効率化のための業務改善とは~職場のムリ・ムダ・ムラをなくすために意識すべき5つのポイント
業務改善において重要なのは、「ムリ・ムダ・ムラ」を徹底的に排除することです。「ムリ・ムダ・ムラ」は業務の非効率性を引き起こし、生産性低下やコスト増加の原因となり得ます。
ムリ・ムダ・ムラとは?
■ムリ:業務に対して、能力以上の負荷がかかっている状態
(例)少人数で膨大な作業量を抱える、短期間で無理に成果を出そうとする
■ムダ:不必要な作業や資源の浪費のこと
(例)過剰な生産・不必要な手順を踏むプロセス
■ムラ:ムリとムダの両方が混在している状態
(例)業務のピーク時に、急激に忙しくなったり逆に手が空いてしまったりする
現状の業務フローを可視化し、改善できることがないかを探す
どこに「ムリ・ムダ・ムラ」が生じているのか、まずは業務プロセスを徹底的に洗い出し、明確にしなければなりません。そのうえで次の5つを意識し、具体的な改善策を考えていきます。
①最適化~無駄な作業や工程を減らす
非効率的な業務フローは、生産性の低下につながるだけでなく、従業員の負担を増やす要因となります。業務フローを最適化することで作業時間を短縮でき、従業員が本来の業務に集中できる環境を整えることが可能です。
②標準化~誰でも同じように作業できるようにする
業務の手順や方法を統一することで、担当者のスキルや経験に関係なく、同じ成果物をつくれるようになります。特に業務が複雑な場合など、担当者によって作業のバラつきが生じやすいときに効果を発揮します。
③自動化~単純作業は機械やソフトウェアに実行させる
人間が行う必要のない繰り返しの作業などを機械に任せることで、業務削減にもつながります。まずは、本当に人間が行うべきなのかを再評価し、自動化の対象となる業務を見極めることが重要です。
④コスト削減~資金をより戦略的な投資に回す
不要な経費を減らすことで、企業の利益を最大化するとともに持続可能な運営が可能になります。浮いた資金は新しい事業の展開や設備への投資、従業員の育成など、企業の成長につながるものに活用します。
⑤人材の再配置~スキルに応じた適材適所に再配置する
業務の需要と供給の変化に応じて適切に人材を配置することで、従業員のスキルや能力を最大限活用できます。またそれが従業員にとっての成長機会となれば、個々のパフォーマンスやモチベーション向上、ひいては組織全体の業務改善につながるのです。
できることから一つずつ改善を進め、働きやすい環境をつくる
具体的な取り組みを段階的に進めていくことで、個人レベルの業務改善であっても、働きやすい職場環境づくりや生産性向上、組織全体の成長につながっていきます。まずはできるところから、現場にあった業務改善に着手してみてはいかがでしょうか。
事例で学ぶ業務改善研修~業務の効率化編
今回ご紹介した5つの観点から、自組織の業務改善を考える研修です。具体的な事例を多く取り上げ、それらをヒントにしながら実践的に効率化のポイントを学びます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 業務改善の必要性は認識しているが、具体的な行動につながっていない
- 身近な業務改善の事例から、職場での問題発見力を養いたい
研修のゴール
- ムリ・ムダ・ムラをなくすための業務改善の必要性を理解する
- 業務改善の事例を教訓に、自身の業務に活かせるようになる
- 効率化するために、どのような手法が有効か判断できる
セットでおすすめの研修・サービス
業務フロー作成研修~業務の視覚化で、改善やリスク管理につなげる
本研修は、業務の流れを可視化することによって改善の余地を見つけ、効率化へとつなげる手法を学びます。作成手順やフロー構成の型など必要な図解化スキルを身につけ、研修の中で自部署の業務フローを作成し、実践につなげます。
業務削減研修~自動化(RPA)に向けて業務フローを見直す
自動化による業務の時間削減を目指す研修です。その考え方やRPAによってできることを学んだうえで、実際に業務を洗い出します。フローチャートのしくみを確認した後で業務フロー図を作成し、自動化を見越してどのように改善すべきかを考えます。
職場環境の改善・活性化研修~5S活用編
本研修では、職場環境の維持改善スローガンである「5S」を通じて、職員のモラル向上や効率化など全ての業務の品質向上と維持を図ります。身近で小さなムダを排除していくことの重要性をお伝えし、最後には、廃棄ルールや処理の手順などを定めて実践する「5S行動計画」を作成します。