現場から変える業務自動化~Visual Basicで「Excel地獄」を抜け出す方法

「月末の売上集計をコピー&ペーストでまとめる」「Accessからデータを取り出して貼り付ける」「入力ミスを防ぐために何度もチェックする」そんな手作業が、あなたの貴重な時間を奪っています。
効率化したい気持ちはある。でも、「マクロ」「Visual Basic(VB)」という言葉を聞くと難しそうに感じてしまう。「自分にはプログラミングなんて無理」と諦めていませんか?
しかしVBは、エンジニア専用のツールではありません。日々の業務をいちばん理解している現場担当者こそ、最大の成果を出せる武器なのです。
現場がVBで業務を変えられる理由
VBはMicrosoftが開発したプログラミング言語で、ExcelやAccessに標準搭載されている「VBA(Visual Basic for Applications)」として利用できます。最大の強みは、人の手で行っていた作業を完全自動化できることです。
- 売上データを自動で集計し、グラフを生成
- 社員ごとの日報を1クリックでまとめる
- 条件を満たす顧客に自動メール送信
- AccessとExcel間でデータを連携
これらの作業は、VBを使えば数分で完了します。次章では、実際にVBで「業務時間を半減」させた企業事例を紹介します。
「1時間→3分」Access×Excel連携で劇的時短を実現
ある製造業の営業事務チームでは、営業担当者50名分の売上データを毎朝集計していました。Accessからデータを抽出し、Excelで加工、部門別・地域別にグラフを作成する1人あたり1時間以上かかる作業です。
そこでVBAを活用し、ボタン1つでデータ抽出→グラフ作成→報告書出力を自動化した結果、作業時間は1時間→3分に。年間で換算すると約250時間(約1か月分の労働時間)を削減しました。
担当者が不在でも誰でも実行できる仕組みとなり、属人化も解消されました。
300名分の勤怠チェックを自動化~ミスが「月30件→0件」に
人事部では、300名分の勤怠データを手作業で確認していました。VBAを導入し、特定条件に該当する行を自動抽出・色分けするマクロを作成。
結果、確認作業は1人あたり2時間→15分に短縮。人為的ミスはなくなり、修正依頼件数は月30件→0件に。「気づけば確認に追われる日々がなくなっていました」と担当者も語ります。
経理レポートを自動生成~残業15時間→3時間に
経理部門では、各支店から送られてくる経費精算書を集計し、月次レポートを作成していました。従来は5名体制で3日かかっていましたが、VBでAccessとExcelを連携し、支店別レポートを自動生成するスクリプトを構築。
その結果、作業は1人・半日で完了。月末の残業時間は平均15時間→3時間に減少しました。
文法より「業務目的」から入る~VB学習で挫折を防ぐ
VBは強力な味方ですが、最初の一歩でつまずく人が多いのも事実です。
主な原因は次の3つです。
- コードが読めない
- エラーの原因が分からない
- どこまでできるかイメージできない
これを乗り越えるコツは、「文法より目的から入る」こと。「この業務を10分短縮したい」「この表を毎回自動更新したい」そんな「目的ベースの学び」が、VBを使いこなす最短ルートです。
1本のマクロで仕事が変わる~小さな自動化から始めるVB活用
「いきなり高度なプログラムは無理」と思う人も多いでしょう。でもVBの魅力は、小さな成功体験を積み重ねられることにあります。
- 日報を自動生成
- フォルダ内のExcelファイルを一括結合
- エラー値を自動検出して色付け
最初は「マクロの記録」機能からで構いません。1クリックで仕事が進む成功体験を重ねることで、自然とコードの意味も理解できるようになります。
VBが育てる「業務設計力」~自動化を超えた思考法
VBを学ぶことで得られるのは、自動化スキルだけではありません。業務の流れを「処理手順」「データの流れ」「条件分岐」として整理する、構造的思考力が身につきます。
この力は、将来的にPower AutomateやPythonなどの上位自動化ツールにも応用可能。VBは、「現場から業務改善人材へ」成長するための基礎言語です。
小さな1行から始まる仕組み化~VBで明日の余白を作る
VBは、プログラミングというよりも「現場知識を形にする手段」。一度動かせるようになれば、あなたの手間を何十倍ものスピードでこなす頼れる相棒になります。
「時間がない」「人手が足りない」と悩む前に、まずVBで「業務の仕組み化」を考えてみてください。今日の1行のコードが、明日の1時間の余白を生み出すかもしれません。
Visual Studio による Visual Basic プログラミング基礎
本研修では、Visual Studioを用いてVisual Basicの基礎を学び、実務での自動化や効率化に活かせるスキルを習得していただきます。
変数・制御構文・関数の使い方から、フォームの作成やデバッグ方法までを実践形式で学ぶことができ、初めてVBを扱う方にもわかりやすい内容です。業務に直結するプログラム作成力を身につけていただける構成となっております。
本研修のゴール
- Visual Basicを使用して、基本的なWindowsアプリケーションが作成できる。
- 変数、定数、メソッド、条件構造、ループ構造を使用したコーディングができる。
- クラスを定義し、オブジェクトを生成することができる。
- クラスの継承を使用して、クラスの再利用ができる。
- デバッグツールを使用して、効率よくデバッグができる。
対象者
- Windowsの基本操作ができる方
- キーボードからの入力がスムーズにできる方
- コンピュータの基礎知識をお持ちの方
セットでおすすめの研修・サービス
(初中級者向け)Excel研修~ゼロから学ぶマクロ・VBA基礎編
本研修は、プログラミングの経験がない方を対象にしたExcelマクロ・VBA研修です。
Excel業務の時短・効率化に、マクロ・VBAは大変有効なスキルです。
しかし、プログラミング未経験の人にとっては、初めて聞く単語や考え方も多く、習得が難しいと感じる方も多いようです。
本研修は講師の操作を見て解説を聞き、実際にExcelを操作しながら、書けるようになることを目標にします。
(半日研修)ChatGPTのはじめ方研修~触って学び、明日の業務を効率化する
昨今大きな話題となっている「ChatGPT」のアカウント作成から、すぐに業務への活用ができる使い方まで、半日で体験する研修です。
様々な活用方法が世界中で議論されているChatGPTですが、まずは日常業務をよく知る現場のビジネスパーソンの方こそ、ChatGPTを使いこなすことですぐに成果につなげることができます。対話型のAIから期待を超える回答を引き出すには、コツや技術が必要であり、その技術は日々模索されている状況です。
本研修でいろいろなケースを想定して質問を投げかけてみることで使い慣れ、業務への活用を具体的にイメージしていただけます。
タイムマネジメント研修~仕事を効率的に進めるための時間管理を学ぶ
限られた時間の中で業務効率を高め最大限の成果を上げるための方法を、PDCAサイクルに沿って習得する研修です。
1日のスケジュールを振り返ることで自身のワークスタイルを分析し、現在の課題をご認識いただきます。
そして業務を効率的に遂行するための計画の立て方、優先順位のつけ方、効率の良い仕事の仕方を習得いただきます。




