
春は新人や中途採用者の入社、他部署からの異動など、出会いの季節です。新しいメンバーを迎え入れる準備はできていますでしょうか?
コロナ禍よりオンラインのコミュニケーションは向上しましたが、対面でのコミュニケーションに不安を感じるというお声をいただきます。新メンバーが「この職場でやっていけるかな......」と不安を抱えることがないように、職場の状況をチェックしておきましょう。
目次
|
こういったトラブルとも言えないような小さなコミュニケーション不全は、忙しく働く環境で起こりがちです。しかし、新しく着任する人は、未知の環境に不安やプレッシャーを抱いています。聞きにくい、声をかけづらいと感じると「ホウ・レン・ソウ」が後回しになり、ミスやトラブルを誘引します。
それだけでも大きなリスクですが、さらに、居場所がないと感じたり、委縮することにより他者と関わろうとする気持ちが萎えていきます。すると、ますます孤独を感じ、本来の力を発揮できなくなるという負のループに陥ります。
ちょっとしたコミュニケーションの行き違いから、メンタルが落ちてしまう事は避けたいですね。新しく着任したメンバーが慣れるまで、既存メンバーがあたたかい環境を作ることが求められます。
ご自身やチームがあたたかいムードを醸し出せているかどうか、チェックしてみましょう。
| 面識のない人をオフィスで見かけたら、とりあえず会釈だけする | はい | いいえ |
| あいさつは儀礼的なものなので顔を見ないで答えがち | はい | いいえ |
| 話しかけられてもキリがよいところまで、キーボードから手を離さずに声だけで返事をしてしまう | はい | いいえ |
| 相手の名前がなかなか覚えられない | はい | いいえ |
| 困っていたら聞いてくるだろうと思う | はい | いいえ |
| 周りから相談をうけることはあまりない | はい | いいえ |
| 業務中にマイナス表現の愚痴を言い合うことがある | はい | いいえ |
| 話しかけても迷惑かもしれないので、話しかけられるまで待つ | はい | いいえ |
「はい」が多い人は要チェックです。
新メンバーの多い時期はちょっと気をつけてみましょう。
| 同僚同士のあいさつの声は明るく大きい | はい | いいえ |
| 同僚の笑い声がよく聞こえる・同僚の笑い顔をよく見かける | はい | いいえ |
| 身体の調子が悪そうな人にいたわりの声が聞こえる | はい | いいえ |
| オフィスの使い方を新メンバーに教えてあげる人が多い | はい | いいえ |
| 決まったメンバーだけで盛り上がることがないよう良いことはシェアしている | はい | いいえ |
| 誰かの「良いこと」をみんなで喜ぶ雰囲気がある | はい | いいえ |
「はい」が多いチームは風通しが良いといえます。
ウェルカムムードに磨きをかけましょう!
ウェルカムな雰囲気づくりのために、以下のようなポイントをお役立てください。
最初は誰しも人の顔や名前が覚えられなかったり、仕事に自信が無かったり、転職や就職直後ならば、自分が決めた選択は間違っていたのかと不安になっていたりします。
「もし自分が〇〇だったら......」とニューカマーの立場や気持ちを想像してみます。共感力は相手を観察することで高められます。長い目で見る・暖かい目で見守る姿勢を心がけましょう。
ウェルカムな雰囲気は表に出さないと伝わりません。「対人関係を良いものにしたい」と思っている人の方から、積極的にあいさつをする、困っていそうなら声をかけるなど、先に動くことを心がけます。社歴や上下関係にこだわらず動いてみましょう。
社会人として、あいさつは社内外・立場を問わず相手を思いやった行動として重要です。当たり前のことでありながら、コロナ禍であいさつが苦手になった方もいるようです。同僚にあいさつをしていない人は来客にもとっさにあいさつできません。新・旧メンバーを問わず、普段から、声に出してあいさつすることを習慣づけしましょう。
仲が良い同僚には笑顔を見せるけど、それ以外の人と笑ったところを見たことがない......そのようなメンバーと積極的に関わろうとは思えないものです。相手は鏡だと思って自分から笑顔を作ってみてはいかがでしょうか。
知らないことが多すぎて不安を感じている新メンバーに、ネガティブな情報を与えることは気をつけなければいけません。自己開示するつもりで愚痴を言ったり、組織や顧客を批評したりすることは避けましょう。
ネガティブな情報をポジティブに言い換えるクセをつけることは、自分自身を前向きにすることにも役立ちます。
声をかけられて無視することはなくても、PCを見たまま返事する、メールに対して返信を忘れる、電話があっても折り返さない、といったことが重なると、拒絶されている、あるいは軽んじられている、というメッセージとして相手に認識されてしまいます。
わざわざ伝えるほどのことでもない、と思うことでも、不安を抱えている状況の相手には上を向くきっかけになることもあります。思い切って伝えることで会話の糸口にもなりますし、感謝の連鎖が続くかもしれません。
「いつも電話をとってくれてありがとう」
「いつも返事が気持ちいいですね。職場が明るくなります」
メンバー間で情報格差が生じないよう、朝礼や週次ミーティングなど、おのずと情報が共有される仕組みを作ります。良い情報(受注情報など)、悪い情報(リスク情報)の両方をシェアしましょう。
まだ慣れていないメンバーのある一部分だけを見て、能力を推測したり、成功や失敗だけで早急に評価を下したりすることは危険です(一般化のし過ぎ・レッテル貼り)。特にそれが否定的なものであると、チーム全体の雰囲気が悪くなっていきます。
