インソース DX支援部

金融業界の効率化こそバイブコーディング~生成AIのハルシネーションに左右されない業務改善

金融業界では、すでに生成AIの活用が進んでいます。金融庁の調査では、生成AIを導入している組織の中で、一般社員向けに利用を認めているところは実に7割以上です。一般社員の作業レベルで業務効率化が進んでおり、部署単位の作業を効率化している組織も多数あります。

【生成AIを導入した組織での利用範囲の内訳】

生成AIを導入した組織での利用範囲の内訳

出典:金融庁「AIディスカッションペーパー第1.0版」https://www.fsa.go.jp/news/r6/sonota/20250304/aidp_summary.pdf(最終アクセス:2025年12月30日)

金融業界で生成AIが最も活用されている作業は『文書作成』

金融庁によると、金融業界で生成AIが最も活用されている場面は、文書作成です。具体的には資料のドラフト作成、さらに要約・翻訳・添削などが挙げられます。そして、文書作成に続く活用場面として注目されているのがシステム開発やテストです。昨今、組織ごとで生成AIを用いたシステム開発はスピード感を持って進められており、今後さらなる活用機会の拡大が期待されています。

【金融業界で生成AIを活用している場面】

金融業界で生成AIを活用している場面

出典:金融庁「AIディスカッションペーパー第1.0版」https://www.fsa.go.jp/news/r6/sonota/20250304/aidp_summary.pdf(最終アクセス:2025年12月30日)

生成AIを使って作業単位だけでなく業務単位で効率化する時代

金融業界では、このように生成AI活用が進んでおり、今後は特にシステム開発の面で期待が高いです。しかし、活用が進む中で課題も見えてきました。

金融業界が抱える課題は、活用が「個人の単一作業止まり」で停滞していること

生成AIの活用で多様な作業が効率化できるものの、汎用的な生成AIは特定の金融業務フローに合わせて設計されているわけではありません。業務に完全に最適化されたAIシステムを一から構築するには莫大なコストがかかるため、多くの現場ではチャットボット型の導入にとどまっています。「メール文面の添削にだけ使う」「資料のドラフトだけ作ってもらう」など、個人の局所的な作業効率化は進みましたが、業務フロー全体での活用が停滞してしまうという事案が増加しています。

課題への解決策は「Python等のプログラム連携で、業務単位で効率化を進める」こと

今後は、生成AIと他のデジタルツールを組み合わせることによって、実際の業務に根ざしたシステムを手軽に開発する時代です。単一作業ではなく、これからは生成AIにプログラムを書かせてシステム化することで、定常業務を業務単位で自動化できます。定常業務が短縮できると、分析や判断といったクリエイティブな思考に集中する時間が生まれます。そこで生成AIとの連携に最も注目されているツールが、Python(パイソン)などのプログラミング言語です。

業界の文化に応えるPythonスキルを持つ人材確保が急務

金融業界の信頼は「正確性」と「セキュリティ」が安定していること

金融業界は個人情報や取引履歴の保護、数円の誤差も許されないなど、業界が担ってきた責任ある業務の影響で、セキュリティとコンプライアンスが重要視されています。正確性とセキュリティが長きに渡って安定している組織こそ、信頼となって顧客が集まる業界です。

それゆえ、人為的なミスやセキュリティの不備は信頼を損なう要因となります。特に正確性が重視される金融業界において、プログラムによる自動処理で定常業務から安定した結果を出し続けられることは、組織の信頼性に関わる重要事項です。

正確な処理を実現するPythonやVBAが再評価されている

定常業務の正確性を担保する手段として定評があるのが、PythonやExcelマクロ(VBA)による自動化です。これらはあらかじめ決められたルール通りに処理を行うため、ヒューマンエラーを排除し、高い正確性を安定的に実現できるとして金融業界で重宝されています。

生成AIにコードを書かせればエンジニアでなくてもシステムを作れる

これまで社内のシステム構築は専門のエンジニアに限られており、属人化やノウハウ継承が課題でした。しかし、今は、Pythonなどのコード作成や修正を生成AIに任せることで、非エンジニアでもシステム開発ができる時代になりました。

この手法は「バイブコーディング(Vibe Coding)」と呼ばれ始めています。生成AIへの指示(プロンプト)によって、あたかも同僚に頼むような感覚でコードを生成・実行させるこのスタイルにより、社員のデジタルリテラシーが底上げされ、現場主導の業務自動化への注目が高まっています。

バイブコーディングを徹底解説!~向いている人材・注意点

バイブコーディングは、自然言語で生成AIに指示して作る新しい開発スタイル

バイブコーディングとは、プログラミング言語の細かな文法を人間が書くのではなく、「こういう機能が欲しい」「ここを直したい」といった自然言語の指示(Vibe/雰囲気・意図)を投げかけるだけで、生成AIが意図を汲み取り、コードを生成・修正するという開発手法です。

バイブコーディングは「ドラフト作成から先の作業」もまるごと効率化

バイブコーディングがこれまでの生成AI利用とどう違うのかをご紹介します。稟議書の作成を例として、以下に違いをまとめました。よく金融業界で使われている文書のドラフト作成ですが、従来の生成AI活用では、「ドラフトだけ作成」の単一作業で終わりがちです。バイブコーディングにより、処理をプログラム化すると、稟議書の作成、PDF化、承認メールの送付、通知の受信など、関わる業務フローをまるごとシステム化できます。

稟議書作成の例:

