安藤弘一講師「管理職に求められる能力について」

安藤弘一講師「管理職に求められる能力について」
 

4.「"会社経営の本質"について」

会社の目的を実務的にどのようにとらえるべきか

最初に、ドラッカーの言葉を紹介します。

「企業活動の目的は利益追求ではない。利益は結果であり、企業活動の目的は顧客創造にある」

まさに経営哲学者らしい言葉です。しかし、会社は利益を生まないと存続できない現実を、皆さんは、直視しなければなりません。私は、この点、ドラッカーの言葉を「会社経営の本質」の1つとしてとらえ、会社の目的は、利益を追求することであるととらえています。

利益を生まなければ、会社は、銀行から資金調達することができません。従業員に給料を支払うこともできません。株主に配当を支払うこともできません。利益を生むことが存続の条件であり、発展するための条件です。この意味で利益は尊いのです。この「尊い利益」をしっかりと追求していくことが"会社価値の最大化"につながるのです。

尊い利益の社会的な意味

「利益、利益」というと、「もうけ過ぎはよくない」という批判も起きるでしょう。しかし、この「尊い利益」には、社会的な価値を確保するという点も当然含まれています。

会社は、社会との共生を念頭におき、社会に貢献し、"適正な"利潤を追求しつつ、持続的に成長すべき存在です。したがって、会社価値という概念には、自ずと、経済的な価値に加えて、社会的な価値が含まれています。利益が"尊い"という意味がここにもあるのです。

昨今、食の安全への裏切りやリコール隠しなど、いわゆるコンプライアンス(法令順守)問題があとを絶ちません。利益や効率が優先される中で、会社は、コンプライアンスを一種の制約条件と考えているからではないでしょうか。ですから、何か抜け道がないかと考えてしまうのです。

コンプライアンスは社会の利益を守るためにあります。社会の一員である会社が、コンプライアンスの目的である"人の生命の安心と安全"を守るのは当然のことであり、この点、コンプライアンスは、会社の基本目標の一つに位置づけられなければなりません。

「尊い利益」を生むことが発展のための条件である

さきほど、「利益を生むことが存続の条件であり、発展するための条件です」と述べましたが、この点を深めましょう。

「貧すれば鈍する」という言葉がありますが、利益が出ない会社はまさにこの現象が顕著になります。会議は長くなり、残業が増え、社員は疲弊します。役員は役員で数字にピリピリし、発想が近視眼的になります。最も致命的なことは、会社の発展にとって不可欠な研究開発や人材育成などに予算を割けなくなることです。

一方、業績の良い会社は、頼まなくても、他社からの売り込みが数多く舞い込み、情報を蓄積できます。また、優秀な人材が数多く集まり、次の戦略や施策をどんどん進めます。 まさに好循環が好循環を呼ぶのです。

それでは、会社は好循環が好循環を呼ぶ状況をいかにして構築すればいいのでしょうか。その答えは、「会社経営の本質」を絶対的な行動指針として受け入れることです。

「会社経営の本質」を絶対的な行動指針として受け入れる

会社が好循環にあるとは、尊い利益が計上され、この利益の水準が増勢を強めている状態にあるときです。この状態を確保するために、会社は、次の条件を満たさなければなりません。

"会社が提供する価値">"顧客が期待する価値"

この条件が満されていれば、顧客は増え、顧客は、喜んで、会社が提供する価値に対価を払ってくれます。つまり、会社は、会社価値の最大化に向けて前進できるのです。

この条件を満たすために、会社には、つぎの3点が不可欠になります。

  1. 「利益の尊さ」、
  2. 「顧客志向の重要さ」
  3. 「変革とスピードの重要さ」です。

1と2は、"会社が提供する価値">"顧客が期待する価値"という図式を成り立たせるために直接作用します。3は、他社の攻勢などによって"会社が提供する価値">"顧客が期待する価値"という図式が常に崩されるリスクに晒されているなかで、これを阻止し、不等号の関係をさらに強化するために機能します。

会社は1から3の要件を一つでも欠けば"会社が提供する価値">"顧客が期待する価値"という図式が成り立たなくなり、利益は減少し、会社価値の最大化への道から外れます。

