トラブルに強いリーダーになる~3つのコミュニケーション力でピンチから信頼を築く
トラブルが発生したときや想定外の状況では、決められた手順だけでは対応しきれない場面が多々あります。こうしたときこそ、リーダーの柔軟な判断力と高いコミュニケーション力が試されます。
例えば、トラブルが発生したとき、相手によって置かれている状況や感じている不安は異なります。リーダーは「誰に/いつ/何を/どのように伝えるべきか」について、その都度考えながら進める必要があります。また、メンバーの不満、不安、焦り、苛立ちといった感情にも配慮しながら対話を重ね、冷静に鎮火する必要があります。
このようにリーダーには、時には決められた手順の枠を超え、状況に柔軟に対応できるコミュニケーション力が求められます。本記事では、リーダーに求められる、場面別3つのコミュニケーション力について、解説します。
顧客対応力~クレーム対応から信頼を強化する
顧客からのクレーム対応において、顧客との対話は非常にデリケートかつ重要な局面となります。相手の怒りや失望といった感情に真摯に向き合いながら、冷静に状況を説明しなければなりません。
このような場面では、単に「お詫び」を述べるだけでなく、なぜそのような事象が起きたのかという背景や原因を、事実に基づいてわかりやすく伝えることが大切です。加えて、短期的な応急処置にとどまらず、長期的な再発防止策や改善の取り組みについても丁寧に説明することで、顧客の不安を和らげ、納得を得やすくなります。
話し手の誠実な姿勢が伝われば、たとえ一度は信頼を損なってしまったとしても、関係を再構築できる可能性は十分にあります。対応の仕方ひとつで、信頼を失うか、むしろ強化できるかが決まる場面です。誠意あるコミュニケーションこそが、信頼回復への第一歩となるのです。
仲裁力~メンバー間の衝突を仲裁し、信頼構築のきっかけに変える
職場で意見のぶつかり合いが起きることは、珍しいことではありません。とくに仕事の進め方や優先順位に関する価値観が食い違ったときには、同時に感情のもつれも生じやすくなります。
こうした状況において、リーダーがとるべき行動は、どちらかの味方をすることではなく、両者の立場や考え方を丁寧に汲み取りながら、共通の目的に視点を戻すことです。感情の応酬が激しいときほど、まずは冷静になる必要があります。そして、意見の違いがあること自体は悪ではなく、それを乗り越えるプロセスに価値があることを伝えることで、関係の再構築が始まります。
仲裁とは、争いを収めることではなく、信頼を再び築くための対話を導くことなのです。
社外対話力~「誠実な対応」で納得や共感を引き出す
社外との対話の場では、組織の至らなさや弱みを率直に指摘されることがあります。とくに説明会やインタビュー、商談などの場面では、鋭く核心を突くような意見や質問が飛び交うことも珍しくありません。そうした状況下では、防衛的になったり、その場を取り繕うような説明をしてしまいがちですが、それでは逆に不信感を招く恐れがあります。
そのような場でこそ、相手の言葉を途中で遮らずに最後まで受け止め、率直かつ丁寧に事実や現状を伝える姿勢が重要になります。説明のなかで組織の課題を隠さずに明かしつつ、どのように改善に取り組んでいるのかを具体的に伝えることが、相手の納得や共感を引き出す鍵となります。表面的な言い訳や対症療法的な説明では、誠実さは伝わりません。
「耳の痛い意見にも前向きに向き合う姿勢」は、単なる防御ではなく、信頼を築くための強力なメッセージになるのです。
リーダーのためのコミュニケーション実践研修~トラブル解決編
本研修では、「情報伝達力」「顧客対応力」「仲裁力」「社外対話力」の4つを身につけます。
現場で起こりうるトラブルを題材としたケーススタディに取り組み、相手からの信頼を崩すことなく、むしろ関係強化につなげる対応力を磨きます。
よくあるお悩み・ニーズ
- 予想外の事態が発生しても、冷静に適切な行動が取れるようになりたい
- 取引先などに対して大々的な対応が求められる場面で、説明に窮することがある
- リスクを発見した際に、誰にどこまで報告すべきか判断に迷うことが多い
研修のゴール
- 上司が行うべき情報伝達とその勘所を理解する
- トラブルが発覚した際の顧客に対する謝罪と交渉の仕方を習得する
- 公平に対応し、メンバー間の衝突を解決に導くことができる
- 社外ステークホルダーと対話を通じて良好な関係を築けるようになる
セットでおすすめの研修・サービス
リーダーのためのコミュニケーション実践研修~新規開発・価値創造編
本研修では、新規開発・価値創造に必要な「チームワーク構築力」「提案力」「共創力」「社外人脈力」の4つのスキルを身につけます。
実務に即したケーススタディに取り組み、関係者を巻き込みながら成果に結びつけられるようになることを目指します。
リーダーのためのコミュニケーション実践研修~組織展開・調整編
本研修では、組織内で物事を調整・推進していくための「発信力」「メンバー支援力」「合意形成力」「周知徹底力」の4つのスキルを身につけます。
現場で遭遇しがちな場面を題材にしたケーススタディを通して、どのような言動を取るべきかを具体的に考え、実務につなげます。
人を動かすコミュニケーション研修~キーパーソンへ働きかける編
本研修では、キーパーソンを動かすために必要な4つのセオリーについて学び、仕事を前に進めるためのコミュニケーションスキルの向上を目指します。
説明力向上研修~管理職が遭遇する、タフな状況での説明力を鍛える
管理職に説明力が求められるシーンを想定し、説明するための心構えとスキルを習得する研修です。まずは、現状を的確に把握し、相手の感情や論理をおさえたうえで、上司を説得する・部下に無理を強いるなどの業務でよくあるシーンにあわせた適切な説明の仕方を体得します。