2020年8月28日
2020年4月末時点の女性社長の比率は、全国で8.0%となっていることが、帝国データバンクの調査で明らかとなった。女性社長比率は緩やかな上昇傾向で推移してきたが、20年ぶりに前年比横ばいとなった。
女性社長を経年でみると、30年前の1990年は4.5%、20年前の2000年は5.6%、10年前の2010年は6.8%と、女性社長比率は緩やかな上昇傾向で推移してきた。しかし、2020年は20年ぶりに前年比横ばいとなったほか、依然として女性社長の占める割合は1割を下回る低水準で推移している。
就任経緯をみると、女性社長は「同族承継」(50.6%)による就任が最も高かった。しかし、2019年(50.8%)と比較すると割合は僅かに減少した。
前年から割合が増加した項目は「創業者」(35.3%)、「外部招聘」(1.5%)の2項目。特に「創業者」は前年から0.2ポイント増加と僅かに増加したほか、就任経緯別では「同族承継」に次いで高い水準となった。男性社長と比較すると、女性社長は「同族承継」の割合が引き続き突出して高い半面、「同族承継」以外の就任経緯全てでは男性社長を下回った。
新任女性社長に注目してその就任経緯をみると、最も割合が高いのは「創業者」(62.9%)となり、前年(40.5%)の水準から大幅に上昇した。次いで「同族承継」(23.4%)、「内部昇格」(5.1%)が続く。
女性社長の就任経緯について帝国データバンクでは「依然として"同族承継"の割合が男性社長に比べ高く推移しているものの、両者の差は大幅に縮まった。また、"創業者"の割合は男性社長に比べて大きな差異はなかった。他方、"内部昇格"の割合は男性社長に比べて下回るなど、社内登用による女性社長就任は低水準にある」と分析している。
女性社長比率を業種別にみると、「不動産」(16.8%)が最高となり、30年前(1990年)から7.2ポイント上昇し、上昇幅も全業種中最大。次いで、「サービス」(10.8%)、「小売」(10.6%)と続き、B to C業種で女性社長比率が高い。
一方、「建設」(4.8%)の女性社長比率は1997年以降24年連続で全10業種中最低となり、全体(8.0%)からも大きく下回った。全10業種とも30年前から女性社長比率は上昇したものの、建設や製造など5業種では前年から横ばい、鉱業は前年から減少した。
【業種別 女性社長比率】
1位 不動産 16.8%
2位 サービス 10.8%
3位 小売 10.6%
4位 金融・保険 8.0%
5位 運輸・通信 7.0%
6位 卸売 6.9%
7位 鉱業 6.9%
8位 農林水産 6.0%
9位 製造 5.3%
10位 建設 4.8%
配信元:日本人材ニュース
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