経営者に限らず、ビジネスパーソンであれば、誰でも1から3の「会社経営の本質」を絶対的な価値として受け入れなければならないことは明らかです。

困難に直面したときこそ「会社経営の本質」に立ち返る

業績が悪くなると、「稼げ、儲けろ」という社長がいます。しかし、儲かっていない会社は、そもそも、販売する商品やサービスの内容が悪いのです。

このような中で、社長が「稼げ、儲けろ」と言えば、どうなるでしょうか。営業は、売れない商品やサービスを無理やり顧客に押しつけてきます。しかし、これでは、会社が良くなるはずもありません。社長が、"会社が提供する価値">"顧客が期待する価値"という図式を成り立たせようと、イニシアティブを発揮していないからです。

「会社経営の本質」を熟知している社長は、このようなケースで、何と指示するでしょうか。もちろん、前項の1から3を意識した指示を出します。

「わが社は今、一番苦しい時だ。主力事業の収益性が低下する一方、次代を担う収益の柱が育っていない。営業部門は大変だろうが、歯を食いしばって顧客の維持に頑張ってほしい。この間、開発セクションは、営業との連携も図り、新製品の早期リリースに全力を挙げて欲しい」まさに、会社経営の本質に沿った指示です。

皆さんは、ここで、つぎの2点についてしっかりと認識してください。

  1. 「会社経営の本質」に立ち返るとは、「会社価値の最大化」にてらして考えることと同義であること。
  2. だからこそ、困難に直面した時には、「会社経営の本質」に立ち返り、この一つひとつに照らして考えてみること。
ページトップへ

「管理職に求められる能力について」一覧

ページトップへ

お問合せ

まずはお電話かメールにてお気軽にご相談ください

メールでのお問合せ

お電話でのお問合せ
0120-800-225

※フリーダイヤル架電後、ガイダンスに従って
公開講座・WEBinsource・人財育成スマートパックに関するお問合せ→①
その他お問合せ→②を選択してください

ページトップへ

今日の仕事に役立つひとこと

職場改善プログラム

人事サポートシステムリーフ

インソースの研修の特徴


インソースのもと

インソースのHRMレポート
【講演録】人的資源管理の流れ
日本型経営を支える管理職の役割「現在求められる中間管理職の役割」
管理職に求められる能力について
「成長企業の人材育成」
経営マネジメントのコツ~バーチャルマネジメント研究所

研修運営に役立つレポート
新入社員研修を成功させる10のポイント
研修運営「ちょっと役立つ」101のコツ
研修を語る~ベテラン講師や研修制作者が研修に込めた「想い」とは
新作研修ができるまで

ビジネスに役立つレポート
ビジネス文書文例集
あなたにも簡単にできるクレーム対応の勘所
オフィス節電プロジェクト
インソースが考える「奥の手・猫の手」
インソースマナーブック
社長に必要なノウハウを学ぶ2ヶ月間

管理職研修の評価
  • 1年間の総受講者数※
    • 64,799
  • 内容をよく理解・理解
    • 93.9
  • 講師がとても良い・良い
    • 94.8

※平成24年4月~平成25年3月


関連管理職研修
1日間で実施する一般的な研修例
管理職対象にアセスメントを利用して研修を実施する
官公庁・自治体向け働き方改革リーダー研修 仕事の振り方・伝え方編(1日間)
事業戦略研修 組織分析を実践する編(2時間)
管理職研修 もしもあなたが社長になったら編(1日間)

公開講座の管理職研修

関連研修テーマ
OJT研修
評価者・考課者研修
メンタルヘルス研修
ハラスメント防止研修
財務研修
マーケティング研修

インソース研修の特徴
研修の考え方
研修の流れ~事前課題
本研修の効果測定
研修呼び覚まシステム
受講者の声
講師の特徴
Q&A

インソース研修一覧
テーマ別研修
階層別研修
年代別研修
業界業種別研修
官公庁・自治体向け研修
部門別研修
新作研修
研修コンサルティング~インソースの課題解決プロセス
1名から参加できる公開講座

研修カレンダー

お仕事歳時記

スピード見積もり

インソース採用情報

INSOURCE TOPIC

インソースブログ