インソース 公開講座本部

「キャリア自律」「リスキリング」の今~中堅社員育成の課題と、新たな教育制度導入を成功させる4つのステップ

変化の激しい現代において、個人のキャリア形成はますますその重要性を増しています。特に、組織の中核を担う「中堅社員」のキャリア自律は、個人と組織双方の持続的な成長に不可欠です。

現代社会の変化とキャリア自律の必要性

現代では新しいサービスや技術が次々と生まれ、これまでの知識や常識がすぐに陳腐化してしまいます。同じ会社であっても「売り物」「売る相手」「売り方」までもが目まぐるしく変わり、積み上げてきたセオリーが通用しなくなっていきます。

このような時代に求められるのは、画一的な教育で「標準に揃える」ことよりも、個性を活かし、今までにないものを創り出す人材です。前例にとらわれず、常に主体的に学び続ける人材こそが、この時代に活躍できる人材です。外部環境や内部環境がいかに変わろうと、いかんなく能力を発揮できる「ポータブルスキル」を身につけられるよう、自律的なキャリア形成を支援できる環境構築が必要です。

新人・管理職の狭間で「手つかず」の現実~中堅社員教育の課題

多くの組織では、新入社員や新任管理職、次世代幹部への教育は手厚く提供されています。しかし、20代後半から40代の「中堅層」に対しては、教育が手つかずになっているケースが少なくありません。

この中堅層は、日頃から仕事だけでなく、ライフイベントやお金のことなど、複雑な悩みを抱えています。この世代への投資を怠れば、「中核人材の慢性的な離職」に歯止めがかからないという問題が生じます。また、現時点では高いパフォーマンスを発揮している人材であっても、年齢と共に求められる水準は上がるため、放置すれば数年後にパフォーマンスが低下するリスクも存在します。

従来の画一的な教育では、こうした個々の複雑な悩みを解消することは困難です。これからは個人の悩みに寄り添い、自分に必要な教育を自分で選べる「自律的な学習」を促す教育体制への転換が不可欠であると言えます。自律的な学習が常態化することで、やがてそれは「自律的なキャリアの形成」ができる環境となります。

イメージ:中堅~管理職候補者を対象とした、「自律的な学習意欲」促進施策の拡充

キャリア自律支援のご提案例

キャリア自律を実践するための具体的なステップ

では、従業員一人ひとりが「キャリア自律」を実現するために、組織はどのようなステップを踏んでいけば良いのでしょうか。ここでは、その具体的なプロセスをご紹介します。

ステップ1:変化の激しい世の中で、自身のキャリアをどうしたいかを「正しく認識」させる

まず何よりも大切なのは、従業員が「スキルアップしたい」「出来ることを増やしたい」「教育を受けないとまずい」と自発的に思うことです。従業員が組織と働き手との関係について正しく認識し、従業員が自身のキャリアを主体的に捉えるきっかけを持てるようにすることが重要です。

人的資本経営の時代においては、「自律」とは何かを理解させることが第一歩です。日本型雇用システムが「人に仕事を付ける」メンバーシップ型から、「仕事に人を付ける」ジョブ型へと変化する中で、人材育成のあり方も見直されています。OJTは日本型雇用と相性が良いとされてきましたが、ベテラン層には不向きな側面もあり、この世代には「リスキリング」が有効です。

従業員が自身のキャリアを考える上では、「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(すべきこと・求められること)」というフレームワークが非常に有効です。これらは時間とともに変化するものであるため、定期的に見つめ直す機会を提供する必要があります。

組織としての実践事項

  • 従業員が「Will・Can・Must」でビジョンを整理できるワークショップや研修を定期的に開催する
  • 個人のキャリア自律が組織の成長にどう繋がるか、明確なメッセージを発信し続け
  • リスキリングを促すための情報提供や学習機会を積極的に提示する

ステップ2:客観的に「現状のスキル」を把握できる機会を提供する

次に、従業員が自身のスキルレベルを客観的に把握できる機会を提供することが重要です。

ここでは単なる意識調査ではなく、テストを通じて「知識」と、その知識を「活用する力」という2軸でスキルを見える化します。これにより、自身の能力に対する問題意識が芽生え、学習への動機付けにつながります。

中堅社員向けには、ビジネス基礎・生産性向上力・論理的思考力・コミュニケーション力・リーダーシップ力・チームマネジメント力・業績拡大・社会常識といった多岐にわたるカテゴリのスキルが問われるテストがあります。

組織としての実践事項

  • 従業員のスキルレベルを客観的に可視化できるアセスメントツールを導入し、定期的な受検を推奨する
  • 診断結果に基づき、個々の強みと課題を明確にするフィードバックの機会を提供する
  • 不足している知識や活用できていないスキルを補うための学習コンテンツや機会を提示する

ステップ3:上司と共に「ギャップを埋める計画」を立てられる体制を構築する

従業員が現状を把握できるようになったら、あとは計画と実行です。

計画にあたっては、従業員の「ありたい姿(キャリア目標)」と「今の姿(キャリアの現在地)」を明確にし、その間の「AsIs-ToBeギャップ」として現れるキャリア上の課題を洗い出せるようにすることが大切です。

