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ハラスメント防止の3段階のアプローチ~あなたの組織は、どの段階まで対策しましたか?

ハラスメントのない職場は、誰もが安心して力を発揮できる環境の土台となります。近年は法改正や社会全体の意識の高まりを背景に、企業に求められる対応も変わってきました。単なる義務としてではなく、組織の健全な成長を支える取り組みとして、ハラスメント防止をどう進めるかが重要なテーマになっています。

思い込みがもたらすリスク

ハラスメントは、「分かっているつもり」という思い込みから生じることがあります。例えば「これくらい言っても大丈夫だろう」という認識が、実は「過小すぎる」判断である可能性があります。

一方で、ハラスメントを恐れるあまり、指導を避けるような「過大すぎる」配慮も、健全な関係を阻害する要因になりかねません。部下との接点を避けることは、成長の機会を奪うことにも繋がります。適切な指導は、部下の成長を促す上で大切な要素です。

見落とされがちなハラスメントの兆候

上層部が「特に騒ぎがないから大丈夫」と安心しているケースも、潜在的なリスクを抱えているかもしれません。また、加害者が「信頼関係が築けている」と豪語するのも危険な兆候です。

何よりも重要になるのは「ハラスメントの基準は、受け止める側の感じ方によって決まる」という視点です。自身の言動を客観的に振り返り、相手がどのように受け止めるかを想像する習慣を持つことが、良好な職場環境を築く第一歩となるはずです。

成果を上げる組織へと導くハラスメント防止の3段階のアプローチ

インソースでは、年間56,235名(2023年10月~2024年9月実績)へのハラスメント防止研修や、お客様へのヒアリングを通じて、組織におけるハラスメント対策には「1.0」「2.0」「3.0」という段階があることが分かりました。

これは、ハラスメント対策の成熟度に合わせて段階的にアプローチすることにより、効果的にハラスメントを防止し、最終的には「成果を最大化できる健全な職場環境を築くことが可能になる」という考え方です。ここでは、そのステップを具体的に見ていきます。

ハラスメント1.0:まずは「ハラスメントを知る」ことから始める

最初の段階として、ハラスメントの基礎知識をインプットすることが挙げられます。セクハラ、パワハラ、マタハラなど多岐にわたる種類を知ることで、「知らなかった」という事態を防ぐことに繋がります。そのためにも、全従業員がハラスメントの定義や多様な事例について学び、共通認識を持つことが、組織全体の理解を深める土台となるでしょう。

ハラスメント2.0:適切な指導で「ハラスメントを防ぐ」方法

ハラスメントがNGだと理解しても、具体的な部下との接し方に悩むことは少なくありません。裁判事例だけでは行動方法が分かりづらいのが実情であり、適切な指導方法を身につけることが、この段階での重要なポイントです。

具体的には、対等性、客観性、合理性、適切性、継続性を意識した指導方法の習得が必要です。また、指導には「叱った後のフォロー」も含まれるため、相談されやすい振る舞い方も習得することで、コミュニケーションを円滑化することも重要です。実践的な対応力を身につけるためにも、具体的な部下指導の手法を学び、様々なグレーゾーンについて演習と討議を重ねることが有効でしょう。

ハラスメント3.0:ハラスメントが起きない「成果が上がる組織へ」

目立ったハラスメントが減ったとしても、コミュニケーション不足で停滞感が漂う職場もあるかもしれません。特に、上司が部下に腫れ物に触るような接し方をしてしまうと、結果的に成果が上がらない状況に陥ることもあります。

こうした場合に求められるのは、根本的な関係性の強化です。まず、信頼や承認の土台が築かれているかを確認し、部下が納得できる組織文化や理念が浸透しているかを見直すことが重要です。

さらに、部下の力量に応じた業務配分も欠かせません。ただ優しいだけでは部下の成長を促せないため、成果が上がる采配を意識することが求められます。

組織を次の段階へと導く鍵として、組織文化の見直しと、信頼関係を深めるコミュニケーション、そして適切な業務配分を実践することが挙げられます。

状況を可視化する、ハラスメントリスクアセスメントの活用

組織に内在するハラスメントリスクは、数値化が難しいと感じることもあるかもしれません。そこで有効なのがアセスメントです。従業員の意識や行動の有無を可視化することで、潜在的な問題を把握できます。

具体的な数値をもとに課題を明らかにすれば、啓発活動や教育の効果をより高めることができます。現状に合わせた対策を立てやすくなり、既存の防止措置も実践的に強化できるでしょう。
また、自身がアセスメントを受検すること自体が、ハラスメントに関する知識や認識をアップデートする機会となります。

多様なハラスメントが存在する現代において、継続的な学びは、組織と個人の双方にとって欠かせない要素です。持続的な改善への道を開くためにも、定期的にハラスメントリスクアセスメントを実施し、組織の健全性を客観的に評価することが重要です。

ハラスメント防止研修

ハラスメント防止研修

ハラスメントのない職場は、心理的安全性が高く、成果を最大化できる組織へと繋がります。これは一時的な取り組みではなく、継続的な改善が求められる領域です。

インソースは、貴社の「組織の健康」を育むパートナーとして、「多岐にわたるハラスメント防止教育プログラム」と「現状把握のためのリスクアセスメント」を提供しています。

貴社の状況に合わせた最適なアプローチで、より良い職場づくりを支援してまいります。

研修の特徴・目的

  • ハラスメント防止における「攻め」のマネジメント
  • ハラスメントに関する知識を常に更新する
  • 職場におけるハラスメント防止対策

>ハラスメント防止研修まとめはこちら

セットでおすすめの研修・サービス

上記コラムで解説した「組織におけるハラスメント対策の成熟度別」に、おすすめの研修をご紹介いたします。

ハラスメント1.0:「ハラスメントを知る段階」におすすめの研修

ハラスメント2.0:「適切な指導でハラスメントを防ぐ段階」におすすめの研修

ハラスメント3.0:「ハラスメントが起きることなく成果が上がる組織への段階」におすすめの研修

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