電話応対の質が一気に上がる~最初の5秒と語尾だけで変わる印象術

電話には表情も視線もありません。声だけで人間関係の大部分を作らなければならないのが電話の難しさです。
ここでは、対面なら表情が担う「温度感」を、声で再現するための実践テクニックだけを厳選しました。行動が変われば、印象は確実に変わります。
電話で「伝わらない」のは、非言語を声で補っていないだけ
丁寧に説明したのに、なぜか「感じが悪かった」と言われてしまった。怒っていないのに「不機嫌そうだ」と受け取られてしまった。そんなことはありませんか。
電話では、表情やうなずきといった非言語情報が欠ける分、声だけで「温度」まで伝えなければなりません。そこで重要になるのが、それを補う6つのスキルです。
非言語情報を声で補う6つのスキル
1.最初の5秒で「笑顔の音」を作る
電話の第一声は、対面以上に印象を左右します。感情が最も乗る瞬間だからです。最初の5秒の温度が、その後の会話の「許容範囲」を決めます。
- 出る前に、口角を2mm上げる
- 「ありがとうございます」を普段より 半音だけ高く
- 声を出す直前に 軽く吸う(震えが消え、明瞭になる)
2.声に表情を持たせる(声の表情筋)
声は、表情筋の動きをそのまま運びます。見えなくても伝わります。表情が固定されると、電話越しでも表情の「硬さ」が音になってしまいます。
| 頬を緩める | → | 柔らかい印象 |
| 口をしっかり開く | → | 誠実・明晰 |
| 語尾を水平に保つ | → | 落ち着きと安心 |
| うなずきを声に変換する | → | 親近感 |
3.相槌の「役割」を使い分ける
電話はうなずきが見えません。だからこそ、相槌が信頼の主役になります。
- 理解「はい、承知しました」
- 共感「そうなんですね⋯⋯」
- 確認「という認識でよろしいでしょうか」
逆に不信を生む相槌には注意が必要です。
- クセの強い「なるほどぉ⋯⋯」
- 「はい」を連打
- タイミングが不自然(早すぎ・遅すぎ)
4.呼吸で印象を整える
呼吸は音の安定・落ち着き・知的さに直結します。話す内容より、呼吸の乱れのほうが「未熟さ」として伝わることが多いのです。話す文章を心に浮かべて、
- 文を始める前に 一度だけ浅く吸う
- 句読点で必ず呼吸
- 相手の発話中に大きく吸わない(呼吸音は不安を与える)
5.重要度は「声のリズム」で渡す
視覚がない電話では、話の構造を音情報で渡す必要があります。音のメリハリがない会話は、内容に関係なく「聞き流され」てしまいます。
| ゆっくり・やや強め | → | 日時、金額などの核心 |
| 話す前に0.2秒の間 | → | 注意事項 |
| 語尾を丸めて柔らかく | → | 依頼・提案 |
語尾は0.1〜0.2秒が上品な範囲です(伸ばしすぎない)。
6.透明な語尾が信頼を生む
語尾の曖昧さは、意図せず「責任回避」に聞こえます。言い切るのではなく、透明に締める。これが電話の信頼を支えます。
- 「〜いたします」
- 「〜でございます」
- 「〜と確認しております」
- 「〜で問題ございませんか」
次の電話から口角を1ミリ上げてみましょう
電話は、声だけで相手との関係を築く特別なコミュニケーションです。むずかしさがある一方、たった一手で印象が劇的に変わるのも電話の特徴です。
まずは次の電話で、「出る前に口角を上げる」この1ミリから始めてみてください。その小さな変化が、温度のある声の第一歩になります。
電話応対レベルアップ研修~信頼関係を構築するトークスキル
本研修では、CS(顧客満足)とは何かを改めて考えていただいたうえで、電話での会話だからこそ求められるコツ・テクニックを学びます。豊富な演習を通じて、トークスキルの向上とお客さまとの信頼関係を築くコミュニケーションスキルの取得を目指します。
よくあるお悩み・ニーズ
- 相手のニーズや状況を掘り起こせるよう、コミュニケーションスキルを向上させたい
- 正しい言葉づかい(敬語)やクッション言葉がスムーズに出てこない
- 相手と信頼関係を築けるような電話応対ができるようになりたい
本研修の目標
- 聞き取りやすい話し方や正しい言葉遣いができる
- 会話における間の取り方や抑揚のつけ方など、顧客満足向上のテクニックを使って話すことができる
- 相手の言葉を受け止め、心情を理解することで、相手と信頼関係を築くコミュニケーションが取れる
対象者
- 電話でのお客さま対応が多い方
- CS(顧客満足)を意識した電話応対スキルを体得したい方
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本研修では、お客さまが安心し、信頼していただける土台作りの重要性を認識したうえで、督促電話の基本を習得します。最後はケーススタディを通して、事前準備から交渉、クロージングまでの流れを体感していただきます。
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本研修では、クレーム電話に対する基本的なスキルを習得します。
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インソースのアセスメントサービス CS(顧客満足度)店舗調査サービス
「プロ目線」または「お客さま目線」で現場の顧客満足度を調査し、スタッフの対応状況の的確な把握をお手伝いします。
業種別の具体的なチェック項目で「できている/できていない」を明確化し、競合店舗との比較も可能。結果に基づき、最適な研修もあわせて実施します。






