クレーム対応の勘所

 

クレーム対応の勘所

【第2回】解決への手がかりに

【第2回】解決への手がかりに

◇クレームに発展するリスクの見分け方

「苦情」は通常、会社や組織の危機管理上のリスクとしてとらえられます。リスクとは、クライシスと異なり、予測可能であることが特徴です。よって、「苦情」も予測可能であり予防することができます。

例えば、次のような事例があったとき、どちらのリスクが大きいでしょうか。

・事例1:雑誌Cに校正ミス2ヶ所発見
・事例2:雑誌Cに虚偽記載1ヶ所発見

「製品の品質が問われる校正ミスこそ問題」として「1のリスクが大」、と思う人もいるでしょう。また「虚偽なんてとんでもない」として「2のリスクが大」、と思う人もいるかもしれません。

これではどちらが大きいか判断しづらいので、リスクを「発生の可能性」と「発生した場合の影響度合い」に分けて、測定分析をするのです。

自社が扱っている商品やサービスの種類ごとに分類するのも一つの方法です。

「雑誌C」を発行するのは紙資源の無駄遣い、環境破壊にもつながる、というような「苦情」もあるかもしれませんが、これはリスクとはまた別次元の問題ですね。

事業を継続することを前提にリスクを考えましょう。面倒であれば、まずは影響度合いだけを考えるのも構いません。
 
例えば「大きなコストがかかる」「人体に影響がある」「社会的信用を失う」といった点を重視しましょう。「自然災害はひとたび起これば被害は甚大ですが、頻度とすれば少ないので、リスク管理上、優先順位は後のほうになります。

これに対して交通事故は発生率が高く、コストなどの影響も大きくなります。国の政策としてはどちらも重要ですが、リスク管理という観点からいえば、優先順位としては交通事故のほうが上ということになるのではないでしょうか。もちろん自然災害対策を怠ってはいけませんが。

「発生の可能性」を縦軸、「影響の大きさ」を横軸としたマトリックスシートを使えば、リスクの重要性と優先順位を再確認できるため、より有効な対策を検討できます。

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◇クレーム対策会議で情報や解決策の共有

このようなシートに書き出すことで、今まで見えていなかった自分の組織のリスクが明確になります。さらに、実際に起こった事例を情報として共有化する作業が重要です。

このために対策会議を定期的に開催することが必要となります。月に1回程度の割合で実施してください。

その会議では、「今月、一番心に残った"お申し出"(苦情)」を語り合い、情報を共有します。この積み重ねを行うだけで苦情の数が激減した企業も多いのです。効果大です。

消費者から叱られたことを逐一思い出すのは苦痛を伴う作業ですが、それを職場で出し合い、反省点を語り合うことで見つめ直すことができます。

また苦労を分かち合うことで担当者の沈んだ気持ちも立ち直り、改善に向け前向きになれます。この際にロールプレイングを行うのが効果的です。
 
「苦情」を受けたときの状況を再現しましょう。仕事に対する熱意を前面に出してみてください。

一方が担当者で、一方はお客さまを演じます。担当者役はお客さまの言葉をきちんと聞いてメモを取る、お客さま役は受けた痛みを「苦情」として表現する、そうしてお互いが事実を共有し合うのです。

単にマニュアルを読んで理解するよりも、このほうがより効果的です。

※次回は、「お詫び」「対応の時間」「言葉遣い」など、具体的な対応方法についてみていきます。

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