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旅先で「また来たい」と言われるホテルへ~デジタル時代だからこそ光る対面接客

オンライン予約や事前チェックインが一般化し、旅行者が事前に得られる情報量は、ここ数年で大きく変わりました。

便利になった一方で、「対面の価値は本当に必要なのか?」と疑問が出ることもあります。

しかし、実際は対面接客の価値はむしろ以前より「はっきり」求められるようになっているのではないでしょうか。ホテル・旅館を選ぶ理由が価格や設備だけでなく、滞在中に得られる安心感や特別な体験にシフトしているためです。

デジタル時代の顧客のタイプは大きく2つに分かれている

1.「接客に抵抗感がある場合」対面接客にストレスを感じるお客さまには「クイックな対応」

「自分のペースで進めたい」「余計な会話は不要」というお客さまは一定数いらっしゃいます。このタイプの方には 迷わせない・待たせない構造をつくることが効果的です。

  • お客さまへの案内は要点を絞って短く伝える
  • POPや館内デジタル案内で「聞かなくても分かる」状態を作る
  • スタッフが必要情報へすぐアクセスできる仕組みを整える

チェックインのたびに何度もやり取りが発生する構造は、スタッフにもお客さまにも負担がかかります。最小限の対話でストレスなく進む環境づくりが鍵になります。

2.「対面に価値を感じる場合」対面サービスを求めるお客さまには「特別な接客体験」

旅行の目的が記念日・家族行事・リフレッシュなどの場合、スタッフとの会話そのものが滞在価値につながるケースが増えています。このとき求められているのは、マニュアル通りの説明ではありません。「自分の状況を理解してもらえている」と感じられる、一歩踏み込んだ提案です。

  • 行動の背景にある「理由」に目を向ける
  • ちょっとした情報から、望んでいる体験を読み取る
  • 一言の気づきで、期待を超えるポイントをつくる

「このスタッフだから相談したい」と思ってもらえる瞬間が、対面ならではの価値になります。

デジタル時代の対面接客は「信頼の早期構築」が鍵

便利な仕組みが増えたことで、人が介在する場面はむしろ重要な瞬間だけになりました。つまり、最初の数十秒で「安心できる人かどうか」を見極められる場面が増えているということです。

ヒアリング力は「質問数」より「読み取る力」

お客さまの背景・状況を一瞬でつかむには、ただ質問するだけでなく、会話の裏にある意図を読む力が求められます。

  • 声のトーンや話し方から不安を察する
  • 同行者との関係性から、求めている距離感を判断する
  • 過去の利用履歴や好みを踏まえて話しかける

言葉にしてもらえない情報を拾えるかどうかで、滞在の満足度は大きく変わります。必要に応じてこれまでのお申込み履歴や好みの傾向、ライフイベントを確認し、お客さまの背景を踏まえた対応を心がけることで安心感や特別感につながります。

非言語の第一印象が「接客の上手さ」を決める

対面の初対面は数秒で評価されるため、表情・姿勢・所作・声の出し方など非言語的コミュニケーションが、想像以上に影響します

【非言語的コミュニケーションの例】

  1. 表情:目元まで柔らかい自然な笑顔
  2. 視線:相手の高さに合わせる、見すぎない
  3. 姿勢:開かれた体の向き、急な動作を避ける
  4. 声のトーン・話し方:過度に明るすぎず、安心感を与える音量と速度

これらは自分では気づきにくいため、動画撮影や録音を使った振り返りがもっとも効果的です。「思っていた自分」と「実際の自分」のギャップが明確になります。

スタッフ同士の「振り返り文化」が組織の接客力を底上げする

スキルは研修だけでは定着しません。現場の中で振り返り、共有する仕組みがあるほど、習得スピードが上がります。

例えば週に1回程度、以下の内容を共有することが重要です。

  • 今週意識した行動
  • その結果起きたこと
  • 次に試すこと

これらを短時間でもシェアするだけで、経験が組織全体に広がります。

対面接客は「特別な時間をつくる仕事」

デジタル化が進んだからこそ、人が提供する「安心」と「理解」が滞在価値の中心になっています。お客さまが求めているものは、以下の3つです。

  • 自分の背景を理解してくれるスタッフ
  • 気持ちをくみ取った一歩先の提案
  • 言葉にしなくても察してもらえる安心感

これらは対面でしか創れない体験です。顧客タイプに応じた接客を行い、「また来たい」と思われる時間を提供していきましょう。

EC時代の接遇力向上研修~「対面」ならではの価値を提供する

ネット予約の利用が増え、現場でもデジタル化が進む中、対面接客における顧客のニーズが多様化しています。

本研修では、そんな中で店舗での顧客満足度(CS)を向上させる方法を学びます。デジタル化が顧客とCSに与えた影響をお伝えし、顧客が価値を感じる接客のポイントを解説します。

よくあるお悩み・ニーズ

  • サービスのデジタル化が進む中で顧客が対面接客に求めていることを知りたい
  • デジタル化を進める一方で、対面接客の質を向上させ、顧客満足度(CS)を高めたい

研修のゴール

  • デジタル化が顧客にもたらしたメリットを把握する
  • 顧客が求めている接客のニーズを理解し、それに応じた対応ができるようになる

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セットでおすすめの研修・サービス

接客・接遇リーダー研修~CS向上のための環境づくり・指導力

チームのCS向上は組織の重要課題であり、その実現のためにはリーダーが中心となってチームのCSを推進していくことが大切です。

本研修では、まずCSリーダーとしてとしての役割を認識いただきます。そのうえで、接客力向上のための環境作りとメンバーへの指導力に焦点をあてて学びます。

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

>動画教材の詳細はこちら

CS(顧客満足度)調査サービス

CS調査では、実際に接客応対の面調査(ミステリーショッパー)を行い、数字にて評価します。数値化された結果をもとに、今後の接客・接遇の改善につなげていただくためのサービスです。

調査結果をもとに、CSに関するコンテンツの中から貴社の課題にあった研修を実施することも可能です。

>CS(顧客満足度)調査サービスまとめはこちら

ホテルスタッフ向け講座~お客さまに「素敵だな」と思ってもらい、選ばれるホテルを目指す編(スライド付き)

本動画は、ホテルで働いていた経験のある講師が、ホテルでお客さま対応をするうえで必要な案内の手順、具体的な文言、工夫や留意点をまとめて解説しています。

すでにホテルで活躍している方々には、おさらい・改めての確認として、これからホテルで活躍する方々には入門編・基礎編として学んでいただく際に活用いただきたい動画教材・eラーニングです。

>動画教材の詳細はこちら

接客における所作・立ち居振る舞い・体の使い方レベルアップ講座

本動画では、不要に動きすぎないことや放物線を描くような声のかけ方、焦点を定めたまなざしなど、講師が細やかに体現しながらポイントを解説します。

「さすがプロ!」と高い評価を得る接客の前提となるのは、立ち姿勢、表情、そして立ち居振る舞いや所作、身のこなしの美しさです。

>動画教材の詳細はこちら

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