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エビングハウスの忘却曲線

「エビングハウスの忘却曲線」とは、ドイツの心理学者H・エビングハウスによる「記憶に関する実験的研究」から発見された、記憶の忘却を表す曲線です。教育の現場では、この理論を利用した学習法がよく用いられています。

この実験では、無意味な単語をいくつか暗記させた後に再学習させ、一度記憶した内容を覚え直す時間をどのくらい節約できたか(=節約率)時間経過ごとに算出しました。暗記してから20分後に再学習した場合の節約率は約58%でしたが、1時間後では約44%、1日後では約34%と徐々に低下し、1ヶ月後では約21%になりました。

この結果から分かるのは、人は時間が経過するほど覚え直すのに時間がかかるが、早い段階で復習の時間をつくると効率よく暗記できるということです。反復を繰り返せばより短い時間で思い出せるようになり、記憶の定着率を高めることができます。忘却曲線に基づき、1回目の復習を翌日、2回目を1週間後、3回目を2週間後、4回目を1ヶ月後に設定するのがベストのタイミングとされています。

ビジネスの世界においては、学生のように丸暗記をしなくてはならない場面は限られますが、エビングハウスの忘却曲線を活用して個々の成長速度を上げることは可能です。例えば、日報の作成を通じてその日の業務を記録し、週報・月報作成のタイミングでまとめて振り返る習慣を身につけると、自身の業務にまつわるミスや成果、それに伴う上司の指示やアドバイスなどを長期間記憶にとどめ、深い理解につなげることができます。

また、社内で研修を実施したら、必ず振り返りの期日を設けましょう。例えば、研修の内容や職場での活用状況について、アンケート形式によるヒアリングを3カ月ほど繰り返すと、学んだことが定着します。
ハラスメントやITスキルなど知識の定着を促すには確認テストを目標に達するまで繰り返す、リーダーシップや管理職など行動変容を促すには1~3ヵ月間の行動計画を策定させ、定期的に実施結果を提出させるとよいでしょう。

人は覚えたそばから忘れていく生き物です。一度覚えたことを一か月間思い出さずにいると、ほとんどの内容を忘れてしまいます。しかし、「完全に忘れる前に思い出す」を繰り返せば、徐々に長期記憶として定着させることができます。研修管理の手間を省き、効果的に思い出させる仕組みをつくるには、専用のサービスを利用するのも一案です。

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