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コンプライアンス違反を防ぐには?SNS投稿や職場のプレッシャーに注意

コンプライアンス違反は、企業の規模や業種を問わず、誰にでも起こりうるリスクです。特に、SNSでの不用意な投稿や、職場の「断れない空気」が原因となるケースが増えています。

本記事では、実際に起きた3つの事例をもとに、なぜ違反が起きたのか、そして未然に防ぐためにどのような意識が必要かを解説します。

身近な違反が企業を倒産に導く~動機・機会・正当化の3要素

業界問わず、身近なところから重大なコンプライアンス違反が発生しています。企業の信頼を損なう行為により会社が倒産したケースもあります。

食品業界のコンプライアンス違反事例

  1. 消費期限や賞味期限の改ざん
    • 期限が切れた食品のラベルを貼り替えて販売
  2. 期限切れ食材の使用
    • 廃棄すべき食材をコスト削減のために使用
  3. 仕入れ業者の不正
    • 供給元が意図的に期限切れ食品を混ぜて納品
  4. 内部告発による発覚
    • 従業員が告発し、違反が明るみになる

コンプライアンス違反が起こる原因3つ

こうした重大な違反は、特殊な状況だけで起きるわけではありません。多くの場合、以下の3つの条件がそろったときに、不正が起こりやすくなるとされています。

  1. 動機・プレッシャー
    • ロスを減らしたいという判断
  2. 機会の認識
    • 管理体制の不備
  3. 正当化
    • 他もやっているという意識の低さ

この3つの要素は「不正のトライアングル(Fraud Triangle)」と呼ばれています。このうち、「機会の認識」は会社の制度や仕組みに影響されるものであり、「動機・プレッシャー」や「正当化」は、個人の価値観や心理的な状況から生じるものです。

これらの要素は、業種や職種に関係なく、どの企業・組織にも潜むリスクです。つまり、これは食品業界だけの問題ではなく、みなさまの企業・組織や個人でもおこりえる事象です。「うちの会社は関係ない」と思わず、自分の組織や行動を改めて見直すことが重要です。

社員のSNS投稿が情報漏えいの原因に~不注意では済まされない

SNSを通じた情報漏えいは、近年特に増加しており、コンプライアンス違反の代表的な事例となっています。SNSは情報が瞬時に拡散する特性があるため、企業・組織や個人が不注意で行った投稿が、重大なトラブルにつながることがあります。

SNSから情報が漏えいした事例

  1. 機密情報の漏えい
    • 新製品の仕様などの情報を、従業員が誤って投稿
  2. 顧客情報の流出
    • 顧客リストや個人情報を不用意に投稿
  3. 不適切な言動や行為の拡散
    • 飲食店やコンビニなどで、従業員が悪ふざけの様子を投稿し炎上
  4. 業務上の行動の発信や中傷や批判
    • 社内会議の内容や社内の悪口の発言などの投稿

情報漏えいが起こる原因4つ

  1. SNSの影響力や拡散の速さを理解していない、意識の欠落
  2. 誤って重要な情報が写り込んだ画像や投稿した内容の確認不足
  3. SNSの利用ガイドラインが整備されていない、ルールの不備
  4. 職場の不満などを感情的に投稿しストレスや不満を発散

SNSは便利なツールですが、その即時性と拡散力が企業にとって大きなリスクになることがあります。誰もが情報発信者になりうるという意識を持ち、企業や組織全体でルール作りと教育を徹底することが、コンプライアンス違反の防止に不可欠です。

断れない空気が生むコンプライアンス違反~職場のプレッシャーに注意

企業や組織内でのコンプライアンス違反は、明らかな悪意からではなく、「プレッシャー」や「上下関係」によって生じるケースが少なくありません。本来なら違法・不正と認識している行為でも「仕方がない」と判断し、違反に手を染めてしまう事例があります。

追い込まれて断れない状況から起こった事例

  1. 上司や取引先からの圧力
    • 強いプレッシャーを受け、断れずに違法行為に加担
  2. 時間的なプレッシャー
    • 焦りや緊急対応が求められる状況で、冷静な判断ができなくなる
  3. ノルマや業績重視のプレッシャー
    • 営業ノルマや売上目標が過剰になると、違法行為が発生
  4. 職場の空気や慣習
    • 不正行為が組織内に根付いている

断れないから仕方がないという状況は、誰にでも起こり得ることです。そのため、企業や組織は、プレッシャーがかかる状況でも、不正をしないための環境づくりを進めることが重要です。問題があれば上司や第三者に相談できるという安心感が従業員に根付く環境を整えることです。

(2時間研修)事例から学ぶコンプライアンス研修

コンプライアンスへの意識を高めるために、具体的な違反事例を用います。事例を自分自身に置き換えて、「身近な所に潜むコンプライアンス違反の危険」を自分事としてとらえます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • コンプライアンス違反の具体的な事例を知りたい
  • 違反をするとどのようなリスクがあるのかを知り、コンプライアンスに対する意識を高めさせたい

本研修の目標

  • コンプライアンス違反の危険性を理解する
  • リスクを自分ごととしてとらえコンプライアンス違反を未然に防ぐ

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