グループ営業統括室

建設現場で「伝わらない」と悩む若手社員へ~信頼を築くためのコミュニケーション力は理解する姿勢で決まる

「お願いしたのに伝わっていなかった」 「上司への報告が遅れ、後から注意された」 「職人さんにどう声をかければいいのかわからない」 そんな経験、ありませんか。

建設現場は、人と人の関わりの上に成り立つ仕事です。 上司、先輩、同僚、協力会社、職人、お客様 立場も考え方も異なる多くの人が、同じ現場で働いています。 だからこそ、コミュニケーションが噛み合わないと、作業だけでなくチームの雰囲気まで停滞してしまいます。

「伝えたつもりなのに伝わらない」「話しかけるタイミングがわからない」 そうした現場の悩みを解消する鍵は、話すテクニックではなく、相手を理解する姿勢にあります。

「伝えたのに伝わらない」は、相手が動けるように伝える発想の欠如

「急ぎでお願いします」と伝えたのに、なかなか動いてもらえなかった。 その原因は、何を伝えたかではなく、相手がどう受け取ったかにあります。 現場では、相手の立場や状況を理解しないまま言葉を発すると、意味が届かないことが多いものです。

たとえば、「明日の検査に間に合わせたいので、今日中にお願いできますか?」と伝えれば、「なぜ急ぎなのか」が伝わり、相手が行動しやすくなります。 つまり、コミュニケーションとは「情報を渡すこと」ではなく、相手の行動を促す設計なのです。

伝える目的が「伝えること」になっていませんか? 本当に大切なのは、相手が動けるように伝えること。 それが信頼される若手社員の第一歩です。

「話しかけづらい」は、相手を観察するチャンス

「職人さんが忙しそうで、声をかけづらい」 「上司が不機嫌そうで、相談できない」 現場でそんな空気を感じたことはありませんか? しかし実は、話しかけづらいと感じるときほど、相手を観察するチャンスです。

たとえば、職人さんがピリピリしているのは、作業工程が詰まっているからかもしれません。 上司が短く返事をするのは、別案件で頭がいっぱいだからかもしれません。 相手の状況を「想像」できる人は、話しかけ方が自然と変わります。

「お疲れ様です、今よろしいでしょうか?手が空いたタイミングで大丈夫です」 たった一言でも、相手の心に配慮が届きます。 人は「理解してくれようとする人」に心を開きます。 見る力、感じる力、待つ力が、現場で信頼を積み重ねる基本姿勢です。

「叱られる」は期待されている証拠~受け止め方で未来が変わる

現場で叱られると、誰でも落ち込みます。 しかし、叱られたということは、まだ期待されている証拠。 本当に諦められたら、誰も何も言ってくれません。

大切なのは、「叱られた」事実に目を向けるのではなく、「なぜ注意されたのか」を考えることです。 「次に同じミスをしないためには、何を変えたらいいだろう?」 「自分の伝え方に、誤解を招く点はなかっただろうか?」 失敗を責めるのではなく、次に活かす視点を持てば、叱られた経験が成長の糧になります。

現場では、完璧な人よりも、「素直に反省し、改善できる人」が信頼されます。

「報連相」は、正しく伝えるではなく心の距離を近づける技術

「報告はしているのに伝わらない」 「相談しても、自分で考えろと言われる」 それは、報連相が「形式的な連絡」になっているのかもしれません。 報連相の本質は、情報共有ではなく、信頼形成です。

たとえば、 「こういう背景があって、こう考えました。〇〇さんのご意見も伺いたくて」 と、自分の考えを添えて伝えるだけで、上司の反応は変わります。 「考えて動ける人だ」と認識され、相談の質が一気に高まります。

報連相とは、相手と一緒に考えるための対話のツールです。 話す力よりも、共有しようとする姿勢が信頼を生みます。

「信頼される若手」は、完璧ではなく誠実な人

現場で頼りにされる若手社員に共通しているのは、完璧さではありません。 むしろ、「わからないことを素直に聞ける」「感謝を言葉にできる」「相手の立場を尊重できる」 そんな誠実さです。

建設業の仕事は、人と人の協力で成り立っています。 だからこそ、「人に好かれること」ではなく、「人に信頼されること」が大切です。 「この人の言葉なら聞こう」 「この人が言うなら任せても大丈夫」 そう思ってもらえる若手社員は、どの現場でも重宝されます。

