株式会社インソースデジタルアカデミー

3つの事例から学ぶ、「人」と「組織」を変革するDX推進の具体策~DX成功の鍵はツールにあらず

多くの企業は、2030年に向けた「あるべき姿」として、新しい価値の創造、そして社会や地球環境への貢献を目標に掲げています。その実現のため、全社をあげてDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を加速させる必要に迫られています。

しかし、「DXや自動化を進めたいが、どこから手を付けてよいか分からない」、「新しい仕組みを作っても、現場が活用できなければ意味がない」といった課題に直面し、取り組みが停滞しているケースも少なくありません。

DX成功の鍵は、単なる最新技術やツールの導入ではなく、それを使いこなし、ビジネスに変革をもたらす「人材」と「組織」の変化にあります。今回は、この人材育成と組織変革に焦点を当て、DXを成功軌道に乗せた3つの具体的な事例をご紹介します。

事例①:全社DX推進に向けた人材育成の体系化(企業X社:製造業)

製造業の企業X社(従業員700名以上)は、DXによるビジネスモデルの新規創出や既存事業の差別化をさらに加速させる必要がありました。特に、全社でDXを推進する上で、社員のIT及びデジタルリテラシーの底上げ、そして管理職、一般職、選抜者ごとのDXに関連する人材育成の体系化が急務でした。

DXを成功軌道に乗せるためにしたこと

同社は、2030年の目標達成のため、全社をあげてDXに関する人材育成の体系化を図りました。管理職、一般職、社内推薦を受けた選抜者延べ約300名を対象に、階層や対象者別の課題に合わせた研修を実施しました。管理職と一般職にはDX理解および推進研修を実施する一方、選抜者にはRPAやAI、データサイエンスなどのテクノロジーに加え、Pythonやデータベース活用といったデジタル技術の習得を目指す研修を実施しました。

この取り組みを通じて、社内の人材育成が体系化され、部署や社員各人ごとの新たな業務課題が浮き彫りになり、今後必要な取り組みが可視化されました。さらに、受講者はデジタル技術を活用した社内の新規事業および業務改善コンテストに出場し、成果を全社発表する予定となっており、新規事業の創造と業務改善につなげる土台作りが着実に進みました。

>事例:対象者別の研修で人材育成の体系化を構築

事例②:社内公募で部門間「橋渡し人材」を育成(企業Y社:百貨店)

従業員14,000名以上の百貨店である企業Y社では、DX推進のために新設したマーケティング部門が、現場がどのような情報を欲しているのかを把握できず、分析結果を売上向上に結び付けられないという課題を抱えていました。マーケット調査から得たデータ分析を現場に活かしきれておらず、現場とマーケティング部門の橋渡しが必要でした。

DXを成功軌道に乗せるためにしたこと

同社は、全社的に情報に対する感度を高めるため、公募制(主任クラス以上)で約70名を対象に研修を実施し、現場とマーケティング部門をつなぐ人材の育成に取り組みました。

研修では、情報の収集から分析、活用までの流れを理解することや、不確定な情報に対し、情報を集め数値で分析し、最適な解決策を選択する力の習得に焦点を当てました。これにより、情報が自事業にどう影響するのかを想定する力を養うことが解決策とされました。

結果として、社内での情報活用や意思決定の質が改善し、参加者約70名に対して機会損失を埋めるための行動変容が期待されています。今後も、顧客ターゲットの見直しや商品構成の変更など、行動レベルでの施策実施が計画されています。

>事例:社内データを部門間で共有して売り上げアップに

事例③:現場の人材を教育し、RPA全社推進(企業Z社:運輸・倉庫業)

運輸・倉庫業の企業Z社(従業員1,000名以上)は、労働力不足への対策として、業務自動化(RPA化)による大幅なコスト削減が急務でした。しかし、IT部門だけではRPAをさらに推進させるための人材が不足している状況でした。

DXを成功軌道に乗せるためにしたこと

同社は、IT部門とともに現場の業務改善ができる人材を事業部門から育成することに決定しました。RPA化を推進する担当者、中堅クラス、管理職クラスのIT部門以外の事業部門の人材約200名を対象に、約半年間かけて研修を実施しました。

研修の主な目的は、RPA化の要件定義をIT部門ではなく、各部署のRPA推進担当者自身ができるようになることです。研修では、自部署の業務をRPA化が向いている業務とそうでない業務に分けたり、業務フロー図として整理・可視化したりする手順を習得しました。さらに、RPA化を意識したデータやフォーマットの標準化・統一化による業務削減も含まれました。

この結果、現場のRPAに対する理解が深まり、業務改善力が大きく向上し、全社的なRPAによる業務自動化が大きく進みました。研修後、実際にロボットが稼働を始め、数万単位での時間削減につながった事例も確認されており、DX(デジタルトランスフォーメーション)への理解を全社的に進めることができました。

>事例:RPA人材を選抜教育し、業務自動化スピードが大幅向上

組織と人材の変化こそがDX成功の推進力

3つの事例に共通しているのは、単なるツールや仕組みの導入ではなく、組織や人材の課題を整理し、伴走型で育成・定着を図ったことです。特に、カスタマイズされた中長期的な人材育成提案が高く評価されており、研修を通じて、異なる部署の人材が集まってグループワークを行うことで、自部署では想像もしなかったアイディアや気づきを得る機会を提供しています。

成功した企業は、技術導入の前に「誰が」「どのようなスキルで」「何を解決するか」という人を中心とした戦略を立てています。インソースでは、単なる研修提供にとどまらず、組織課題の整理から伴走し、現場が活かせる形で学びを落とし込む支援を多数実施しています。

DX推進を成功に導くためには、まず自社の課題を深く理解し、その課題解決にフィットする人材育成を体系的にデザインすることが不可欠です。それは、まさに、組織全体が新しい知識や能力を「血肉」に変え、組織の「免疫力」を高めるような取り組みと言えるでしょう。「うちの組織でも同じような取り組みは可能か?」 そう思われた方は、ぜひDXに関するご提案・導入事例ページをご覧になり、自社の課題に近い取り組みのヒントを見つけてください。

>事例:DXに関するご提案・導入事例

DX実現コンサルティング

お客さま組織のDX実現に向けた伴⾛型のコンサルティングサービスです。DX実現に向けた組織体制づくりや、研修体系の作成、研修の企画‧提供など、お客さまの状況に応じて最適な進め⽅をご提案‧ご⽀援いたします。

インソースデジタルアカデミーは、これまでに数多くのお客さま組織のデジタル⼈材育成をお⼿伝 いしてきました。「組織のDX実現」について蓄積してきた知⾒と経験のもと、貴組織のお悩みに寄り添 い、DX実現に向けた基盤づくりをサポートいたします。

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(半日研修)生成AIで業務自動化研修~AIエージェントを自分専用の部下にする

生成AIの基本を習得済みの方に向けた実践型研修です。Microsoft Copilot(コパイロット)のAgent(エージェント)機能を活用し、社内業務に特化したAIエージェントの設計から構築までを学びます。

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また、昨今ではRPAなどの便利なツールが増えており、IT部門に限らずあらゆる業界・業種の業務にも、「自動化」による業務時間の削減が行なわれております。

本研修では、業務時間削減の観点から「どのような課題を解決すればよいか」「課題をどのように整理すればよいか」を学び、業務の洗い出しを行ないます。そのうえで、「洗い出した業務を実際に業務フローとして整理」し、「RPAなどの自動化による改善につなげるためには何が必要なのか」も合わせて学んでいただいた後、実際に業務フローを作成していただきます。

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DX人材の育て方研修~ベストな人材は内部にあり

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