株式会社インソース 代表取締役 執行役員社長
舟橋 孝之(ふなはし たかゆき)

自分の弱さの乗り越え方|経営の方法論11

自分の弱さの乗り越え方|経営の方法論11

※上記画像は生成AIで作成|AIのビジネス活用ならインソースのAI・DX推進サービスへ

リーダーは常に重圧のかかる仕事です。しかし重圧の元でも、冷静で泰然としていることが良い結果につながります。しかし、これはなかなか難しく、かく言う私も弱い存在であり、現に何度も弱さに押しつぶされてきました。自らの経験から弱さを乗り越える対処法を書いてみました。

自分の弱さを克服する6つの方法

  1. 大切な「誰かのために」で弱さを克服する~部下のため、顧客のため
  2. 早くスタートして早く失敗する~今回しくじっても世界は終わらない
  3. 自分の過去の過酷な経験を糧にする
  4. ルーティンを確立し、立ち止まらない
  5. 気分転換を工夫する~ちょっと頑張ればできることをみつけてやる
  6. 心身共に健康に保つ

1.大切な「誰かのために」で弱さを克服する~部下のため、顧客のため

「母は強し」という言葉がありますが、誰かのために強くある、というのは、弱さを克服するシンプルな方法だと思います。

部下のために

私がなんとか働けているのも、住宅を購入する社員が増え、その住宅ローンの返済が心配なのが大きな理由です。会社が左前になって給料が減れば、たちまち彼らがローン返済に窮してしまいます。

銀行員時代、お勤めの企業の業績が悪化した結果、ローン返済ができなくなった方を多く見てきたので、業績を落とせない思いが強くあります。社員が経済的に困らないことをテコに弱さを克服していると言えます。正直なところ、高額な住宅ローンは組まないで欲しいと思っていますが。

顧客や信頼し任せてくれた人たちのために

就職当初、まったく仕事ができませんでした。またインソースの創業期、まったく仕事がありませんでした。そんな自分が長い年月働いてきて、やっと仕事を任せていただけるようになりました。私は今、強く考えます「ここで投げ出したら、信頼して任せてくれたお客さまや周囲の人に申し訳ない。信頼してくれたのに」と。これが弱さ克服の最大の原動力です。

2.早くスタートして早く失敗する~今回しくじっても世界は終わらない

弱気になって、うじうじ考えているうちに時間が経過し、勝てるチャンスを逃す。私にも何度もこんな経験があります。会社の仕事で失敗しても、命まで取られることはありません。慎重に準備するのは良いとして、思い切ってやってみて、ダメなら早く失敗する。失敗が早ければ、挽回のチャンスはあります。失敗を糧に次のチャンスで勝てばいいだけです。自分の弱さから決断が遅れれば、まず勝てません。

3.自分の過去の過酷な経験を糧にする

「これはキツかったな」という自分の経験を思い起こします。現に今、皆さんはしっかり生きているのですから。その経験は乗り越えたと言えます。これも弱さを乗り越える方法です。

高校生時代の美術部の経験

私は高校生の時、絵を書いていました。今では考えられませんが、夏の合宿ではF30号(約90センチ×約70センチ)というかなり大きなキャンバスに油絵を1日に5枚、4日間で20枚描くことを平気でやっていました。最初は「これは無理だ」と思うのですが、仲間と一緒に油にまみれて描いていると不思議とできるようになりました。

2025年8月5日付日本経済新聞朝刊「私の履歴書」で高津高校美術部の先輩である森村泰昌氏が三重県波切でのハードな合宿のことを書かれています。『なんというか、精神的なエアポケットにはまり込んだような快感が味わえたのだった。体力的には限界だったけれど、精神状態は意外なくらい明るく、そして落ち着いていた』

巨匠と私ではレベルの差はありますが、同様の経験ができたのは幸いでした。

銀行員時代の経験

銀行に勤めていた頃も大変しんどかったのを覚えています。当時の金融機関は、いろんな意味で仕事に完璧を求める組織でした。抜けたところがある私は、ミスばかりで、いつも追い詰められたような感覚の中で仕事をしていました。「これはまず無理ちゃうのかな」と思う時は、高校時代を思い出し、なんとかなるんじゃないかと考え、乗り切っていきました。

そして、起業した後は、大変だった銀行員時代を思い出し「あの時よりはまし」と考え、なんとかやっています。ただ、リーダー、特に50代以上のみなさんは、自分と同じ過酷な経験を部下に課してはいけません。あくまで、「自分のために自分の経験を振り返る」のに使ってください。時代が違いますからハラスメントと言われかねません。難しいものです。

4.ルーティンを確立し、立ち止まらない

毎日、毎日、決まった通り、多くの仕事をこなす。これが弱さの克服になります。何度も何度もその仕事に向かい、何度も何度も考え、何度も何度も達成する。このルーティンを確立すれば、自然体で仕事に向かうことができます。自分の仕事を熟知し、仕事に向かえば逡巡する弱さが克服できます。

軍隊では前線から帰った後も、完全に現場から抜けるわけでなく、トレーニングや演習を継続します。完全に現場を離れてしまうと逆に、恐怖心が強くなるからです。ルーティンとして仕事を続けることで、心に隙が生まれるのを防ぐのです。

5.気分転換を工夫する~ちょっと頑張ればできることをみつけてやる

20代の頃、毎週日曜日の夜、1週間分のワイシャツのアイロン掛けをやっていました。アイロンでワイシャツのシワを綺麗に伸ばすには、ちょっとしたコツがいります。また、1枚あたり15分程度、集中する必要があります。これが、とても良い気分転換になりました。「仕事はできないけど、アイロンは綺麗にかけられる」この事実が、心の平安につながりました。
こういった「ちょっと頑張ればできること」を見つけて、ルーティン化し、気分転換を図ることは心が弱るのを防ぎます。

6.心身共に健康に保つ

私が弱気になるのは寝不足の時です。皆さんもそうじゃないでしょうか?「体が弱っているために心も弱くなる」「心が弱っているから体も弱る」こういうことが循環するのが、人なのではないでしょうか。不摂生をやめ、体に良いものを食べ、適度な運動をし、早めに寝るのを心がける。これが弱さを乗り越えるコツかもしれません。私の知っている経営者でも、成果を上げている人は、筋トレを定期的に実施し、睡眠時間をたっぷり取るために早寝、という人が多いような気がします。私も同様にしています。これが最も簡単な心の弱さを乗り越えるコツかもしれません。

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<本記事の筆者>
株式会社インソース 代表取締役 執行役員社長
舟橋 孝之(ふなはし たかゆき)

1964年生まれ。神戸大学経営学部商学科卒業後、株式会社三和銀行(現・株式会社三菱UFJ銀行)に入行し、システム開発や新商品開発を担当。店頭公開流通業で新規事業開発を担当後、教育・研修のコンサルティング会社である株式会社インソースを2002年に設立。2016年に東証マザーズ市場に上場、2017年には東証第一部市場(現プライム市場)に市場変更。

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