「成長企業の人材育成」

安藤弘一講師「管理職に求められる能力について」
 

成長企業におけるリスクマネジメントについて(個人情報保護)

 -最大の防御は普段からの徹底した社員の意識向上-


 

■内部統制意識の確立

経営の重要な要素として「ひと」「もの」「金」「情報」があげられますが、今日あらゆる企業にとって、保有する「個人情報」が、その取り扱いを含めて会社の盛衰を決するといっても過言ではありません。そこで、企業のリスク管理としての「個人情報」の取り扱いの重要性が強調されて久しいのですが、依然としてリスク管理の甘さからくる企業の損失が後を絶たないのが現状です。

実際に個人情報の漏洩に関する事故事例は実に多岐にわたっています。取引先からDM印刷用に預かっていた個人情報を、業務委託先の社員により不正に持ち出された大手印刷会社。顧客情報を私物パソコンから流出させた百貨店の外商担当者。さらには内部情報を流出させた職員の存在が発覚した某銀行などなど、個人情報漏洩による事件が後を絶ちません。

これらの事件はおおよそ大手企業によるものです。そこで、事件は一見すると大手企業に集中しているように感じます。しかし、報道されるものは氷山の一角に過ぎません。確かに大手企業の場合には知名度も高く話題性もあるため、マスコミ等で注目されて報道されます。報道されない大小の事件は相当数にのぼっています。

そこで、成長企業における個人情報漏洩のリスク対応にあたって留意しておかなければならない点があります。それは成長企業の場合には、リスク管理に限らずですが「内部統制」を理解する社員の意識性が乏しくなりがちであるということです。これは善し悪しの問題ではなく、社員の内部統制意識が、自社の事業の成長・拡大に追いついていないということです。

成長企業の場合には、全社的に先ずは事業の拡大に目が向いてしまうため、社員の間に「これぐらいは・・・」という油断が生まれてしまいがちになる傾向が強くあります。この状態を放置してしまうと「管理意識」が希薄なまま事業が拡大し、いざ内部統制の制度を確立しても運用する社員の意識が追いつかないという現状が生まれる危険性があるということです。事業の帰趨は「攻め」と「守り」のバランスです。内部統制の確立は、安心して「攻め」を展開する条件でもあります。

■リスク管理を5S活動の一環と捉える必要

内閣府の調査によると、情報漏洩元は事業者が約7割で業務委託先が約3割とのことです。また、実際に漏洩に関わるのは社員(派遣・アルバイトを含む)が約8割であり、意図的な漏洩は少なく、7割以上が本人たちの「不注意」によって発生しているとのことです。

たとえ本人の「不注意」であったとしても、漏洩によって発生する企業の損失は莫大なものとなります。企業が個人情報を流出させた場合には、当然のことですが"プライバシー権侵害"で損害賠償の請求の対象になります。もちろん損害賠償ですので、被害者と感じる人たちは、個人情報を流出させた当該企業の社員個人を直接訴えることもできます。しかし、現実問題として具体的な「個人」の特定は難しく、「使用者責任」がある企業を相手に損害賠償を請求するのが一般的になります。

もちろん、企業が流出をさせた社員個人に対して賠償を求めることはできます。その際の理屈としては、情報流出に責任のある社員に対して会社は「求償権」があり、"会社損害賠償の立て替え払い分を当該社員に返還請求できる"というものです。しかし、意図的な社員の行為であれば別ですが、個人の「不注意」によるものであるならば、この理屈には「天に唾する」ではありませんが、無理が生じてしまいます。そもそも社員の「不注意」を誘発させてしまったのは、企業の側に社員への「内部統制」意識を醸成していくための施策がないことが問題となると思います。

重要になるのは"いかにして「不注意」を防ぐか"なのですが、情報漏洩をはじめとするリスク管理で重要となるのは、日常的な業務行動の中での「5S活動」として意識づけを行っていくことではないかと思います。「5S活動」は得てして"生産現場の問題だろう"と思いがちですが、業務改善の一環であり生産現場だけの問題ではありません。社員の「不注意」の原因が職場環境にある場合も十分に考えられます。

また、「ハインリッヒの法則」(「ヒヤリ・ハットの法則」) で示されている「重大事故の陰に29倍の軽度事故と、300倍のニアミスが存在する」の周知徹底も重要になります。社員の意識醸成には、日常業務行動の相互チェックなどを通した「このくらいは大丈夫だろう...」と高をくくっていることが、「会社存亡のリスク背負い込む」ことになるという、危機意識を全社的に共有化させていくことが必要であるのではないでしょうか。

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◆本間  次郎◆

株式会社ノイエ・ファーネ  代表取締役

1954年生まれ。大学在学中より出版・編集業務に携わり、主に労働経済関係をフィールドとし取材・執筆、編集業務に携わる。1992年から中小企業経営 者向け経営専門誌の編集および、教育・研修ツール(冊子媒体、ビデオテープ)等の作成、人材の教育・育成に関する各種オープンセミナー・インハウスセミ ナー企画の立案・実施、人材開発事業・人事コンサルティング業務に従事。
2010年11月に『人と企業組織が互いに「広い視野」「柔軟な思考」「健全な判断」に基づいて行動し、最適な働きの場を創り出していく協働に貢献する』を使命とする株式会社ノイエ・ファーネを設立。

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