「いい感じにして」では失敗する~人事・研修担当者のための生成AIプロンプト設計入門

生成AIを業務に取り入れる企業が増える一方で、「思ったようなアウトプットが出てこない」「結局、使いこなせていない」と感じている方も少なくありません。その原因の多くは、AIの性能ではなく、人が与える指示文、いわゆるプロンプトにあります。
本コラムでは、生成AIを業務で安定して活用するために欠かせないプロンプト設計の考え方と、具体的に何をどこまで指定すべきかを整理します。
『いい感じにして』と言われましても~イイカンジってどんなカンジ?
生成AIに対して「いい感じにまとめてほしい」「分かりやすくしてほしい」といった大まかな指示を出しても、期待通りの成果が得られないことがあります。これは、生成AIが人の意図や背景を文脈だけで正確に読み取ることが難しいためです。
特に人事・研修業務では、対象者のレベルや社内ルール、用途に応じた表現の使い分けが求められます。こうした前提条件が曖昧なままでは、AIは無難で抽象的な内容を出力しがちになり、実務では使いづらい結果となってしまいます。
人事業務で使えるプロンプトに共通する基本要素
人事・研修業務で使えるプロンプトには、次の要素が含まれています。
- 目的:何の業務で使うアウトプットか
- 対象:誰に向けた内容か
- 条件:文字数、トーン、利用シーンなど
- 出力形式:文章、箇条書き、資料化前提かどうか
以下は、これらを押さえたプロンプトの例です。
あなたは人事・研修担当者です。研修で使う資料を作成してください。
【目的】
新入社員向けのビジネスマナー研修で使用する説明資料の原稿を作成したい。
研修テーマ:社会人としての心構え、報連相の基本、ビジネスマナー、メンタルヘルス、コンプライアンス、仕事の進め方を含めた内容とする。
【対象】
社会人経験が浅い新入社員。
専門用語は極力使わず、初学者にも理解できる表現とする。
【条件】
- 社内向け資料として、丁寧で落ち着いたトーン
- 具体例を1つ含める
- 研修時間は3時間
【出力形式】
- 見出し付きの文章構成で作成すること
- 講師がそのまま登壇できるレベルの原稿を作ってほしい
- 各章ごとに講師向けのコメント(強調してほしいポイント)を入れてほしい
- 各章で、新入社員が自分事として考えられるよう、ワーク設問(個人記入/ペア共有)を適宜追加してほしい(個人共有/ペア共有を含めて15~20分程度でできるようにしたいので、研修時間との兼ね合いを考えて入れる章を検討してほしい)※研修テーマが複数に及ぶ場合
- 研修時間の配分を考えてほしい
- 受講者に配布する研修資料も作りたい(スライド枚数40~50枚)、各スライド見出しを付けて、200文字程度で原稿のたたき台を入れる(そのままPowerPointにコピーして使う想定)
- 受講者に配布する研修資料と合わせて話し言葉で講師用のトークスクリプトを作ってほしい
生成AIを使う際に注意すべき情報の取り扱い
人事・研修業務で生成AIを活用する際には、プロンプト設計と同時に、情報の取り扱いにも十分な配慮が必要です。特に注意すべきなのが、個人情報や機密情報を指示文に含めないという点です。
生成AIは、入力された情報を基にアウトプットを生成します。そのため、氏名や社員番号、顧客名、具体的な取引内容などをそのまま入力してしまうと、情報管理の観点からリスクが生じます。
プロンプトに含めてはいけない情報
生成AIへの指示文では、次のような情報は原則として入力しない運用が求められます。
- 個人を特定できる氏名、連絡先、社員番号
- 実在の顧客名や企業名と紐づく具体的な事例
- 社内限定の未公開情報や業務データ
その代わりに、「新入社員A」「顧客X社」「管理職向け説明資料」といった形で抽象化することで、業務の意図を伝えながらリスクを抑えることができます。
生成AIは、あなたの言葉(プロンプト)を起点にして考えます
ここまで述べてきたように、生成AIを業務で活かすには、適切なプロンプト設計と運用の仕組みが欠かせません。AIはあくまで「言葉で動く精密な道具」です。
最初は試行錯誤が必要かもしれませんが、目的や条件を言語化するプロセス自体が、実は業務の本質を見つめ直すことにも繋がります。ぜひAIを使いこなす側としての第一歩を踏み出してください。
ChatGPTプロンプトエンジニアリング研修~使いこなすための応用手法を学ぶ
生成AIから業務で使える精度の高い回答を引き出すため、プロンプトの基本・応用手法を体系的に学び、実務で再現性の高い指示文設計力を身につける研修です。
よくあるお悩み・ニーズ
- 対話型AIを使ってはみたが、欲しい回答が得られない
- プロンプトエンジニアリングという言葉を知ったがどのようにすればよいかわからない
- 対話型AIを使って業務を効率化できるようになりたい
本研修の目標
- ChatGPTを使って業務の一部を代替する
- ChatGPTから、望む回答を引き出すことができる
- ChatGPTに限定されない、対話型AIを使いこなせるようになる
セットでおすすめの研修・サービス
AI時代のクリティカルシンキング研修~求められる「疑う力」と「活かす知恵」
生成AIが出す回答を無批判に受け入れるのではなく、「真偽を疑う視点」と多角的な考え方を養い、AIを有効なパートナーとして使いこなす力を身につける研修です。業務の中で生成AIを日常的に活用している方や、部下やチームメンバーに仕事での生成AI活用を促しているマネージャーの方におすすめです。
生成AIを活用した業務改善研修~業務を可視化し、AIに置き換え組織展開する
生成AIを安全かつ効果的に業務に組み込むための考え方を1日間で身につける研修です。
自身の業務を洗い出し、生成AIを組み込みやすい作業を見つけるワークを通じて、組織での導入イメージを具体化します。最後には、リスクを考慮した自部署での生成AI活用のシナリオを作成し、自走できる計画へと落とし込みます。
Leaf Lightning
Leaf Lightningは日本最大級のLMS「Leaf」をベースに、より快適な利用を求めて進化したLMSです。オプションで生成AI機能をご利用いただけます。
■生成AI機能「Leaf AI教材クリエイター」機能
PDF・PPT資料や教材にしたいWebサイトのURLをアップロードするだけで、資料内容に沿った確認テストを自動生成する機能です。生成AIに対して、目的や対象、制約条件を指定することで、研修資料や説明文などのコンテンツを効率的に作成できます。抽象化された指示でも意図を汲み取ったアウトプットが得られるため、プロンプト設計に不慣れな方でも業務で活用しやすい点が特長です。
>「AI教材クリエイター」について(プロンプト例も紹介しています)
■生成AI機能「Leaf AIトレーナー」機能
自身で撮影した動画をアップロードするだけで、話すスピードや声の抑揚、滑舌、フィラー(「えー」「あのー」など)の頻度、さらには内容の論理性まで、AIが複数の観点から分析します。例えばお客さま向けの操作説明会用の動画をアップロードした場合でも、単なる要約にとどまらず、「操作説明会である」という前提を踏まえた分析やフィードバックが得られます。