「前回は失敗したが、今回はうまくいくかもしれない」
「○○は苦手だが、これは得意かもしれない」
このように、柔軟な姿勢でメンバーの強みを見つけることが、相互の信頼感やモチベーションアップにつながります。
チームのメンバー同士が相手の存在を認め、気軽に関われるようになると、お互いがフォローし合える安心感に包まれ、チームとして成果を出せるようになっていきます。
自分が尊重されたければまず相手を尊重するという姿勢で動き始めることが、チームの雰囲気づくりにつながります。
人間関係が良好でないと、仕事をする上で苦痛を伴い、モチベーションの低下や離職などにつながりかねません。そして先々の業績・成果にも影響します。ウェルカムな雰囲気は新しく着任した人をくつろがせ、委縮せずに活躍できるよう導きます。
とはいえ、ニューカマーがリラックスできるようにと考え過ぎず、まず自分が気持ち良く仕事をすることです。自分の気分が良いと、おのずからあたたかい雰囲気になり、それは仕事仲間の気分の良さにつながります。結果として「良い職場」が実現します。
「情けはニューカマーのためならず」、自分にもできる前向きなコミュニケーションを心がけましょう。
■関連記事一覧
更新
戦略的に「距離をとる」~人事部門がパーソナルスペースの理解促進を仕掛けるべき理由
職場のパーソナルスペースはハラスメント防止や信頼関係構築に不可欠です。社員の生産性やエンゲージメントを向上させるのに役立つ知識としてまとめました。
更新
マネージャーが仕掛けるべき「チームの勢い」の作り方|コミュニケーションの方法論4
職場コミュニケーションの基本は「報連相+指示」。指示が苦手な人はまず内容を書き出すこと、朝礼や会議を活用することが有効です。あえて全員一丸になって行う指示でチームに勢いをつけることもできます。
更新
離職防止を実現する面談のコツ~不幸・失敗が9割の自己開示でスタート|コミュニケーションの方法論3
面談はメンバーを主役にし、話を丁寧に聴くことで信頼と安心を生む場です。上司が失敗談などの自己開示から始めることで、メンバーも安心して本音を話せるようになります。
更新
会議はムダ?答えはNO、やり方次第ではマネージャー最大の武器に|コミュニケーションの方法論2
会議をマネージャー最大の武器にするにはどうすればよいか。会議を情報収集や報告の場にせず、課題発見・意思決定・指示に特化して活用することです。これによって、組織のスピードと成果を高めることができます。
更新
本当にあった「朝礼の導入」で業績が伸びた話|コミュニケーションの方法論1
朝礼は情報共有と方向性合わせの要となり、コストに見合う効果を生みます。好事例の共有やリスクマネジメント、判断力向上やモチベーション評価ツールなどとして活用することができます。
更新
英語が苦手でも売れる!海外のお客さまに「伝わる」接客の秘訣
「まずは英語を勉強しなきゃ」──そう考えた時点で売上向上のチャンスを逃しています。海外のお客さまに選ばれる店舗は、販売員の語学力より「伝える力」を磨いています。笑顔とひと言の勇気で、お客さまの反応は劇的に変わります。
更新
AI時代に必須の「言語化力」を高める4ステップ~頭の中の思考を「伝わる表現」に変える
言語化力は、AI時代において思考や判断の根拠を明確に伝えるための前提スキルです。本記事では、言語化が難しい理由を整理したうえで、思考の棚卸し・構造化・意図の設計・表現の4ステップを紹介し、認識のずれを防ぎながら、業務のスピードと協働の質を高める方法を解説します。
更新
建設現場で「伝わらない」と悩む若手社員へ~信頼を築くためのコミュニケーション力は理解する姿勢で決まる
上司、先輩、職人、協力会社など多様な人が関わる建設現場では、「伝えたのに伝わらない」「声をかけづらい」と悩む若手社員が少なくありません。本記事では、現場で信頼を得るために欠かせない「伝える力」と「受け止める姿勢」を中心に、コミュニケーションの本質を掘り下げます。
更新
「わかる」を「できる」にするチェックシートを活用する~部下の行動は上司の指導を映す鏡
「コミュニケーションの取り方指導研修」は、若手のコミュニケーション課題をテーマに社内外でアンケートを取りながら、若手・中堅・管理職向けと、各階層の課題にあわせた研修として作成しました。
■関連研修シリーズ
■関連商品・サービス一覧
更新
チームビルディング研修~VUCA時代で成長するチームのあり方
更新
リーダーのためのアサーティブコミュニケーション研修
更新
(新入社員・新社会人向け)チームで成果を生み出すリーダーシップ&フォロワーシップ研修
更新
コミュニケーション研修~相手目線で考え、良好な人間関係を築く
更新
テレワークにおけるリーダーコミュニケーション研修~「会えない」「見えない」「伝わらない」を解決する
更新
共感力発揮研修~スムーズに仕事を進めるために理解と思いやりを示す
更新
生産性向上研修~仕事の見える化でムダなく成果につなげる
更新
テレワークにおける仕事の進め方研修~孤独に打ち勝つタスク管理術
更新
(ITエンジニア向け)タイムマネジメント研修~仕事を効率的に進めるための時間管理を学ぶ
下記情報を無料でGET!!
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。
無料セミナー、新作研修、他社事例、公開講座割引、資料プレゼント、研修運営のコツ

登録は左記QRコードから!
※配信予定は、予告なく配信月や研修テーマを変更する場合がございます。ご了承ください。
配信をご希望の方は、個人情報保護の取り扱いをご覧ください。