信頼はスキルではなく、日々の小さな言葉と態度の積み重ねで生まれます。

「コミュニケーション力」は特別な才能ではなく、磨ける技術

コミュニケーションが得意な人は、話がうまい人ではありません。 共通しているのは、「相手の話を聴こうとする姿勢」と「自分の考えを整理して伝える習慣」です。 この力は、経験だけに頼るのではなく、学びによって確実に伸ばせるスキルです。

現場での経験と、体系的なトレーニングが結びついたとき、若手社員は驚くほど変化します。 叱られても折れない人、年上の職人にも臆せず話せる人、報連相が自然にできる人。 そうした「信頼される若手社員」は、皆、伝えることの本質を理解しているのです。

建設業界向け若手社員研修~仕事の進め方編(1.5日間)

本研修では、受講者が自身の課題を振り返り、改善策を実践できるよう、リアルな建設現場のケースを基に構成されています。 建設業に携わる若手社員の方向けの仕事の進め方の改善、コミュニケーション向上のための研修です。

まずは入社からこれまでの業務への取り組み方を洗い出し、自分が苦手としていることを把握します。また、上司・先輩はもちろんのこと、社外の協力業者の方との連携のポイントを習得していただけます。

建設現場や現場事務所でよくあるリアルなケーススタディを通して、受講者の理解を深めます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 新入社員の時は緊張感があったが業務に慣れてきた一方で熱意が薄れてきた若手も見受けられる
  • 適切な報連相などのコミュニケーション組織外のステークホルダーとの信頼関係の築き方を学ぶ
  • 前向きに、自ら成長を促す意識の持ち方を理解し、実践できるようになる

研修のゴール

  • 上司や先輩から求められている役割を認識し、視座を高める
  • 偉人のエピソードを参考に、俯瞰力を磨く
  • 自身やチームでインテグリティを浸透させるためにできることを考える

>講師派遣型研修の詳細はこちら

セットでおすすめの研修・サービス

若手社員研修~主体性の発揮

若手社員は、今後組織を牽引していくための「仕事の主体者」です。

本研修では、この役割を受け入れるために必要な適切な報連相などのコミュニケーション、組織外のステークホルダーとの信頼関係の築き方について習得します。 建設現場や現場事務所でよくあるリアルなケーススタディを通して、受講者の理解を深める、実務に沿った内容です。

>公開講座の詳細はこちら

ChatGPT活用の建設AI研修~シナリオで実践する業務効率化

本研修では、ChatGPT有料版の機能である「GPT-4o」を、建設に特化した幅広い分野に活かす方法を学びます。

ワークでは、自治体向けのサービス提案・アイデア出しや資料の調査に役立つ要約、アンケートの内容分析など、具体的な例を元に実際にプロンプトを入力し、ChatGPTをどのように活かすかをハンズオン研修の形で体験していただきます。また、事前学習のファイルを読み込ませて、より詳しく絞り込んだ答えを得るためのファインチューニング機能を学ぶことで、自組織に必要な知識を得た生成AIの活用についての知識を身につけます。

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(現場・現業職向け)部下・後輩との接し方研修(1日間)

工場や建設現場といった現場の仕事は危険を伴う作業があるため、どうしても指導や注意がきつくなってしまいます。

また、これまで自身がうけてきた指導方法しかわからず、今もその当時の育て方を実践している方が少なくありません。

本研修では現場でよく起こるケース設定を基に、今の若手を育てるために必要なポイントを学びます。受講者同士で意見を共有し議論することで日ごろの行動を振り返り、どのように指導・注意すればよいかを考えていきます。

>講師派遣型研修の詳細はこちら

建設業向けデータサイエンティスト育成研修~目的に応じた分析手法(半日間)

データ分析は意思決定をサポートする重要な要素です。建設業界であれば、施工の進捗データを分析することで工事のリスクを予測し、対策を講じることができます。

研修では事例を交えながら、目的やデータの特性に合わせて分析手法を選定するポイントを理解します。また、間違ったクラスタリングやアルゴリズムを使用した場合の失敗例を取り上げ、データ分析の注意点もおさえます。

>講師派遣型研修の詳細はこちら

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