「成長企業の人材育成」

安藤弘一講師「管理職に求められる能力について」
 

成長企業におけるコンプライアンス遵守について

 -陥りやすいコンプライアンス違反と予防策-


■コンプライアンスの前提

コンプライアンスは企業の「社会責任」とともに日本社会に一般化してきました。言葉としては「法令遵守」であり、リスクマネジメント同意的に扱われているのですが、コンプライアンスには、サービスの利用者、取引先、職員等の期待に応えるため、「企業は倫理や社会貢献などに配慮した行動をとらなければならない」という意味を包含していると捉えなければならないと思います。

つまり、コンプライアンスを重視しない企業は内部統制が効いていないと位置づけられ、早晩に「社会から退場を強いられる」と理解しなければならないということです。そのために企業は、「企業理念」(あるべき根本的な考え方)と「ビジョン」(目指す方向性)を常に組織内で共有することが重要となります。

さらにいえば「企業理念」とは事業管理上、企業が社会に存在していくため、深く"思う流儀・きめごと"であり、組織を構成するすべての個々人が迷った段階で常に「立ち返る」起点となるものです。いわば、世の中に存在していくための道標ということです。

■法律を守るだけでよいのか

企業による不祥事が絶えない理由の多くは、コンプライアンスを単に「法令遵守」という意味だけで捉えていることに起因していると思われます。そのため、ともすると現場サイドではコンプライアンスとは「法務部門や総務部門の仕事だ」という意識が蔓延しがちです。ところが先にも述べましたがコンプライアンスは何らかの目的達成のためではなく、企業が存立する条件ともいえる「企業の社会的責任」(CSR)に内包されるものです。従って、単純な「リスク管理」を超えた明文化されていない社会的規範や企業倫理であり、全社的に「社会的要請に適応する」という視点が醸成されなければならないと思います。

そのため、各職場で[顧客関連] [内部関連]の両軸から自社や自部門に関連する法令の精査を行いその運用と知識を日常的にブラッシュアップしておくことが重要です。 例えば[顧客関連]では、民法/商法/独占禁止法/不正競争防止法/下請法不正競争防止法/不正アクセス禁止法/個人情報保護法...等の顧客満足に関わる法令の抽出と部下への正しい指導です。また、伝えるべきは「正確な情報」と「正確な知識」であり、経験則は通用しないという意識を持つことが重要となります。

また、[内部関連]では、憲法/人種差別撤廃条約/男女雇用機会均等法/国際人権規約/障害者雇用促進法/ILO国際労働基準/労働基準法...等の企業内での部下・同僚との関係を確認し、管理職クラスにおいては労務管理上で発生する種々の課題対応が重要になります。

■風通しの良い職場組織づくりからのコンプライアンス

一般的にコンプライアンス違反は「上手くいっていない組織」で発生しているといっても過言ではありません。要は組織の弛緩が複合的に重なり不健全な組織体に陥っている企業で発生するということです。もちろん、不健全さが「顕在化」しているのであれば対処もできますが、組織の弛緩は得てして深層で進行し、「潜在化」するため、「悪しき規範(ノーム)」を形成してしまうものです。そこで、コンプライアンス違反の防止策は、以下の項目などにそって企業組織の「風通し」を常にチェックしておく必要があります。


[チェック確認項目]
□1.個人と組織双方の目標・課題(また、それらの意義、重要度、優先度)の不明確さが組織活動におよぼしている影響
□2.役割・責任分担のあいまいさが組織活動に与えている影響
□3.部門間(個々の社員間)のコミュニケーションの欠如・困難性
 (個々の社員間コミュニケーションと部門間コミュニケーションの相異とズレの発生)
□4.組織状況にあわない非効果的意思決定のプロセス
□5.権威への不信感と抵抗
 (権威関係の不明確さや不確立からでてくる問題)
□6.部門間(個々の社員間)のインター・アクション(相互作用=たがいのやりとり、やり合い)のパターン


併せて、各企業組織でそれぞれ独自に設定されている「社内規定」や「ルール」「社内規律」は、その制定において必要であるから存在しているものです。こうした各種の社内規定に対してあいまいな態度をとってはならないということです。この種の規定は作成されても時に職場の上下関係や人間関係という情意を意識するあまり遠慮して運用されないケースもあります。

極端にいえば「就業規則」に決められている始業時間に遅刻する社員に対して、適正な措置をとるということもコンプライアンス違反防止の一環であるという認識を職場に定着させていくことが重要です。

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◆本間  次郎◆

株式会社ノイエ・ファーネ  代表取締役

1954年生まれ。大学在学中より出版・編集業務に携わり、主に労働経済関係をフィールドとし取材・執筆、編集業務に携わる。1992年から中小企業経営 者向け経営専門誌の編集および、教育・研修ツール(冊子媒体、ビデオテープ)等の作成、人材の教育・育成に関する各種オープンセミナー・インハウスセミ ナー企画の立案・実施、人材開発事業・人事コンサルティング業務に従事。
2010年11月に『人と企業組織が互いに「広い視野」「柔軟な思考」「健全な判断」に基づいて行動し、最適な働きの場を創り出していく協働に貢献する』を使命とする株式会社ノイエ・ファーネを設立。

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