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4つのプロセスでお互いが納得する交渉を実現する!

戦略的交渉において必要なことは巧みな話術での駆け引きではなく、自身の思考の癖を把握した上で相手と対話し、他者視点を持って相手が納得できる交渉のストーリーを作ることです。 交渉を自分と相手がお互いに納得する形でまとめるためには、以下4つの交渉プロセスを意識することが重要です。

握手

  1. 相手の主張のヒアリング
  2. 相手の主張の整理とそれに応じた自分の主張と譲歩の整理
  3. 相手の譲歩の引き出しと合意
  4. 合意できなかった場合の代替案の提示

もっと詳しくご紹介します。

プロセス1.相手の主張のヒアリング

人と対話するとき、つい自分の意見を最初に話していないでしょうか。 相手の意見を傾聴するところから対話を始められるかどうかは、関係性を築くうえで重要なポイントです。

人は「自分の思いを聞いてくれた」と感じたとき、初めて相手の言い分に聞く耳を持ちます。 交渉で往々にして起こりがちなのは、権力行使によるパワーゲームです。 会社の命令だから、上長の命令だからと、互いを理解するプロセスを飛ばして組織側の希望を通そうとしていないでしょうか。 これでは仮に要求が通ったとしても、禍根を残してしまいます。

交渉学では「評価・断定・否定をしない」ことが鉄則です。 相手の言い分をそのまま受け入れることは難しくても、最初から突っぱねてはいけません。 ただし、傾聴だけでは前に進まないので、問いかけも重要な要素です。 相手の話にしっかりと耳を傾け、問いかけを重ねながら、最終的には相手が納得したうえで別の道を模索するのが交渉の王道です。

プロセス2.相手の主張の整理とそれに応じた自分の主張と譲歩の整理

交渉や説得がうまい人は、交渉の構造を捉える視点がしっかりしています。 構造が描けるからこそ、相手の想定する「落とし所」を的確に見極めたり、 新しい論点(争点)を提示することで一見ZOPA(Zone Of Possible Agreement:交渉可能な範囲)がないように見える交渉でもZOPAを創出し、Win-Winの結果を導き出せたりします。

プロセス3.相手の譲歩の引き出しと合意

実際の交渉では、交渉者が最初から目標値を相手に表明していくとは限りません。 つまり、最初の言い値は、その後の譲歩分を予め織り込んで、目標値プラスアルファの値を言ってみることがしばしばあります。 こうした行為は、交渉ではごく一般的に見られることで、アンカリング(Anchoring)と呼ばれており、そのようにして表明された点はアンカー(Anchor)と呼びます。

仮に交渉開始の時点は不明なものがあったとしても、一応の仮説を立てて補っておきます。 また、この点は決して不変のものではなく、交渉が進むにつれて変わる可能性があります。 状況を常に客観的な目で観察しながら柔軟な変更を行う必要があります。

プロセス4.合意できなかった場合の代替案の提示

双方の利害関係や共通の目標・利益に注意を払いつつ交渉を進めても、話がうまくかみ合わないことはあります。 そこで用意しておくべきなのが代替案(Alternative)です。 「最善の代替案」(Best Alternative to a Negotiated Agreement)、略してBATNA(バトナ)の用意が有効です。

代替案として用意すべきなのは、合意するラインを下げたり、他の提案をしたりすることだけではありません。 双方の利害関係や共通の目標・利益を確認する中で、相手の態度があまりにかたくなであったり、誠実さに欠けていたりする場合は、 三方よし(自分よし、相手よし、社会よし)の関係を築くことができないと判断し、「交渉を打ち切る」ことも必要になってきます。 そのような対応ができないと、相手から一方的に搾取され続けることも起こりえます。

「あなたがそう出るのなら、私たちはこのように対応します」という意思表示こそ、BATNAなのです。

交渉力向上研修(実践編)~4つのプロセスで商談を合意に導く

交渉力向上研修(実践編)~4つのプロセスで商談を合意に導く

ここまでで見てきた4つのプロセスを実践することで、交渉が苦手な人でも突破口が見えてくるのではないでしょうか?

商談を合意に導くために、さらに詳しく「事前準備」の部分、自分の交渉をより計画的に、自分の提案の根拠をより高めるために必要なことを習得いただける研修をご紹介します。

相手の主張を真摯に聞き、整理し、譲歩を引き出し、最終的には合意できない場合の代替案を提示することで、Win-Winの結果を導き出すことが可能です。

到達目標

  • 交渉に臨む前に主張する点と譲歩可能な点など、こちら側の提案内容を事前に整理できるようになる
  • 相手の話を自分の言葉に置き換える、相手の主張点を掘り下げることができる
  • 自分と相手の主張を「核心」(重要事)「周縁」(条件があえば許容可能)で仕分けすることができる。相手に対する譲歩のポイントを考えることができる
  • 相手に自分の提案内容をよりメリットを感じさせる形で表現できるようになる

よくあるお悩み・ニーズ

  • 交渉を行う際の事前準備のポイントを学びたい
  • 交渉において、互いの主張を言語化し、整理できるようになりたい
  • 相手にメリットを伝えるための表現力を身につけたい

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セットでおすすめの研修・サービス

【全力解説】相手と対立しない交渉力強化研修~互いの利益を最大化するテクニック

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交渉というと、どうしても勝ち負けを意識してしまう方が多くいらっしゃいます。結果、自分(たち)ばかりのメリットを意識してしまい、交渉が不調に終わってしまいます。

「お互いの利益の総和の最大化」が目的ということを認識いただくための研修です。

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交渉力向上研修~ネゴシエーションスキルを上達させる

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①事前調査(根回し)、②交渉のゴールの明確化とシナリオ作り、③実践の手順で交渉の手法を学んでいただきます。

実際に起こりうる状況を想定した実践的なロールプレイングを行なうことにより、学んだスキルの活用方法が体得できます。

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ディベートで鍛える説得力強化研修

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相手を説得することは、口論でも相手を否定するものでもありません。自分の主張を、他者が納得し得る「根拠」や「データ」を背景に、論理的に相手を理解に導くことです。

実際にひとりディベートやグループでのディベートの演習を実施することで、ビジネスの場面に必要な説得力を習得していただきます。

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説明力向上研修~管理職が遭遇する、タフな状況での説明力を鍛える

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管理職に説明力が求められるシーンを想定し、説明するための心構えとスキルを習得する研修です。

社内のステークホルダーに協力をいただくための説明やその準備ができるようになるのが到達目標です。

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