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JavaScriptが思った通りに動かない理由~新人エンジニアが理解すべき5つのパターンと解決策

JavaScriptを書いてみたものの、思った通りに動かない。エラーが出ないのに結果がおかしい。そんな経験はありませんか?新人エンジニアの多くが抱える悩みの一つです。

原因がわからずに時間だけが過ぎていくと、プログラミング自体が嫌になってしまうこともあります。しかし、ちょっとした視点の切り替えや確認ポイントを押さえるだけで、多くの問題は簡単に解決できます。

本記事では、新人エンジニアが陥りやすいJavaScriptの「思った通りに動かない」問題の原因と、その解決策を具体例とともにご紹介します。

動かない原因を見抜く~JavaScript初心者がやりがちな4つのミス

新人エンジニアが最初にぶつかる壁は、JavaScriptの文法や処理の挙動が思い通りにならないことです。例えば次のような状況です。

  • = と == を混同して条件判定がうまくいかない
  • for ループの初期値や条件式を間違えて、想定より多く、または少なく繰り返し処理してしまう
  • 非同期処理(fetch や setTimeout)の順序を誤解して、結果が期待通りに出ない
  • 変数のスコープ(var と let の違い)を理解しておらず、思わぬ値が返る

これらは一見小さなミスですが、原因を把握しないまま手を動かしても解決は難しく、フラストレーションだけが溜まります。まずはなぜ動かないのかを切り分ける力が重要です。

新人がつまずく5つの典型パターンと解決ステップ

1. コンソールを確認せずに動作確認を終える

  • 失敗パターン
    「エラーが出ていないから大丈夫」と思い込み、ブラウザ上での動作確認を十分に行わない。
  • 原因
    JavaScriptは画面にエラーを出さないことが多く、重要なメッセージはコンソールにのみ表示されます。
  • 改善策
    ブラウザの開発者ツールを開き、コンソールに出るエラーや警告を確認しましょう。
  • 例えば、次のようなメッセージは原因特定に役立ちます。

    Uncaught TypeError: Cannot read property 'length' of undefined

    このエラーは「ある値の長さを取得しようとしたら、その値が undefined になっていた」ことを示しています。

2. デバッグの手順が曖昧で、原因を特定できない

  • 失敗パターン
    コード全体を一度に書いて実行し、どこで問題が起きているのか分からなくなる。
  • 原因
    変数の中身や処理の流れを確認する仕組みを使っていないため。
  • 改善策
    console.log() を活用し、変数の値や処理の通過点を段階的に確認しましょう。これにより、ループや配列操作の挙動を正しく把握できます。

エディター▼

コンソール(ブラウザの開発者ツール)▼

これだけで、ループや配列操作の挙動を理解できます。

3. サンプルコードを理解せずにコピーして使う

  • 失敗パターン
    ネットや教材のサンプルコードをそのまま貼り付けて動かすだけで、仕組みを理解していない。
  • 原因
    一部の処理が何をしているのか理解していないため似たコードを書くときにエラーが再発する。
  • 改善策
    小さな単位で動作を確認しながら理解を深めることが重要です。たとえば、配列操作だけ・条件分岐だけを使ったミニプログラムを作ってみましょう。小さく動かすことで、コードの挙動を明確に理解できます。

4. エラーメッセージを読まずに試行錯誤を繰り返す

  • 失敗パターン
    表示されたエラーを無視して修正を繰り返す。
  • 原因
    英語のメッセージを読む習慣がなく、内容を理解しようとしないため。
  • 改善策
    エラーメッセージはプログラミングの道標です。たとえば「Uncaught ReferenceError: x is not defined」は「変数xが定義されていない」ことを示しています。意味を調べて理解し、原因を一つずつ解決する習慣をつけましょう。

5. ドキュメントやリファレンスを参照しない

  • 失敗パターン
    わからない構文やメソッドを、勘や他人のコードでなんとなく使ってしまう。
  • 原因
    正しい仕様を確認するという基本姿勢が身についていない。
  • 改善策
    公式ドキュメント(例:MDN Web Docs)を積極的に活用しましょう。構文・メソッド・動作例を正確に確認できるため、理解が深まります。

実例で学ぶJavaScriptが動かない理由~新人が体験した2つのケース

ケース1: 配列の値が正しく取得できない

  • 原因
    forループ内で var を使用していたため、スコープが共有されていた。
  • 改善策
    let を使用してスコープを限定する。

ケース2: 非同期処理の結果が未取得のまま利用される

  • 原因
    fetch の処理順序を理解していなかった。
  • 改善策
    async/await を使って処理の完了を待つ。

エラーを減らすための3つの基本習慣~小さく動かす・コンソールを見る・意味を考える

新人エンジニアがJavaScriptでつまずく主な理由は、「小さなミスを見逃すこと」と「非同期やスコープなどの概念を理解していないこと」です。改善のために意識したいポイントは以下の3つです。

  • 小さな単位で動かして確認する
  • コンソールとエラーメッセージを活用する
  • 理解しながら写経・実験する

これらを習慣にすれば、エラーの原因を的確に特定でき、より自信を持ってコードを書けるようになります。

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