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世界はAIで再編中。人手不足の日本が生き残るための「必須スキル」とは?

米国と日本で同時に起きている「対照的な現象」

世界の企業動向を追っていると、興味深い対比が浮かび上がってきます。近年、米国を中心としたグローバルな先進企業ではAIを活用した業務効率化や組織再編が急速に進んでいます。一方、日本では深刻な人手不足が依然として大きな課題として語られています。

同じ時代に、これほど対照的な動きが同時に起きているのはなぜなのでしょうか。その背景として鍵となるのが AI活用力(AIリテラシー/スキル) です。

AIが企業の意思決定を変えている

米国で加速する「AI前提の業務再設計」

米国の労働市場調査を行う Challenger, Gray & Christmas が公表した2025年11月のレポートによれば、10月だけで153,074件のレイオフが発表されています。報告書では、その背景としてAIを理由とした人員再編やコスト最適化が進んでいることが指摘されています。(出典:Challenger, Gray & Christmas. "October Challenger Report: 153,074 job cuts on cost-cutting, AI." 2025年11月6日)

これは単なるリストラではなく、AIを前提とした業務再設計が加速し、企業構造そのものが変わり始めていることの表れ といえます。

AIによって業務が効率化されると、求められるスキルや役割も大きく変化します。つまり、AI導入は「人が不要になる」という単純な話ではなく、企業の戦略そのものが高度化し、市場で優位に立つための条件が書き換えられているということなのです。

各国の成長企業が加速させる「AI前提の企業経営」

欧州やアジアでも、データ活用やAI導入を軸とした経営戦略が進んでいます。そこでは、AIが

  • 新しい業務設計の土台
  • 意思決定の高度化
  • 市場で優位に立つための中核要素

として扱われています。つまり、AIは「企業活動の水準を押し上げるインフラ」へと変化しつつあるのです。

日本企業のAI導入は世界から遅れている

野村総合研究所が2025年に公表した「IT活用実態調査」によれば、日本企業で生成AIを導入済みと回答した割合は57.7%に達しています。しかしその一方で、「リテラシーやスキルが不足している」と回答した企業が70.3%にのぼり、AI活用人材の不足が依然として大きなボトルネックとなっています。また企業規模によるスキル格差も顕著で、AI活用の均質化には程遠い状況です。(出典:野村総合研究所「IT活用実態調査2025」)

さらに、PwCが2025年5月に実施した「AI Agent Survey 2025」では、米国企業の経営幹部約300名を対象とした調査の結果、79%の企業がAIエージェントを導入済みと回答。導入企業のうち66%は、生産性向上などの実務上の価値を実感していると報告されています。(出典:PwC「AI Agent Survey 2025」)

これらの調査結果から、日本企業では導入意欲は高まりつつあるものの、世界各国と比べると活用の深さ・スピードで明確に遅れを取っていることが読み取れます。現場レベルの活用を広げ、AIリテラシー向上やスキル育成の仕組みを整えることが、今まさに求められていると言えるでしょう。

なぜ国内での本格活用にギャップが生まれるのか?

AIに対する「構造的ギャップ」世界と日本でここまで差が生まれている理由は、一つではありません。複数の背景が重なり合い、構造的なギャップとして現れています。

1.技術導入に慎重な文化

長期安定志向、リスク回避、既存業務維持──このような文化的背景は、新技術を迅速に取り入れる動きを鈍らせます。

2.AIを扱う人材の不足

海外では、AIを使いこなす専門人材や運用チームが整備されつつあります。一方、日本企業ではこの「AI活用を担う層」がまだ十分とは言えず、導入効果が限定的になりがちです。

3.経営意思決定の方向性の違い

世界ではAIを成長機会や競争力強化につなげる「攻めの判断」が主流である一方、日本では 費用対効果やリスクを慎重に見極める「守りの判断」が優先され、AI導入の意思決定が遅れがちです。

