「Excelができる」ってどんな状態?Excelスキルはデータの「分析」か「処理」の2つに分類できる
「あの人はExcelができないから・・・」
「この業務は、Excelが得意な〇〇さんにお願いしよう」
このような話題は日常的に出てきますが、「Excelができる」という言葉の定義は明確ではありません。もちろん業務を進めるにおいて「Excelができる」方が良いですが、どういう状態になれば「Excelができる」と言えるのかは、人によって基準が異なります。
「Excelができる人」の条件とは?
当社では、Excelに関するスキルを以下3つに分類して捉えています。
0.ベーススキル
1.データ処理
2.データ分析
下記図は、当社が考えるExcelスキルの体系図です。ベーススキルおよび太線でつないでいるスキルをマスターできれば、最低限Excelができると言えると考えています。
【Excelスキルの体系図】
「Excelができる人」の条件⓪~土台となるベーススキル
Excelでデータ処理やデータ分析に取り組む前段階として、土台となるベーススキルが3つあります。
一つ目は基本的なExcelの機能の理解、つまり基礎知識です。データの加工や集計、簡易的な分析を行うための基盤となります。二つ目が仮説構築力です。分析の目的や方向性を定め、課題解決につなげるためには、それなりの思考力が必要です。三つ目が基本的な統計知識です。データの意味を正しく解釈し、信頼できる結論を導くために必要です。
これらのベーススキルは、Excelを用いて何を行うにしても必ず求められるスキルです。
ベーススキルを学べるカリキュラムはこちら
ベーススキルを押さえた上で、スキルを発展させていく方向としてデータ処理とデータ分析の2つがあります。まずはExcelでデータ処理を行う際に必要となるスキルについて考えます。
「Excelができる人」の条件①~データ処理
【Excelでデータ処理をする上で必要なスキル】
Excel初級・関数の基本~表計算や基本的な関数を理解する
Excelでデータ処理を行うためには、表計算や基本的な関数を理解することが重要です。単純な計算や条件判定の自動化によって、日々の業務効率を大きく改善できます。たとえば、売上の合計を自動計算したり、勤怠データから遅刻の有無を判定したりすることで、作業の手間とミスを減らすことができます。
関数の応用~複数条件の集計や特定の条件に合致するセルの検索ができる
より複雑なデータ分析や業務課題の把握が可能になります。こうしたスキルがあれば、例えば顧客ごとや商品ごとに売上を絞り込んで集計したり、キャンペーン対象者を効率的に抽出したりでき、意思決定に必要な情報を素早く得ることができます。
Excel応用~他のメンバーも使いやすく、見やすい表を作成できる
社内での情報共有や報告の質を高めるためには、処理したデータを見やすく加工する技術が欠かせません。分かりやすい資料は誤解を減らし、スムーズなコミュニケーションと正確な意思決定を促します。
Python / マクロ~大量のデータを自在に加工したり、処理を自動化できる
扱うデータ量が増えた際には、大量のデータを自在に加工したり、処理を自動化できるスキルが求められます。マクロやPythonなどは学習コストが高いですが、その分使えるようになると、膨大なデータの統合や集計、加工を効率的に行えるようになり、業務の生産性を飛躍的に高めることが可能です。
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続いて、データ分析を行う際に必要となるスキルについて考えます。
「Excelができる人」の条件②~データ分析
【Excelでデータ分析をする上で必要なスキル】
ピボットテーブル~多軸での集計や可視化ができる
Excelの基礎的なスキルの次段階として、ピボットテーブルを活用することで、大量のデータをクロス集計し、様々な切り口から迅速に分析できるようになります。クロス集計は分析の基本なので、最低限ここまでできないとExcelを使いこなせているとは言えません。
Power Query~データの整形・統合・更新を自動化できる
さらにPower Queryを用いれば、複数のファイルを統合したり、データの前処理を自動化したりすることができ、作業負荷を大幅に軽減します。
Power BI / Tableau~見やすく、動かせるレポートで共有・分析できる
続いて習得したいのはデータの可視化スキルです。Excelでもグラフを作成することで、わかりやすいビジュアル表現が可能になり、報告や課題把握に役立ちます。しかし、Excelには容量や処理速度の限界があり、データ量が増加すると動作が重くなってしまいます。また、複数人での共有やリアルタイムのデータ更新が難しくなるという課題があります。
こうした課題を解決し、より高度な分析を実現するためにPower BIやTableauなどのBIツールの導入が求められます。BIツールは大量データの高速処理に対応し、数百万件規模のデータ分析を効率的に行えます。
Python~大量のデータを自在に加工・分析・自動化できる
さらに高度な分析を行うためには、Pythonなどのプログラミング言語も選択肢に入ってきます。機械学習を用いたAIを開発することで、Excelでは処理できないデータ量を扱うことができ、より高度な分析が実現できます。
データ分析スキルを学べるカリキュラムはこちら
「関数」と「ピボットテーブル」は、Excelにおける最低限のスキル
ここまでデータ処理、データ分析の2つの方向でExcelスキルを分類して整理しました。
どこまでできればExcelができると言えるのか、について当社の見解としては、「関数」と「ピボットテーブル」は最低限押さえておく必要があると考えます。その上で、業界や職種においてデータ処理スキルかデータ分析スキルのどちらが求められるのかに応じて、スキルを極める方向性を考えるのが良いと思います。
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