株式会社インソースデジタルアカデミー

DXが進まない3つの原因~推進担当者の旗振りと教育で現場を変える

「最新のシステムを導入したのに、現場で誰も使ってくれない」「掛け声ばかりで、いつの間にかDX推進が停滞している」

DXプロジェクトでの失敗原因の約9割が、「なぜやるのか」という目的意識の共有不足や、現場のメンバー育成の軽視に起因するといわれています。本記事では、よくある失敗理由と、現場を動かすためのポイントについて解説します。

DX推進に失敗する3つの原因
~業務プロセスの見直し・目的の共有・人材教育が必須

DX推進においてよく見られる、以下の「3つの失敗パターン」は、あなたの組織でも起きていませんか。この落とし穴を避けることが、現場を変革し、成果を出すための第一歩となります。

1.「DX=ITツールの導入」と思い込む~導入前に業務を棚卸しする

ITツールを導入するだけでは業務は改善しません。ツールは、あくまで業務プロセスを変革するための手段です。ツールを導入する前に、現在の業務プロセスの見直しを行うことが重要です。現場で一番のムダな作業は何か、そのムダはなぜ発生しているのかを洗い出します。そのうえで、見直した業務プロセスに合ったツールを選定しましょう。

また、ツール導入後に「実際に使ってみてどうだったか」を現場にヒアリングすることも重要です。週次のミーティングを設定するなど、新しいツールによる現場でのつまずきを早期に発見できるようにします。

2.効率化だけを目的にしてしまう~真の目的は新たな価値創造

DXの目的を「コストカット」や「人員削減」といったキーワードだけで伝えると、ネガティブに捉えられることがあります。「自分の仕事が奪われる」と警戒し、新しい取り組みに対する協力的な姿勢が失われ、抵抗勢力を生み出しかねません。

DXの本質は、ルーティンワークを効率化し、その浮いた時間を、顧客との関係深化や新しい企画立案といった「価値創造」へ振り向けることです。効率化で削減できた時間を何に使うかを常に問いかけ、「DXは未来の可能性を広げるポジティブな変革だ」というメッセージを共有し続ける必要があります。

3.人材育成を軽視する~DXを自分ごと化するためには教育が必要

ITツールを導入したのだから、各自で学んでおいてほしいという丸投げの姿勢は、DXを一部のメンバーだけの「他人事」にしてしまいます。必要なスキルやマインドセットは、全従業員に「自分ごと」として捉えらえれなければ定着しません。DXの必要性について理解してもらい、自分たちの仕事がどう変わるのかを腹落ちさせるためには、教育機会を設けることが必要です。

「やらされ感」を払拭するために~DX推進者が現場を巻き込み牽引する

DXの成功は、現場に一番近い管理職や中堅のメンバーがDX推進者として機能できるかにかかっています。システム部門任せにせず、現場を巻き込み、組織文化を変革するための具体的な行動を起こすことが求められます。

DX推進者が「小さな成功」の火付け役になる

一斉に大きな変革を行うと、失敗のリスクも大きくなります。まずは、自部門内で小さな成功体験を意図的に作り出しましょう。例えば、「日報の電子化により、残業時間が月5時間削減できた」などの具体的な成果です。このような小さな成功事例を、DX推進者が「自分の言葉」で「DXがなぜ自部門に利益をもたらしたのか」を熱意をもって語り、組織全体に共有することで、他の部門への横展開を容易にします。

スキル習得を業務に組み込み、仕組み化する

スキルを定着させるためには、月1回の振り返りミーティングや、業務時間内のデジタルスキルアップ時間など、業務の一部として学びを定例化することが必要です。学びが習慣化すれば、継続的にスキルをアップデートできるようになり、DXに対する主体的な姿勢が組織全体に浸透します。新しい知識を業務で試し、その成果を共有するサイクルを回すことが、DXを組織文化に変えるための決定打となります。

まとめ:人材教育が組織文化醸成のカギ

DXを根づかせる最大の壁はシステムではなく人です。DX推進者が旗振り役となり、研修などの人材育成を戦略に組み込むことで、DXはプロジェクトから文化へと変わります。まず1つ「DXの小さな成功体験」を自部門で作ってみましょう。

(半日研修)組織内DX推進担当者向け研修~担当者の心得とITプロジェクト実施導入時の理解

突然組織内のDX推進担当者になり、最初にどういった取り組みをすればよいかわからないという方向けの研修です。DXについての再認識と、担当者としての果たすべき役割、実際にDXを推進するためのマネジメント方法を大まかに掴むことを目指します。

よくあるお悩み・ニーズ

  • DX推進の担当者になったが、担当者としてどのようなことを意識したらよいか分からない
  • 他社のDX推進担当者の話をきいてみたい
  • DXを推進するためのヒントが欲しい

本研修の目標

  • DXについての概要を理解して、他者に説明できるようになる
  • DX推進を担当するための役割認識ができる
  • DX推進に必要なITプロジェクトの概要がわかる

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セットでおすすめの研修・サービス

(半日研修)DX理解研修

DXの基礎知識から人材育成方法、組織内のDX実現の具体例を学ぶプログラムです。

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(半日研修)DX推進研修~5ステップで今日から始める

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DXリテラシーアセスメントは「デジタルスキル標準(DXリテラシー標準)」に準拠したサービスです。組織内人材のDXスキルを客観的に評価し、伸ばすべき領域を可視化します。DX推進に必要な人材育成の第一歩にお役立てください。

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