他人の問題はよく見える~自分を棚に上げた組織課題解決のススメ
他人事だからこそ見える問題の本質
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自分が当事者として関わっている問題には、利害関係や責任の問題が複雑に絡み合い、感情的なものも手伝って、客観的な判断が困難になりがちです。一方、他社や他部署の問題であれば「なぜそんな簡単なことに気づかないのだろう」「こうすりゃすぐに解決できるじゃん」と思った経験はないでしょうか。
この非対称性を組織課題発見に活用する方法があります。それは、意識的に自分を「棚に上げて」他人事として問題を捉え直すことです。「もし私が外部コンサルタントだったら、この状況をどう見るだろうか」という視点で自部署の課題を分析してみるということです。
問題発見に不可欠な「今よりももっと」の意識
一方で、完全に他人事になってしまうと、「もっと良くしたい」という意欲が湧きづらくなってしまうという難点があります。そう思えるためには、やはり「当事者」としての意識が不可欠となります。自分事として「何とかお客さまの不満を改善したい」「もっと効率化してみんなを楽にしてあげたい」といった思いを強く持ちつつ、問題の本質を捉えようとするときにはスッと客観的な立ち位置に身を置き直す、そんな意識の切り替えが組織課題の発見の鍵となります。
「痛い思い」を問題発見力の感度の向上に活かす
問題を問題として捉えるためには、経験値が必要です。中でも、過去に経験した「痛い思い」が問題に対する感度を高めることは間違いありません。この「痛い思い」は、何も自分自身が直接体験しないと得られないわけではありません。職場の同僚が経験した辛い思いや、組織として経験した失敗事例などからも自分事として学ぶことで、問題発見力の感度を研ぎ澄ますことができます。
「あの部署で起きた問題は、うちの部署でも起こりうるのではないか」という視点で、まだ顕在化していない自部署の潜在的リスクを発見し、先んじて手を打つ。まさにこれが、コンサルタントに期待する役割なのです。
問題が「可視化」されることでスイッチが入る
問題が可視化されると、それまで何となくは感じていたモヤモヤしたことが明確になり、「動かなければ!」というスイッチが入ります。特に、問題が「数値化」されたり、グラフなどで「比較」されたりすると、否が応でもその事実を受け入れざるを得なくなるため、自分を動かす場合ももちろんですが、人を動かす上でも説得力が出てきます。
フレームワークを問題発見の味方にする
問題発見にはロジカルなアプローチが不可欠となりますが、そこでは先達たちが考案してきた様々なフレームワークが役に立ちます。As-IsやTo-Beや5W1Hといった問題発見の基本フレームはもちろん、なぜなぜ分析、ロジックツリーなどの道具立てもフル活用することで、感情に左右されたり、不確かな勘に頼ったりすることなく、問題の着眼点を得ることができるようになります。
インソースでは、これらの要素を体系的に学べる「問題を発見する力」養成研修をご提供しております。社内プロジェクトでコンサルタント的な役割を担う方、お客様にソリューションを提供する方、リスキリングとしてコンサルティングスキルを身につけたい方に最適な内容となっております。As-IsとTo-Beのギャップを的確に捉え、さまざまな視点とツールを駆使した問題発見力の向上をサポートいたします。
【コンサルタント養成シリーズ】「考える力」養成研修
顧客の課題解決はもちろんのこと、社内の業務改善や新規事業開発といったプロジェクトに携わる際にもコンサルティングスキルが求められます。
「考える力」は、その中核に位置づけられるスキルといえます。よく知られるさまざまな思考力を網羅しつつ、それらをどのタイミングでどう活用すれば成果につなげられるかを実践的に学ぶリスキリングプログラムです。
よくあるお悩み・ニーズ
- 一般的によく知られている思考スキルを網羅的に習得したい
- さまざまな思考スキルがどのような場面で活用できるのかわからない
- コンサルタントが日ごろどのように問題と対峙しているのかを知りたい
本研修の目標
- コンサルティング業務の中で使われる思考スキルを一通り知る
- 具体的な場面でどの思考スキルが使えるのか、判断できるようになる
- ケーススタディを通して各思考スキルの実践力を身につける
セットでおすすめの研修・サービス
【コンサルタント養成シリーズ】「問題を発見する力」養成研修
問題解決を主たるミッションとするコンサルタントにとって、その力量の差が一番表れるのが「問題発見」の力だといわれています。
この研修では、問題とは何かという本質を理解し、その発見のための視点やツール、さらには日々の思考習慣を学んでいただきます。
【コンサルタント養成シリーズ】「調査する力」養成研修
コンサルティングの初期段階、現状把握のプロセスで不可欠な調査に関するスキルを身につけていただく研修です。
本研修では、実施頻度の高い「ヒアリング」と「アンケート調査」に焦点を当てて、準備の進め方や実施に当たっての留意点などを学んでいただきます。
【コンサルタント養成シリーズ】「資料化する力」養成研修
資料作成スキルは基本中の基本として必要不可欠であり、コンサルタントの仕事の実に8割に及ぶといわれるほどです。
研修では、PowerPointを使い、図・表・グラフを活用してわかりやすい資料を作ることに焦点を当ててお伝えします。
【コンサルタント養成シリーズ】「対話する力」養成研修
コンサルティングの際に求められる対話力とは、調査にあたっての「訊き出す力」、報告の場面での「説明する力」、解決策を提示する際の「説得する力」の大きく3つに分けることができます。
事実に基づいて論理的に話すことが大前提となりますが、同時に相手の言外に潜む課題感や要望を汲み取ったり、相手に強い想いを伝えたりするような、直観的で感情的な力も求められます。こうしたコンサルティングの各シーンにおいて、どのような点に留意しながら対話を行っていくべきかを実践的に学んでいただきます。





