
ENERGY vol.05(2021年春号)掲載
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数字は組織の共通言語
会社では形容詞を使うな。数字で話しなさい
これは私が新人だった頃、先輩に言われた言葉です。一般的な注意としてなのか「高い、低い」などの形容詞を私が多用していたためなのか、記憶は定かではありませんが、この言葉ははっきりと覚えています。数字をもって状況を正しく把握すること、具体的に考えること・伝えることの重要性を指導して頂いたものと理解しています。
厳しい環境でも利益を出す組織の共通点
その会社では当時、事業本部制を採用していました。事業本部の業績は景気や他社の動向など様々な要因により変動するものですが、厳しい事業環境にあってもしっかりと利益を出す事業本部がいくつかありました。
ある時、それらの事業本部に2つの共通点があることに気づきました。
1つ目は、経営陣や経営管理・経理系社員のみならず、若手エンジニアに至るまで、「コストを○○%下げるにはこちらの部品を使った方がいいのではないか」などと、経営分野の数字に基づく議論を日常的に行っていること。そして2つ目は、分野を問わず、業務に関わる重要数字が全てのメンバーの頭にきちんと入っていたことです。
大手企業にみる数字の運用事例
1.全従業員で数字を共有する「全員参加経営」で、業績改善を図る
京セラ稲盛名誉会長の著書(「アメーバ経営」日本経済新聞社、二〇〇六年)には次のようにあります。
「どのメンバーに聞いても、受注、生産、売上、時間当たりなどの今月の数字が、即座に口をついて出てくるまで共有化するべきである。そのうえで、予定達成のための具体的なアクションプランをメンバー個人までブレークダウンし(後略)」「全体朝礼においても、前日までの各部門の実績数字が読み上げられ、全従業員に対し受注状況や生産実績などが知らされている。(中略)もし、予定に対して実績が遅れていても、メンバー全員で挽回していく方法を検討し、対策をすばやく講じることができるはずである。」
2.身近な事柄を点数化することで業績改善を図る
また日本電産では、会社や工場ごとに行われる業務監査(100点満点)において6S(整理、整頓、清潔、清掃、作法、躾)が点数化され、さらに50点と高い比重を占めています(「日本電産永守イズムの挑戦」日本経済新聞社、二〇〇四年)。6Sが重視されるのは、整理整頓ができている組織ほど好業績であるという同社永守会長のご経験に基づくものですが、身近なテーマであるため全員が自分事とすることができ、また、一般に定性的とみなされることを数値化することで目標や課題、進捗を具体的に捉えられることが特徴といえます。
組織における数字運用3つのポイント
上記の事例から、①数字は組織活動全般に関係すること、②数字を全員で共有すること、③数字を行動に結びつけること、以上3点を組織における数字の運用ポイントして挙げることができます。これらの重要性を全員が理解することで、数字は組織能力強化の有用なツール「共通言語」となりえます。
数字を組織の共通言語とすることの具体的な効果
【効果1】本当の姿が見える
稲盛名誉会長はこのように仰っておられます。「会計の分野では、複雑そうに見える会社経営の実態を数字によってきわめて単純に表現することによって、その本当の姿を映し出そうとしている。」(「稲盛和夫の実学 経営と会計」日本経済新聞社、一九九八年)。数字によって本当の姿が映し出される、というお考えは、会計分野に留まらず、組織活動全般に通じる至言です。
【効果2】意思決定の質が向上する
数字を介すると曖昧さを排することができ、組織における意思疎通が図られます。曖昧な状況下での意思決定は感情論(好き嫌い)に陥ってしまいますが、数字により曖昧さが排除され、意思疎通が図られた状況では、論理的な意思決定が可能になります。
【効果3】改善につながる
「測定できないと改善できない」という言葉があります。改善活動(現状把握と目標設定からの課題把握、対策の策定・実行)と、その効果測定を実効性あるものにするには、測定、すなわち数字が不可欠であることを説いています。領域を問わず、数字に基づく業務改善こそが業績向上につながるのです。
このように、組織において数字は適切に用いれば強力なツールになりえます。今回のENERGYが、数字を通じた組織能力強化ならびに業績向上の契機となれば望外の喜びです。
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本コラム掲載号の記事一覧
2021 SPRING
Vol.05 数字は組織の共通言語
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