
更新日:
サクセッションプラン
サクセッションプラン(succession plan)とは、重要なポジションの後継者を見極めて育成する「後継者育成計画」をいいます。将来の幹部候補としてふさわしい人材をプールしておき、ジョブローテーションなどで各部門を経験させながら、長期間かけて自社の経営方針や経営戦略を踏まえた教育を行い、経営層として育成するための施策全体を指します。
中小企業における経営者の高齢化と後継者不足により、日本は今「大廃業時代」を迎えています。このままでは、今後2025年頃までの10年間累計でGDP22兆円、650万人の雇用が喪失してしまうとも言われており(※1)、自社の事業承継の危機感からサクセッションプランに取り組む企業が増えています。
(※1)参考:中小企業庁「事業承継・創業政策について」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/shingikai/kihonmondai/2019/download/190205kihonmondai02.pdf
(最終アクセス:2020/11/12)
企業によって内容や基準に差異がありますが、サクセッションプランの基本的なプロセスは以下の通りです。
①自社の方向の明確化
自社の理念、ビジョン、経営戦略、課題などを整理・確認し、明確にする
②求める人材を選出
経営戦略の実行のための重要なポジションを決定したうえで、望ましい候補者像のプロパティなど選定基準を明確にして、人材を選出する
③次代の経営に向けた育成
想定のポジションに向けて、組織横断的な視野を養えるような育成計画を決定・実行する
(現経営陣による経営理念の浸透、各部門での実務、子会社・関係会社の経営など)
④成長に向けた再評価
育成計画の進捗確認、PDCAによる軌道修正などを繰り返し、環境変化に対する柔軟な経営姿勢の修得を促進する
サクセッションプランの目的は、一言で言うと「後継者の育成」です。しかしそれだけでなく、近年では企業の存続と持続的な成長につながる危機管理施策の一環としての側面も重要視されています。優秀な人材を複数名プールし、経営者としての教育を施すことで、後継者不在リスクの回避だけでなく、将来的に後継者を支える経営層の一角を担う人材の育成につながり、経営の安定化が図れます。
企業の存続・成長のカギを握る後継者候補の育成は、一朝一夕でできるものではありません。現経営陣の経営理念・ビジョンを継承しつつ、時代の変化に対応できる「真の経営人材」育成に向け、長期的な視点でサクセッションプランを策定・実行することが肝要です。
Pick Up キーワード
関連キーワード
■関連読み物一覧
-
-
公開
課長の役割は「具体化」と「率先垂範」から始まる!現場を動かす3つの実務ポイント
課長が現場を動かすために押さえたい3つの実務ポイントをまとめています。組織方針を具体化して現場に落とし込む方法や、率先垂範でチームの基準をつくる視点、部下の力を引き出すための指導の考え方を取り上げ、課長として成果を高める行動のヒントを解説します。
-
-
-
公開
今、渇望される「ネオゼネラリスト」とは~AIがもたらした専門知識の民主化の先にあるもの
AIの普及により専門知識の希少性が低下し、企業が求める人材像は大きく変化しています。今注目されるのは、複数領域を横断し価値を構想できるネオゼネラリストです。本稿では、ゼネラリスト回帰が起きた背景と、学習機会の拡大や多様な経験の提供など、企業が実践できる育成策を具体的に解説します。
-
-
-
公開
「叱れない」ことで、部下も上司も成長機会を失っていませんか?今の時代に合った部下指導の考え方
今の時代に求められる部下指導の考え方と、明日から実践できる具体的な向き合い方を解説します。「部下を叱れない上司」が抱える構造的な課題を整理しながら、時代に合った「叱り方」へのアップデートが必要です。
-
-
-
公開
現代の管理職に求められる「個」を活かす技術~アンコンシャス・バイアスと心理的安全性
部下との距離感や価値観の違いに悩む管理職の方へ。本コラムでは、ハラスメントリスクを低減し、メンバーが安心して本来の力を発揮できる「心理的安全性の高い職場」の作り方を解説します。アンコンシャス・バイアスへの気づきと、明日から使える対話の技術をご紹介します。
-
-
-
公開
部下のミスを減らす「ホウ・レン・ソウ定着の5視点」~管理職が押さえたい若手育成の実践ポイント
管理職が部下のホウ・レン・ソウを定着させるための5つの視点を解説したコラムです。悪い情報の早期共有や途中経過の報告、情報の漏れ防止に加え、要点整理と主体性の育成を通じて、若手が動きやすい職場づくりを進められます。
-
-
-
公開
部下の「承認不足」を解消して離職を防ぐ~管理職が今日からできる関係づくり、5つのポイント
離職の背景には給与やキャリアだけでなく、職場での承認不足が大きく関係しています。本記事では、部下の承認欲求に応えながら、離職を防ぐ具体的なコミュニケーション方法を日常の実践に落とし込んで解説します。
-
-
-
公開
若手部下との会話が噛み合わないと悩む管理者へ~信頼関係が生まれ、報告が自然と集まるようになる指導のコツ
若手部下との会話が噛み合わず悩む管理者に向け、信頼関係を築く手順や報告を引き出す工夫を解説します。日常の声かけや中間報告の使い方など、指導の質を高めるための実践的なポイントを整理した内容です。
-
-
-
公開
デジタル時代の競争力を高める人的資本投資~ジョブ型雇用を軸に考える
デジタル時代における人的資本投資の考え方を、ジョブ型雇用やリスキリングの視点から解説。経営戦略と人材戦略を結び付け、上級管理職が今取り組むべき具体的な施策を分かりやすく紹介します。
-
-
-
公開
3カ月で成果を出す管理職の「段取り力」~PDCAと判断基準で現場の改善を進める方法
PDCAの運用と判断基準の示し方を整理し、3カ月で業務改善を進める管理職の実践方法を紹介します。現状分析や根回し、キックオフの手順を踏むことで、現場が動きやすくなり、成果につながる流れをつくれます。
-
■関連シリーズ一覧
■関連商品・サービス一覧











