワーク社員のマネジメントというと、課題は大体想像できますが、具体的にはどのような対策があるんでしょう。私には、対面でもリモートでも、マネジメントの本質に変わりはないように思えるのですが。

M氏

そうです。マネジメントの本質には変わりはありません。

あえて違いについてお伝えすると、対面型のマネジメントと比べ、もっと緻密に、よりキメ細かな配慮が必要だということです。リモートワークは、リモートワーカーとリモートマネジメントをする人の大きく2つのパターンに分かれますが、そのどちらにも同じ「相手の様子が直接確認できない」という不都合があります。

マネージャーは、部下の仕事の進捗状況や困惑具合が見えにくい。リモートワーク社員は、仕事に立ち止まってしまった時にすぐに聞けない、または何をどう聞いたらいいか分らない。

そうした、業務を行う上での不都合を減らすために、マネージャーは業務指示を具体的かつ細かく行う必要があります。

例えば案件の目的や背景、フォーマットやボリューム、スケジュールなどを明示して、できる限り曖昧な部分を少なくすることが大事です。「かっこよく作って」とか「ちゃんとした企画書にして」などの指示ではダメですね。また、仕事内容にもよりますが、指示したまま提出の締め切りまで放置するのも、よくありません。締め切りまでの間に、仮案または構成案の提出などの途中経過の共有が必要です。

そういったことに注意を払うことで、相互に抱える「認識の齟齬」が、緩和されることにつながるでしょう。これらはリモートだからではなく、普段の対面業務においても大事なことですが、より注意を払う必要があるということです。かといって四六時中、干渉を入れるのも逆効果になるので、程よい加減が大事ですが。

健全な仕事は心身の健康から


銀子

あ~なるほど。見えない分だけ、具体的でわかりやすくしないとなりませんね。それでも、リモートに馴染めない人も多いのではないでしょうか。特に対面で仕事をすることなく、いきなりリモート業務が始まってしまう新人などは。


M氏

そうなんです。在宅で集中できる人、在宅だと刺激がなくて集中できない人など、人によって向き不向きあります。ですからリモートワークマネジメントは、部下のメンタルにも気を配る必要があります。

一律ではなく、人によって仕事しやすい方向へリードすることが大事です。特に新人は、ただでさえ学校から社会への転換期のストレスが大きい時期ですから、注意深くケアする必要があるでしょう。どちらかというと、具体的な業務上のフォローよりも、メンタルケアの方が難しいかもしれません。

銀子

まあ、大変。仕事面だけでなく、リモートでのメンタルケアなんて、もどかしいですね。具体的にはどう対応するんですか。

M氏

やっぱり、安全対策をしっかりして、なるべく直接、顔を合わせる機会を作ることが、本来は一番いいですね。会社の空気を感じ取り、上司との会話や、同僚との交流などを経験してもらうことが大事なんですが。

そうはいっても、現状でそれは難しい側面もあります。なので、リモートワークでも、例えばカメラ機能を活用して、必ず毎日顔を合わせる機会をもったり、チームで共有できるタスク管理ツールなどで仕事や健康状態・悩みなど日々の報告をして、リモートでも職場の一体感を共有することが大事ですね。

私はリモートでマネジメントする際は、なるべく人の名前を呼んで話しかけるようにしています。例えば、「○○さんはどう思いますか?」「△△さん、DXって何の略か知ってますか」など、リモートで陥りやすい一方通行でなく、声を出して発言してほしいからです。少しでも個人対個人のコミュニケーションを増やしたいと思っています。

ニューノーマルへの認識をもつ


銀子

そうですね。大事なことですね。リモートワークはこれからも続くんでしょうか。リモートワークマネジメントを円滑に運ぶために大事なことは何ですか。


M氏

コロナが終息しても、リモートワークは、今後も続くと思います。もとのような通勤割合には戻らないでしょう。企業は今だけのことではなく、これが常態になると認識してマネジメントを考えておくべきです。今は雇用の新形態としてのリモートワークですが、恒常的に定着させるためには、いかに信頼関係を築けるかだと思います。

そのためにはコミュニケーションが重要となります。リモートワークとの相性より、人対人の思い遣りが、仕事の上ではやっぱり大切だと思います。

銀子

なるほど。こうあるべき、という模範解答をわかっているのではなく、時代に即した仕事の進め方に対する心構えを持つことが、大切なんだと思いました。そういった、人の気づきや学びにつながるインソースのやっていることは、あらためてやりがいのあるお仕事ですね。

M氏

インソースの研修で提供するのは、心構えと考え方、そして当社が推奨する対応策の例です。企業にはそれぞれの業種・業態、風土・文化の違いがあり、「こうやったら絶対に正しい」といった正解はありません。

研修を受けたからといって、急に身につくとか、模範解答を学べるとか、人生観が変わる、といったことは正直難しいでしょう。しかし自社の課題と未来を考える「きっかけ」にはなるかと思います。

インソースの事業は、人の成長に関われる仕事ですから、非常にやりがいを感じます。何より時代の新しい切り口に触れられて、自分自身の社会人としての能力の向上につながっていることも実感しています。

我々のサービスをご利用いただいたお客様が、一人でも多く、何かしらの学びや気づきを得ていただいていたら、これほどうれしいことはないですね。

銀子の眼

「一過性の状況」だと受け身で対応するのではなく、一歩先を見通して今の改善を進めれば、必ず未来への基礎になることが信じられる気がします。これからの不確実な時代に成長存続する企業とは、最新技術よりも先に、信頼構築を具体化できる企業なのかもしれません。

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