はたらコラム

“生涯現役”をキーワードとする「高齢者雇用」

2019.10.02

  • キャリア
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安倍総理が掲げる「働き方改革」の柱のひとつである「高齢者雇用」。労働人口減少に伴い働き手が減るなか、高齢者の活躍が期待されている。年金支給年齢の引き上げが漸次行われており「生涯現役」がキーワードのひとつになっている。この記事では「高齢者雇用」を通して、私たちのキャリア形成についても考えてみたい。

平均寿命の伸長により元気な高齢者が増加

日本では65歳以上を高齢者と定義している。現在、日本の高齢者数は総務省によると3,461万人。総人口に占める割合は27.3%で過去最高を記録している(2016年9月現在)。

高齢者の内訳は、男性1,499万人、女性1,962万人。女性が男性より約500万人多い。ちなみに、平均寿命は男性80.79歳、女性87.05歳(2016年7月現在)。女性の人数が多いのは頷ける話だろう。

平均寿命は2013年以降80歳を超えており、2015年から3年連続上昇。80歳以上の高齢者の存在はもはや珍しくはない。こんな時代だからこそ、65歳の元気な人を高齢者扱いするのは極めて失礼だという声も時折耳にする。

老後の期間が長期化、生活費を工面する必要性が……

平均寿命が伸長し、医療の発達により元気な高齢者が増加したことは望ましいものの、老後の期間が長期化、生活費を工面する必要性に迫られている。

老後の生活費の目安は3,000万円などと言われるケースもあるが、暮らしぶりにより必要額はだいぶ変わってくるだろう。

延命治療などが一般化するなか、たとえ身体が動かなくても生き延びることができるようになった。老後を充実して過ごすためには、従来以上にお金を用意する必要がある。

年金減額は現実的、企業年金の引き下げなどに直面するなか、高齢者であっても生活費を稼ぐために働くことが求められている。

かつては「生きがい」のために働いていた高齢者

かつて高齢者が少なかった時代、高齢者は「生きがい」や「社会貢献」のために働いていた。しかし、ここ数年、その状況が様変わりしている。

年金減額や高齢期の伸長により、生活費を少しでも稼ぎたい高齢者が急増。内閣府の高齢白書を、年を追って見ていくと、高齢者の窮乏ぶりに気づくだろう。

実際、生活保護世帯のうち約半分は高齢者世帯。身寄りのない単身高齢者を中心に低年金が社会的問題になっている。

「高齢者雇用」が声高に叫ばれる背景

政府としては、年金支給年齢の引き上げ、年金減額を進めるためにも「高齢者雇用」を積極的に進めたいところだ。

一方、労働人口の減少により、働き手の確保を迫られている企業も存在する。例えば、飲食業や建設業、運輸業など慢性的に人手不足に直面している業種では高齢者雇用が当然になっている。高齢者が雇用されることにより、私たちの日常生活が支えられているという側面もあるだろう。

「高齢者雇用」は大企業を中心に進んでいる。改正高齢者雇用安定法では、「継続雇用制度」「定年廃止」「定年引上げ」のいずれか一つの方策を導入しなければならない。ちなみに、現在のところ、「継続雇用制度」を導入している企業が圧倒的多数になっている。

「高齢者雇用」のメリット、デメリット

さて「高齢者雇用」には、企業にとってどのようなメリット、デメリットがあるだろうか。それぞれ確認してみよう。

【メリット】
1.熟練技能を戦力化
長年勤務してきた高齢社員が熟練技能を存分に発揮することで、生産性を高められる。高齢社員に触発された若手社員のモチベーションがアップする。

2.「生きがい」を感じられるだけでなく生活費も稼げる
働くことは社会参加のひとつ。元気な高齢者が社会に関わることで、本人が「生きがい」を感じ、精神的に健康に過ごせるだけでなく、生活費も得ることができる。

【デメリット】
1.総人件費が上昇する可能性がある
企業にとってのデメリットである。例えば「継続雇用制度」では、希望する高齢社員すべてを雇用しなければならない。本来、辞めてもらいたい高齢社員も受け入れることになり、総人件費が上昇する恐れが指摘されている。

2.職場に軋轢が生じる恐れがある
高齢社員の多くは役職者。つまり、若手社員にとっては元上司にあたるわけである。継続雇用されると、役職を外れ給与も現役時代の6割程度まで落ちるのが普通。高齢社員は平社員であるが、若手社員にとっては扱いにくい存在。若手社員が高齢社員に指示するのはためらわれるであろう。ちょっとした言動で軋轢が生じる可能性もある。

年齢関係なく働ける社会を実現

本来、年齢を理由として差別することは好ましくない。というのも、見るべきは年齢ではなく「職務遂行能力」だからだ。年齢関係なく、実力のある人が活躍する社会の構築が望まれる。

「高齢者雇用」の促進により、高齢者が職場にいることが普通になるだろう。そして今後、「生涯現役社会」が訪れ、定年という概念が消滅、自分の能力を生かして働くことが今以上に求められることになる。

「高齢者雇用」は、20~30代の私たちにとって無関係な話ではない。「高齢者雇用」は、若者の働き方にも影響を及ぼすものである。「生涯現役」に向けてキャリア形成を怠らないようにしたいものだ。

配信元:日本人材ニュース

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