銀子
「リーダーシップ」は古くからある言葉ですが、今でも研修の必要があるテーマですか?
I氏
はい。特に働き方改革が推進されている現代では、求められるリーダー像が大きく変化しており、現在は年間受講者数が約6,000名いらっしゃいます。部下のタイプや働き方が常に変化している世の中なので、いつの時代も求められる定番の研修ですよ。
銀子
リーダー像は、どのように変化しているのですか?
I氏
従来は、ぐいぐい引っ張る「俺について来い」タイプのリーダーが多かったのですが、今は「サーバントリーダーシップ」と呼ばれるリーダー像が主流です。
銀子
サーバント?召使いですか?
I氏
そう、そのサーバントです。最近は人の価値観や生き方が多様化して、社会のニーズも変わり続けています。組織も時代に即した柔軟な対応が求められるので、リーダーはメンバーの多種多様な発想を理解し、まとめる必要があります。そこで、メンバーが柔軟な提案をしやすい場を作り、耳を傾け、主体的な動きを支えるようなリーダー像が望まれるようになったんです。このような「奉仕型」リーダーの考え方を「サーバントリーダーシップ」と言います。
銀子
リーダーって大変なんですね...。実務もあるのに、メンバーの成長を支えるなんて。リーダーにもいろんな性格や向き不向きがあるでしょうに。
I氏
インソースでは、リーダーのタイプを大きく4類型に分けています。自分の方針や発想に自信を持ち命令する「牽引型」。論理性・説得性を重んじ、合理的な根拠から指示を出す「緻密型」。メンバーの意欲・提案を尊重し、対等な立場で部下の成長を支援する「奉仕型」。そして、計画性・段取りを重視し、正誤をハッキリ指導して個人と組織の成長を調和させる「ビジョン型」です。大体のリーダーがこのいずれかのタイプに当てはまります。
銀子
ちなみに、理想的なタイプは4つのうちのどれなんですか?
I氏
あくまでも個人的な意見ですが、リーダーのタイプはどのタイプでもいいのではないかと思っているんです。人それぞれのリーダーシップの発揮方法があるじゃないかと。自分のタイプ(傾向)を知っておくと、強みや弱みを把握できてリーダーとして魅力的になると思います。
銀子
え!そうなんですか?
I氏
はい。私は、リーダーシップとは「影響力」のことだと考えています。リーダーはメンバーに方向性を共有し、働きやすい環境を整え、実務で模範を示し、チーム内の主体的な士気を高めなくてはなりません。そのために研修では、発言の引き出し方・日常の声掛け・ほめ方・叱り方など具体的な手法を学びます。リーダーがどのタイプで、実務内容に違いはあっても、チームに良い影響を与えなければならないという根底の役割は変わりませんから。
銀子
どんなタイプのリーダーにも役立つ研修なんですね。では、どんなお客さまであっても、研修内容は同じなのでしょうか?
I氏
いえ、研修内容については、お客さまのお話をじっくり聞いたうえでカスタマイズしてご提案します。というのも、こちらから無理やり先に提案してしまうと、お客さまが流されてしまってニーズに合わないものになることがあるんです。また、たとえばお客さまが新しいタイプのリーダーシップ研修を強く導入したがっていても、話をよく聞いてみると実態にそぐわないという場合も結構あります。そのため、何度も相談を繰り返して、業務内容・構成メンバー・リクエストなどを考慮し、実践的な研修になるようにします。
銀子
なるほど。そうやって皆様に最適な研修を提供するんですね。それでも、これからリーダーになるような受講者の方は不安も多そうですが...。
I氏
そうですね。確かに研修前は「自信がない」「どうしたらいいか分からない」と気が重そうな受講者様もいらっしゃいます。でも、立ち振る舞いや指導などのテクニックを研修で学んだら、あとはいつも通り誠実な仕事をしていればいいと思います。研修終了時には、「明日から1日に1度部下をほめます」「これからはメンバーの眼を見て挨拶します」などと具体的にやることを決めて、明るく帰られる方が多いんですよ。そのギャップが本当にうれしくて、この仕事をやっていてよかったと感じる瞬間でもあります。リーダーになったばかりで不安な方や、改めてやり方を見直したい方には、ぜひご受講いただきたいですね。
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組織に貢献する「一人ひとり」に影響を与えるリーダー。少々気が重そうですが、こうした気持ちをポジティブに切り替え、最新の情報や手法を得る方法が研修なのだとわかりました。不安な部分の勉強がいつでもできるなんて、日本の社会人は幸運ですね。
研修担当者の虎の巻
「そもそも研修ってどういうもの」「担当になったら何からやるの」など、研修ご担当者になったらまずは読んでいただきたい内容をまとめてご紹介しています。