最低限のグローバル~ドメスティック企業でも大事|経営の方法論17

※上記画像は生成AIで作成|AIのビジネス活用ならインソースのAI・DX推進サービスへ
インソースの売上は、ほぼ100%が国内市場向けですが、私は毎日毎日、グローバルを意識して働いています。というか、働かざるを得ないのです。この感覚を経営幹部を目指すマネージャーのみなさんと、ぜひ共有したいと考えています。
米国市場をウォッチするのが日課です
私は歳のせいなのか、毎晩夜中に目が覚めます。そんな時は必ず、米国の株式市場の株価の動きをチェックしてしまいます。それは、プライム上場のインソースの株価は、米国株の動きと連動しているからです。S&Pが下落すれば、日本株も同様に下落することが多いのです。投資家というか、株主の行動は米国市場で決まり、日本市場にほぼ波及するのです。インソースの株価は、米国の教育サービス提供企業の株価とも連動しているようです。
定点観測は役に立つ~うまくいけば資産形成も
定点観測をして相場感を持つことは、購買の意思決定をしなければならないマネージャーにとって重要です。株式相場にかかわらず、人材募集、不動産賃貸・購入、はたまた生鮮食品購入に至るまで、相場観を持たずに購買決定はできません。そういった相場観を育てるのは定点観測です。毎日数字をチェックすることで、なんとなく価格変動がわかり、適切な価格、購買タイミングがわかります。
定点観測は自らの資産形成をするためにも活用できる習慣です。私は日経平均株価を毎日定点観測しています。が、最近、なんとなく上下の予測ができるようになってきましたよ。
業績面でのグローバル対応の第一歩は米国の行動予測から
業績面でのグローバル対応力はグローバルな市場、特に米国市場がどう動いていくかを予測し、今後マーケットがどんなシナリオになるかを、早くつかむ能力が重要だと考えます。40代以上がグローバルを勉強するなら語学より、マーケットの勉強が得策です。
具体的には、日本で得られる米国市場のニュースを頭に入れると同時に、自分独自のアンテナを持つべきです。私の場合、米国市場に上場する同業者の業績や、株価推移をウォッチすることで、市場シナリオを予測しています。
トランプ再登場でどうなるかなと考えていましたが、ペドケオ・エデュケーションなど、教育サービスを提供する各社の株価は軒並み上昇しているので、米国ではトランプ新大統領が、競争力強化の一環として社会人教育政策を検討していると推測しています。米国の行動を見て、日本でも同様の政策が実施される可能性が高いと考えています。
グローバルルールはしっかり、早く知る~ガバナンスコードを英文で読む
2016年にインソースは上場したので、コーポレートガバナンス・コードを日本語と英語でじっくり読みました。もちろん、英語は極めて精巧な自動翻訳機能のお世話になりました。コーポレートガバナンス・コードは、日本企業の経営効率や収益性の低さが国際的に課題とされたため、東京証券取引所が2015年に導入したものです。企業統治(ガバナンス)に関する原則や指針を定め、上場企業が健全で持続可能な経営を行うことを目的とした指針として策定されました。
英文で読むと、ニュアンスが日本語版と違って大変生々しい内容で、いかに社長の給与を抑えるか、とか、どうやって社長の首をすげ替えるか? などとも読めるもので、『上場企業の社長と言っても、せいぜい株主から見れば、使用人頭程度のものなんだな』と軽く衝撃を受けました。「上場ゴール」ではなく、「上場罰ゲーム」だと実感した瞬間です。これが現実なんでしょう。
グローバルルールは迅速に対応するが吉~作戦勝ちで外国人株主が増える
上場企業は、欧米が決めた金融規制・ルールに、遅かれ早かれ従わざるを得ません。それならと、継続して利益を上げる、社長自らの退任ルールを作る等、徹底的にガバナンスコードに従って経営してきました。また、海外の株主からの強い要請もあり、ESGには全力で対応しました。その結果、長期に株式を保有してくれる外国人株主が大幅に増えました。
「英国現代奴隷法」って知ってますか?~海外ルールは要注意
英国で2015年に制定された「現代奴隷法(Modern Slavery Act 2015)」は、企業に対し、サプライチェーン上の人身売買、強制労働、性的搾取の防止策を報告することを義務付けています。この法律は、英国で事業を行い、全世界で年間売上高が3,600万ポンド(約71億円)以上の企業を対象とした法律です。日本には奴隷はいないし、うちは国内市場を対象とした企業なので関係ないと思われそうですが、この英国の法律に対応することは企業にとって重要です。
上場企業、特に大企業なら、ESGの社会(S)課題対応として、社内での管理強化、対応状況のWebサイトでの開示などが必須です。これだけではなく、対応すべき海外のルールや開示すべき事項は、各業界多数あります。日本で仕事をしていても要注意です。
経営者を目指すみなさんへ~グローバルに気をつけろ!
新しいルールは、ヨーロッパで作られることが多い気がします。EUは自分たちが先行してルールを作って、稼ごうとしているのかなと勘ぐってしまいます。みなさんがステップアップする中で、ビジネス面、コンプライアンス面の両方からグローバルには注意してください。特にコンプライアンス面は、国内の前例踏襲で仕事をしていたら、「未知のグローバルルール」に足をすくわれてしまいます。面倒でも情報収集をして、対応していきましょう。
情報収集の際はグローバルに展開する法律専門家であり、インソースの顧問弁護士事務所である、森・濱田松本法律事務所からのニュースレターなどがとても役に立っています。
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<本記事の筆者>
株式会社インソース 代表取締役 執行役員社長
舟橋 孝之(ふなはし たかゆき)
1964年生まれ。神戸大学経営学部商学科卒業後、株式会社三和銀行(現・株式会社三菱UFJ銀行)に入行し、システム開発や新商品開発を担当。店頭公開流通業で新規事業開発を担当後、教育・研修のコンサルティング会社である株式会社インソースを2002年に設立。2016年に東証マザーズ市場に上場、2017年には東証第一部市場(現プライム市場)に市場変更。



