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強い営業組織を作る現場マネジメントのコツ

私が営業部長として、ある組織のマネジメントをしていた時の出来事です。部下が大口顧客との商談に臨むために準備を進めていましたが、当日の朝、明らかに自信を失っている様子でした。本人に話を聞くと、「プレゼン内容に不安があり、先方の反応が読めない」と本音を語りました。

私はすぐにロールプレイを実施し、プレゼンの流れを確認し、想定質問とそれに対する回答まで一緒に対策を練りました。さらに、成功するイメージを持たせるために、過去の成功事例を振り返りながら、励ましました。

その結果、部下は落ち着きを取り戻し、商談では自信を持ってプレゼンを行い、契約を勝ち取ることができました。この経験から、現場マネジメントは単なる指示出しではなく、部下の精神面や状況を素早く察知し、適切なサポートを行うことが不可欠であると感じました。

営業部長としての役割は、戦略を描くだけではなく、日々の現場に目を配り、チームの一人ひとりが最高のパフォーマンスを発揮できるよう支えることなのです。

現場マネジメントとは

数字・案件のマネジメント

営業における数字とは、売上や利益ですが、これらは営業活動の結果なので後からコントロールのしようがありません。マネジメントすべきは、結果が出る前の営業プロセスであり、具体的には、提案金額や案件の数です。

行動・顧客のマネジメント

日々の営業活動の中で、営業担当者はさまざまなお客さまに対して訪問、ヒアリング、提案活動を行います。その行動の「量」とともに「質」も見る必要がありますが、特に「質(=内情)」については、その担当者にしかわからない、ということがないようにマネジメントを行います。

情報のマネジメント

情報は貴重な経営資源であり、情報の有無で案件の受注確率も大きく変わります。営業部長としては、この資源を適切に分配(共有)し、営業部門全体としての勝利を目指すことが必要です。

武器のマネジメント

武器とは、営業担当者が訪問で使用する提案書、カタログや会社案内などを指します。戦う武器をいかに揃えるかによって、個人、組織とも、営業成績に大きな影響が出ます。武器を整え、誰でも活用できるようにするのも、営業部長の仕事です。

営業における2つのPDCA

数字のPDCA

目標と足許の数字のかい離を把握して、どうしたら目標に到達するかを考え実行することです。自分の数字すら把握せずに営業活動をしている人もいますが、自分の目標と実績も知らずして、どうして目標に到達できるでしょうか。

行動のPDCA

日常の活動、行動のPDCAです。目標を達成するために、具体的な活動、行動を計画し、計画通りに行動できたのかをチェックするということです。「自分で自分の仕事を律する道具」と言い換えることもできます。

また営業部長は、「PDCAのP」と「D」の間にも「C」を入れる(つまり「PCDCA」)ことが大切です。これは、「部下の計画(P)が妥当であるかどうかをチェックする(C)」という意味です。部下がゴールに到達するためにこのような計画でよいのか、計画が妥当なのかをチェックし、部下に正しい営業活動を行わせるのも、営業部長の大切な仕事の一つです。

現場マネジメントのポイント

プロセスのチェック

結果(例えば目標の達成状況)だけではなく、プロセスが適正かどうかをチェックします。未達成の場合、原因を究明しなければ何度やっても結果は変わりません。

育成の重要性

部下に目標を与え、励ますだけでは、単なるシメツケ管理です。実行過程における人材育成(OJT=On the Job Training)が何より重要です。

原因と現象の除去

表面上に現れた結果を緊急に処理する(例えば、クレームがあればお詫びに行く)ことも必要ですが、それだけでは再度同じようなミスに悩まされることになります。なぜミスが起きたのか、仕事のやり方にまでさかのぼって原因を除去することが必要です。

営業部長研修~現場マネジメント編

部下を現場でマネジメントするための考え方、実行すべきことを学ぶ研修です。営業施策を進めるうえでのPDCAの回し方を確認し、先々の見込みをたてながら個別案件を攻略するために日々の行動をどのように管理すればよいかを学びます。月次管理表や週間行動計画シート、戦略シートなどの実用的なツールの使い方も解説するので、明日から即実践できるマネジメントスキルを習得できます。

よくあるお悩み・ニーズ

  • 場当たり的な営業管理しかできていないので改善したい
  • プロセス管理をするために、何をしたらよいかわからない
  • 営業会議を効果的な情報共有の場にするためのヒントがほしい

本研修の目標

  • 営業に求められるターゲティングとPDCAを理解する
  • 見込みと個別案件を管理し、短期、中期での戦い方を決められる
  • プロセスマネジメントと部下育成を両立させることができる

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セットでおすすめの研修・サービス

営業部長研修~営業戦略立案編(2日間)

本研修は、営業戦略を考えるうえで重要な要素を学び、さまざまな分析を踏まえ自社の戦略を検討する内容です。営業戦略とは、勝てる仕組みを作ることです。研修では、実効性の高い戦略に欠かせない環境分析やマーケティング思考でターゲットを分析し、誰がどの顧客にアプローチするのかまでを考えます。

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営業部長研修~営業人材育成編

営業部長・マネージャーには、部門全体の育成状況を踏まえて「一人前の基準」を作成し、そのうえで一人ひとりを育成していくことが求められます。本研修では、営業に求められる能力要件を考えるところから、個別の目標設定と育成計画、誰がどのように指導していくかまでを考えます。また、営業活動の中で直面するシーンを想定し、どのように部下を指導・フィードバックすればよいかを検討するワークも実施します。

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