上記の要因が複合的に作用し、日本は人手不足のままAXを進められないという結果につながっています。

しかし──これは「弱み」ではなく「伸びしろ」である

日本のAI活用度の低さは、単に遅れているという弱点だけを意味しません。むしろ、明確な伸びしろが存在することでもあります。

活用が進んでいないからこそ、効果が出やすい

AIを導入すると、

  • 業務効率化
  • コスト削減
  • データに基づく意思決定
  • 新しい価値創造

といった変化が一気に起こりやすく、成長の角度が急に変わるケースも多く見られます。

人が不足している今こそ、AIと協働する発想が重要

国内で叫ばれる「人手不足」という課題は、裏を返せばAIと人が協働する余地が非常に大きいことの証拠でもあります。

今後は、「AIが人の仕事を奪うか」ではなく、「いかにAIで人の価値を拡張するか」という視点が重要になります。

これから求められる「AIを使いこなす力」

企業やビジネスパーソンにこれから必要なのは、単にツールを使う能力ではありません。

これからの必須スキル

  • AIを業務価値に変える判断力
  • AXの文脈で業務を再設計する思考力
  • データを軸に考える姿勢
  • 新しい技術を学び続けるリテラシー
  • チームや組織に展開する推進力

AIは「使うもの」ではなく「業務の前提」になる世界がすぐ近くまで来ています。そうした環境で最も価値を発揮するのは、AIを基軸に業務を再設計し、新たな価値を創りだせる人材です。

世界の潮流と、日本のこれからの可能性

世界の先行する企業はすでにAIを前提に戦略を描き換え、次の成長ステージへ進み始めています。日本でも、その流れを捉えて成果を上げる企業が着実に増えつつあります。

この変化は企業だけにとどまりません。個々のビジネスパーソンのキャリア形成にも、確実に波及しています。いま小さな一歩を踏み出すだけで、市場での存在感や評価が将来に向けて大きく変わりうるタイミングに来ているのです。

そして実際に、この潮流を正しく捉えた人から、着実に前へ進み始めています。だからこそ、いま行動を起こすことが、自分自身の可能性を広げる最も確かな一歩になります。

(半日研修)生成AIで業務自動化研修~AIエージェントを自分専用の部下にする

本研修は、生成AIの次のステップとして、Microsoft Copilotのエージェント機能を活用し、業務効率化に直結するAIエージェントの設計・構築方法を実践的に学ぶ研修です。

社内でよく使う文書添削や社内マニュアル対応、アンケート分析など具体的な業務を題材に、プロンプト設計やナレッジ統合を含むAIエージェント開発の手法をワークを通じて習得できます。また、AIとの対話力や業務改善アイデアの創出力も高められる内容となっています。

よくあるお悩み・ニーズ

  • Copilotを十分に使いこなせていない
  • 毎回同じ指示や長いプロンプトを入力するのが手間に感じる
  • RAG(※)について、具体的な活用方法を知りたい(※任意の知識を取り込み、AIがそれを活用して回答を生成する仕組みのこと)

本研修のゴール

  1. Copilot Chat上で自分の業務に合わせたエージェントを設計し、実際に動かせる
  2. 社内資料やウェブ情報などを組み込んだ、目的特化型の回答を生成できる
  3. AIへの指示設計力と活用アイデアを身につけ、日々の業務改善に活かせる

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セットでおすすめの研修・サービス

AI時代のクリティカルシンキング研修~求められる「疑う力」と「活かす知恵」

生成AIの急速な普及により、ビジネスパーソンに求められるスキルも大きく変化しています。本研修では、AIをただ称賛するのではなく「本当に任せてよいのか?」を見極めるためのクリティカルシンキングを習得します。

AIの出力を疑い、正しく評価しながら活用していく姿勢を身につけることを目的としています。

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(半日研修)AI理解研修~人工知能にできることを知り、正しく活用する

本研修は、人工知能(AI)の基本的な仕組みとできることを正しく理解し、自身の業務での活用可能性を見出すための半日型研修です。

AIの定義や機械学習・ディープラーニングの基礎から、画像認識・自然言語処理といった代表的な応用までを講義とワークを通じて学びます。初心者から管理職まで幅広い層におすすめの内容です。

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