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社内のナレッジを継承していくには

人事担当者30のお悩み

悩み
団塊の世代の退職や労働の流動化に伴い、社内のナレッジを継承していくためにはどうしたらいいでしょうか。
回答

    ナレッジマネジメントの確立
    ①企業理念を明らかにする
    ②個人が進んでナレッジを提供できる仕掛け・仕組みを作る
    ③集めたナレッジを共有化し、活用しやすい仕組みを作る

発展的にナレッジを継承していくポイント

社内のナレッジ継承が求められる背景・理由

第一に、終身雇用制度が崩れてきている現在、個人に帰属したノウハウや知恵(ナレッジ)がある日突然失われる事態が少なからず発生しています。そのため、全社的にナレッジの共有化が急務となっています。あるいは団塊の世代が大量退職した際にも問題になりました。
この点、消極的な意味で、人材の流動化への対応策として社内のナレッジ継承が求められています。

第二に、既存のナレッジの組み合わせやぶつかり合いから新しいナレッジを生み出し、イノベーションによる企業活性化を図る、という点が挙げられます。社内のナレッジを単に継承するのではなく、発展させて新たな価値を創出していく積極的な活動とみることができます。ある人の持っている営業ノウハウと別の人の持っているマーケティングデータを結合させ、新しい営業戦略を構築していくことが代表例です。

ナレッジマネジメントの展開における3つのポイント

発展的にナレッジを継承していくためにはどうしたら良いでしょうか。押さえなければならないポイントは次の3点です。

(1)まず、経営トップにより、会社は何を目指すのか、どういう姿になりたいのかという企業理念あるいはビジョンを明らかにし、それを組織の隅々まで浸透させることです。ナレッジも拠り所は企業理念・ビジョンです。

(2)次に、個人が進んでナレッジを提供できる仕掛け・仕組みを作ることです。往々にして、人は、自分のナレッジの開示に消極的です。本人に開示するためのインセンティブが働かないからです。特に、個人に属している暗黙知の提供には消極的です。ということで、本人にインセンティブを持たせるには、積極的にナレッジを提供・活用し、熱心に取り組んでいる個人を評価する仕掛け・仕組みが不可欠です。結局、ノウハウや知恵を伝承するためには「仕事の見える化」(※)をすることに尽きます。特に、目に見えない形で個人やグループが持っているナレッジは、身体が覚えているものであったりして他人に伝えることが難しいので、この点を見える化する仕掛け・仕組みが必要とされます。

(3)最後に、集めたナレッジを共有化し、活用しやすい仕組みを作ることです。この段階で初めてデータベースやイントラネット等の情報インフラの整備が行われることになります。各人の積み重ねてきたノウハウや知恵(ナレッジ)を組織やチームで共有・明文化できれば、より効率的に生産性を伸ばせ、さらにはOJTや引き継ぎが円滑に遂行できます。


※「仕事の見える化」をする方法

まずは、事務なら事務、といった仕事の流れを書き出してみましょう。フロー図でも良いです。例えば"間違えないために、この手続きを踏んでいる"といった、その作業でのコアとなる部分を明示して書くのがポイントです。やっている本人にとっては当たり前の作業でも、第三者的に見るとそこがキーファクターになっているものです。往々にして、やっている本人が気づかない場合が多かったりします。また、その仕事を始めたばかりの人に質問してもらうのも良いです。暗黙知として当たり前のことが、新人にはその暗黙知がないので、疑問として出てくるからです。今は当たり前の作業でも、最初の頃は一生懸命やって自分のものにしていることと思います。ただ、自分のものとして習得してしまったがために、そうやって一生懸命覚えた工程を忘れてしまっているのです。その工程こそがその仕事でのツボになってきます。

そうやって、それらをすべて書き出していくことが「仕事の見える化」ということなのです。


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