項目 従来の生成AI利用 バイブコーディング
使い方 「稟議書のドラフトを作成して」と指示
⇒稟議書の定型、大まかな資料が完成
「稟議書の入力フォームを作って」
「フォームを記入したらPDFにして」
「承認依頼を送るPythonプログラムを書いて」と指示
⇒一連の処理を実行するツールが完成
成果物 WordやPDFの文書(静的なファイル) 自動処理プログラム(動的なツール)
修正 プロンプトで文章を再生成 「エラーが出たから直して」と指示してコード修正
業務の楽さ ◎文書作成は自動化
△承認・通知は手作業
△毎回プロンプト入力が必要
◎作成〜承認〜通知まで業務まるごと自動
◎一度作ればプログラムが処理するため、毎回生成AIに頼る必要がない
◎定型処理として正確に何度でも実行できる
再利用性 △低い(部分的な作業にのみ使用、都度生成になりがち) ◎高い(ツールとしてテンプレート化・部内で共有可能)

金融業界でバイブコーディングに向いている人材は「業務知識が豊富な中堅~ベテラン」

金融業界でバイブコーディングに向いている人材は、「業務知識が豊富な中堅~ベテラン」と言われています。AIに適切な指示(Vibe)を出すためには、業務フローの正解を知っている知識と経験が必要だからです。彼らが自らツールを作ることで、定常業務を効率化し、本来の価値ある判断や分析に専念できるようになります。

バイブコーディングの注意点~生成AIが作ったコードの正誤を見極められるか

バイブコーディングの最大の注意点は、生成AIが出力したコードが意図通りに動くか、セキュリティ的に問題ないかを判断できるかです。バイブコーディングは「コードを書かない」手法ですが、出力された結果の責任は人間にあります。生成AIは、短時間でコードを生成できますが、ハルシネーション(もっともらしい嘘)や非効率な記述を含む可能性があります。生成AIに頼り切りにならず、テスト実行を行い、確からしさを判断できるリテラシーを持った社員から業務に取り入れるべきです。

安全かつ最短でバイブコーディングを習得するには「プロを頼る」

バイブコーディングの学習方法には書籍や動画などさまざまな手段があります。しかし、金融業界の方にとって最も効果的な方法は、プロフェッショナルから直接学ぶことです。その理由は、金融業界には定型的な業務が多く自動化の恩恵が大きい一方で、ミスが許されない厳格なセキュリティ基準が存在するためです。独学で「動くけれど危険なコード」を作ってしまうよりも、正確性とセキュリティを熟知したプロから、安全なAI開発手法を学ぶことが近道です。

【同業他社事例】バイブコーディングを学び、受講者全員が開発に成功

ある金融業界の企業では、組織内の非エンジニアをDX人材として確保することを目的に、Python×生成AI教育を実施しました。プログラミング未経験者が実践的に学べる機会を作るために、短期集中的に教育を行いました。

教育カリキュラムは、計8日間の研修です。実践の時間を多く取り入れ、最後には成果を示す発表会を実施しました。結果、すべての受講者が開発に成功しました。

Day1 Excel操作自動化(OpenPyXL等の活用)
Day2 スクレイピング(情報収集の自動化)
Day3 データ分析(Pandas等の活用)
Day4 アルゴリズム20本ノック(AIへの指示出し演習)
Day5~7 フォロー研修
(プログラムの立案~完成まで講師が伴走)
Day8 最終発表会

実施後の受講者は、業務自動化プログラムを作成できたことに自信がつき、これまでの定常業務に対して、様々に改善の提案をしてくれるようになったと上司の方から反応がありました。業務の効率化に役立つスキルが身に付き、スキルアップが社員のモチベーション向上にもなりました。

インソースはカリキュラムが豊富!あなたにあう研修が必ず見つかります

弊社は、研修のカリキュラムを4000種類以上ご用意しています。その中から、バイブコーディングを身につけられる研修をご紹介します。

研修ではChatGPTを使用しますが、自社の生成AIやCopilotやGeminiなどの別の生成AIであっても問題なく業務で活用できる知識が身に付きます。受講者の現時点のレベルや、業務との兼ね合いに合わせて、1日間、3日間、5日間の3コースがございます。どのコースもPython未経験者から参加できます。

はじめての業務自動化研修~生成AIとPythonで1日1時間を生みだす

対象者:速習で明日からすぐに効率化したい方、生成AIは使えるがPythonは未経験の方

本研修では、AIに委ねるべき領域と人間の判断や知識が不可欠な領域とを適切に判断するためのポイントをお伝えします。

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>講師派遣型研修の詳細はこちら

(半日研修)バイブコーディング体験研修~AIの力でプログラムを自動作成する

対象者:生成AIを使用した経験のある方、Pythonの基本文法はすでに理解している方

2024年12月からGitHub Copilotが無料で利用できるようになり、「バイブコーディング」が急速に広がっています。本研修では、GitHub Copilotを使い、自分のコーディング力をAIで補い、プログラムの改善や変更を迅速に具現化する方法を学びます。

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ChatGPT×Pythonプログラミング研修~Excel・WEB操作自動化編(3日間)

対象者:生成AIはある程度使っているが、Pythonの経験が浅い又は未経験の方

この研修作成のこだわりは最終演習問題を実際にそのまま業務に活用できるような事例にしている点です。3日間というコンパクトな期間で、業務効率化に直結する自動化スキルを身につけられるよう設計しました。

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

ChatGPT×Pythonプログラミング研修~自動化・データ分析編(5日間)

対象者:習得に不安があり時間をかけて習得したい方、生成AIのプロンプト作成のコツから学びたい方

「ITスキル」と「データ分析」を基礎から学びます。本セミナーのワーク内ではChatGPTが作成した汎用的なプログラムを実務で使えるように編集・実装する方法をお伝えします。

>公開講座の詳細はこちら

>講師派遣型研修の詳細はこちら

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