インソース 第四営業本部

電話・メール・チャットを「使い間違えない」ための3原則~本音を見抜きCX(顧客体験)を最大化する

お客さまとの接点が多様化するいま、電話・メール・チャットのどれを選ぶかは「ただの手段の違い」ではありません。どのツールにも得手・不得手があり、お客さまの本音が現れやすいポイントも異なります。

ここでは、3つのツールそれぞれについて、本音の見つけ方と具体的な対策を整理し、戦略的に使い分けるコツを見ていきます。

感情がこぼれる「電話」~声色と間に宿る情報を拾う

本音の見つけ方:温度の揺れを見る

音声にはさまざまな「揺れ」があります。たとえば、急に声が小さくなると不安や遠慮、語尾が曖昧になるとためらい、早口になると焦りや緊張が潜んでいることが多いです。また、ほんの一瞬の沈黙は迷いや負担のサインである場合があります。こうした変化を言葉そのものよりも「温度の揺れ」として捉えることが、本音を見つける最初の手がかりとなります。

対策

電話は温度感が伝わりやすく、相手の感情の微妙な変化に気付けるかどうかで満足度が大きく変わります。声の揺れに合わせた短い言葉や確認を重ねることで、安心感を高める対応が可能になります。

  • 少し沈黙があれば「いま、検討されているところでしょうか」と言葉を添える
  • 声が強まったら「ご不便な思いをされたのですね」と受容を示す
  • 語尾が弱ければ「ほかに気になっている点はありませんか」と促す
  • 早口になった際は「一度整理してお伝えしますね」と流れを整える
  • 重いトーンの時は結論を急がず、確認を挟む「順を追って伺いますので、ご安心ください」

言葉選びが物語る「メール」~文章の「揺れ」を読む

本音の見つけ方:言葉の揃い方を見る

メールでは、語彙・文の長さ・改行・接続詞などに、書き手の無意識の「揺れ」が表れます。たとえば、急に文が短くなると戸惑いや急ぎ、改行が増えると迷い、丁寧表現が続くと慎重さや不安が潜むことがあります。また、接続詞の使い分けには本音がにじみ、ためらいがある場合は「ただ」「しかし」などが増える傾向があります。こうした「揃い方の変化」を本音の小さなサインとして捉えることが大切です。

対策

メールは相手の状況を落ち着いて読み取れる利点がある一方、意図を誤解されない文章構築が求められます。丁寧さを保ちながら、構造を整理して安心感を生むメッセージづくりが鍵となります。

  • 箇条書きで「結論・理由・必要な情報」を整える
  • 曖昧さを避け「○日までに」「この2点について」など範囲を明確にする
  • 相手の負担を減らすため選択肢を提示する(例:A案/B案)
  • 不安が読み取れる文面には「順を追って進めますのでご安心ください」と添える
  • 長文の場合は冒頭に要点を三行でまとめる

即答が価値になる「チャット」~温度とスピードで信頼をつくる

本音の見つけ方:スピードの差を見る

チャットでは、返信の速さ・短さ・区切り方に相手の「揺れ」が表れます。返信が急に短くなると迷いや警戒、区切りが増えると情報整理の必要性、反応が遅い場合は不安や判断材料の不足が潜んでいることがあります。また、即時に返答が来るときは安心感や意思の明確さを示すことが多いです。文字そのものよりも「スピードやリズムの変化」を、相手の本音を読み取るサインとして捉えることが重要です。

対策

チャットは即時性が強みですが、短いやり取りの中に安心感を作る設計が不可欠です。小さく返す、区切って伝える、温度のある言い回しを意識することで、お客さまの不安を軽減できます。

  • すぐ返せないときは「確認に少し時間をいただきます」と先に伝える
  • 文章を小分けにして「結論→補足」の順で送る
  • 気遣いは短文でも表現する(例:「安心してお任せください」)
  • 不明点があれば前倒しで「念のため確認させてください」と聞く
  • 迷いを感じたら選択肢を提示して判断の負担を減らす

CX向上のための能動的・戦略的なツール選びのコツ

ツールをどれか一つに固定するのではなく、状況に応じて選び直す姿勢がCX向上の鍵となります。重要なのは「本音の気配をどれだけ拾えるか」「安心をどう届けるか」「お客さまがストレスなく意思決定できるか」という3つの視点をもち、対応を設計することです。

1.相手の状況と目的で使い分ける

お客さまの心理状態を読み取りたい場面では電話が適しており、誤解なく記録を残したい場面ではメールが有効です。素早いやり取りで不安を取り除きたい場合はチャットが力を発揮します。目的を明確にし、相手がどのような状態にあるかを推測して選ぶことが、体験価値の向上につながります。

2.ツールごとの「弱点」を補う

お客さまの心理状態を読み取りたい場面では電話が適しており、誤解なく記録を残したい場面ではメールが有効です。素早いやり取りで不安を取り除きたい場合はチャットが力を発揮します。目的を明確にし、相手がどのような状態にあるかを推測して選ぶことが、体験価値の向上につながります。

3.ツールを組み合わせてCXを最大化する

1つのツールで完結させる必要はありません。電話で本音をつかみ、メールで要点を整理し、チャットでこまめにフォローするなど、流れとして設計することで、お客さまのよりよい体験を提供することができます。重要なのは「どの順番で、どの役割で使うか」を意識して組み合わせることです。

まとめ:上手な使い分けでCXを最大化できる

電話・メール・チャットは、どれが優れているかではなく「どう使い分けるか」でCXが大きく変わります。それぞれの特性を理解し、本音の読み取り方と対策を押さえておくことで、お客さまの不安や迷いを早い段階で解消しやすくなります。さらに、状況に応じて3つのツールを組み合わせることで、お客さまの安心かつ上質な体験をつくることができるのです。

コールセンター向けCX向上研修~顧客志向の電話・メール・チャット対応(1日間)

コールセンターのオペレーターの方を対象に、CX(カスタマーエクスペリエンス)の重要性やCX向上のためにできることを学ぶ研修です。最後に、ペルソナをもとに顧客思考マップを作成します。

顧客がどのような行動をして、どのような感情を抱いているのかを考え、CX向上のための具体的な対策を検討できるようになることを目指します。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 長く利用したい価値ある組織だとお客さまに認識いただくために、他社を超える顧客対応ができるようになりたい
  • お客さまの気持ちに寄り添う姿勢をメールやチャット対応でどのように表したらいいのかが分からず悩んでいる

本研修の目標

  • オペレーターがCX向上においてどのような役割を果たすのかを理解する
  • 顧客が体験することを踏まえて、顧客志向のメール・チャット対応ができるようになる
  • 自社の顧客がどのような体験をして、どのような感情を抱いているのかを理解し、今後どのように接客をすればよいのか考える

対象者

  • コールセンターでオペレーター業務を行う方
  • 顧客志向でメール・チャット対応をすることが求められる方

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