このギャップを埋めるためには、上司との1対1面談が非常に有効です。社員の価値観が多様化している現代において、現場では一人ひとりの価値観を尊重しながらキャリア開発を支援することが求められており、そのためにはまず部下の特徴やキャリア志向をよく理解することが不可欠です。

面談では、部下のスキル・経験・強み・課題を整理し、キャリア・アンカー(こだわりややりがい)やキャリア志向を把握するためのフレームワークが活用されます。部下の自己効力感を高めるような肯定質問や、オープン・クローズド質問、未来質問・過去質問といった効果的な質問話法を駆使して、具体的な学習計画を立てられるよう、上司への教育も徹底しましょう。

組織としての実践事項

  • 上司が部下のキャリア開発を支援できるよう、コーチングスキルや面談手法に関する研修を定期的に実施する
  • キャリア面談の目的や進め方、具体的なフレームワークをまとめたガイドラインを整備し、上司に共有する
  • 従業員が上司との面談を安心して実施できるよう、面談の評価や進捗を管理する仕組みを導入する

ステップ4:「学び」を実践し、視野を広げる機会を提供する

ギャップを埋める計画が立てられたら、次はその計画に基づき、個別に公開講座を受講するなどして学びを実践できる機会を組織として提供するフェーズです。

オープンセミナーへの参加は、スキルアップだけでなく、「他流試合」を通じて組織の外の空気を吸い、自身の価値観や常識、考え方をアップデートする貴重な機会となります。個々人の課題やキャリア観にマッチした選択研修を受講することで、より効果的にスキルを習得できます。

組織としての実践事項

  • 従業員が選択できる多様な公開講座やeラーニングコンテンツのリストを整備し、アクセスを容易にする
  • 学習にかかる費用補助や勤務時間内の受講を認める制度を導入・明確化する
  • 社外の専門家や異業種との交流機会、「他流試合」の場を積極的に提供し、視野を広げるきっかけを作る

インソースの支援:お客様の「キャリア自律」を後押しする

ご紹介したキャリア開発の各ステップは、私たち株式会社インソースが提供するサービスで支援いたします。

例えば、まず初めに「キャリアオーナーシップ講演」を通じて、組織と働き手との関係性を正しく認識し、主体的なスキルアップのきっかけを提供します。次に、「階層別テスト」により、個々人のスキルレベルを「知識」と「活用力」の2軸で客観的に見える化し、学習への問題意識を醸成します。その後、テスト結果や普段の業務状況を踏まえ、上司の方々と面談を実施し、受講すべき公開講座を選定していただきます。

キャリア自律支援のご提案例

上記はあくまでご提案の一例です。最終的な教育手段としてインソースの公開講座をご選択いただく場合、弊社の4,700種類を超えるラインナップから、貴社の評価基準やコンピテンシー一覧に合わせたオリジナルコースマップを作成し、スムーズな講座選択をサポートいたします。コースマップ作成・マニュアル作成・説明会開催などはすべて無料でご支援しております

オリジナルコースマップの作成イメージ

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インソースはこれらのサービスを通じて、貴社の中堅社員の方々が、激動の時代においても自律的にキャリアを築き、いきいきと活躍できるよう、きめ細やかなサポートを提供してまいります。是非お気軽に、ご相談ください。

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セットでおすすめの研修・サービス

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「階層別テスト」は、若手・中堅・ベテラン・初級管理職・上級管理職に「いま」必要なスキルが一目でわかるアセスメントサービスです。

ビジネスパーソンに求められるスキルを洗い出し、これらのカテゴリ・スキルについてビジネスの場面で必要な「知識」を問うとともに、ケーススタディなどを通じてそれを「活用できる力(活用力)」を有しているかどうかを測定します。

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1対1面談研修~部下のキャリア開発支援編

本研修は、実際に面談をする管理職・リーダーが、1対1面談でどのように部下の特徴・キャリア志向を把握していくか、フレームワークをお伝えしていきます。さらに、ワーク、ケーススタディでの実践を通して、部下のキャリア開発を促す1対1面談ができるようになることを目指します。

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管理職向け部下のキャリア形成支援研修~成長プランの策定と業務の任せ方編

本研修では、まず部下のキャリア開発における上司の役割を理解します。そのうえで、キャリア支援計画の立案、キャリアマインドの醸成、成長プランのすり合わせ、人材育成視点での業務差配のポイントについて学びます。

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エンゲージメント診断

本サービスは従業員エンゲージメントの向上を目指して、組織課題を可視化するアセスメントです。従業員と組織の満足度を定量的に調査することで、どの対象にどのような施策を講じればよいのかを考える際の基礎情報として活用することができます。

本サービスではエンゲージメントの見える化に留まらず、不満の原因を探る問いを設定したり、設問自体を人事部門の関心事にあわせてカスタマイズしたりすることが可能です。アセスメント実施後の効果的な施策検討につながる調査を実施できます。

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