3つの質問で「商品紹介」から「課題解決」へ|無形商材のソリューション営業で、成約率を上げるための「きく力」
商品説明に力を入れても、差別化が難しいと感じることはありませんか?
手に取れない無形商材の営業をする際、多くの営業担当者が直面するのが「どこの会社も似たようなことを言っている」というお客様の本音です。
本コラムでは、そんな悩みを抱える営業担当者に向けて、「ソリューション営業」という考え方を取り入れ、シンプルかつ効果的に提案力を高める方法をご紹介します。
「どこの会社も同じ」と思われる理由は、違いが伝わらないから
営業活動において、商品やサービスの特徴を丁寧に説明することは基本です。しかし、コンサルティングやITサービスのような無形商材では、他社との違いが伝わりづらく、「結局どこも同じ」と思われてしまうことがあります。
これは、形のない商品を扱う業界全体に共通する課題です。お客様にとっては、各社の提案内容が似通って見えるため、選定の決め手が見つからず、購買意欲が高まりにくいのです。
ソリューション営業とは:商品ではなく「課題解決」を提供するスタイル
このような状況を打破するために有効なのが「ソリューション営業」です。ソリューション営業は、商品そのものではなく、お客様の課題に対する解決策を提案する営業スタイルです。ソリューション営業では、以下のような視点が重要になります。
- お客様の組織全体の課題は何か
- なぜその課題を優先的に解決する必要があるのか
- その課題を解決するために、どのような支援が必要か
つまり、単なる商品紹介ではなく、「お客様の課題に対して、どのように価値を提供できるか」を軸に提案を行うのです。
シンプルに始めるソリューション営業:3つの質問で課題を掘り出す
ソリューション営業と聞くと、難しそうに感じるかもしれません。しかし、実際には非常にシンプルな方法で始めることができます。ここでは、インソースが実践している「3つの質問で案件を掘り出すヒアリングシート」をご紹介します。
質問1:御社の課題で、特に重視されているのは何ですか?
まずは、お客様の組織全体が抱える課題を聞き出します。優先順位の高いものを挙げてもらうことで、現状の悩みや方向性を把握できます。
質問2:その課題を解決するために、部署として取り組むべきことは何ですか?
次に、対象となる部署(人事部門など)が担うべきミッションや課題を確認します。ここで、部門ごとの役割や責任が明確になり、提案の焦点が絞られます。
質問3:「こんなサービスがあればいいな」というご要望はありますか?
最後に、お客様自身が感じている理想の支援内容やサービス像を聞きます。ここで出てくる要望は、提案のヒントになるだけでなく、ニーズに直結した提案が可能になります。
提案につなげるための実践ポイントは「きく力」を活かす
3つの質問を通してヒアリングを行った後は、最後にシンプルにこう伝えましょう。
「では、このお悩みにあったご提案をしますね」
この一言が単なる商品説明ではなく「課題解決の提案」へ営業の流れを変えるきっかけになります。
また、実践の際は次のポイントを意識すると効果的です。
- ヒアリングは雑談のように自然に進める
- 回答に対して深掘りしすぎず、まずは全体像を把握する
- 提案は後回しにして、まずは「きくこと」に集中する
営業スタイルを少し変えるだけで、お客様の反応が大きく変わります。
ソリューション提案研修~高付加価値の提案で競合との差別化を図る
「ソリューション提案」は提案の競争優位性を高めるスキルです。
ソリューション提案とは、安易に自社商材を薦めるのではなく、まず顧客課題の解決策を示し、その手段として商材を提案する営業スタイルです。
本研修のゴール
- 顧客を取り巻く環境や業界特性を理解することの重要性を認識する
- 自社の商品・サービスの価値を顧客視点で捉え直すことができる
- 顧客の潜在ニーズについて仮説を立て、ヒアリングに活かせるようになる
- 潜在ニーズに応え、課題を解決するための本質的な提案を考えられる
よくあるお悩み・ニーズ
- 他社と似たり寄ったりな提案になり、値引き勝負に陥りがち
- 言われたことに応えることができるが、プラスアルファの提案は苦手
- 提案の質を高め、大型受注や中長期的な取引を実現したい
セットでおすすめの研修・サービス
顧客の課題解決研修~顧客の抱える「非・不・未」を見つけ、ソリューションを提示する
ソリューション提案においては、お客さまが直接口にする問題への対応だけでなく、言動の背後にある隠れた問題(=「非・不・未」)に意識を向け、課題解決提案ができなければなりません。
本研修では、「この営業担当者は分かってるな!」と相手に信頼してもらえるような営業活動を行うために、必要なスキルを身につけていただけます。
ロジカルシンキング研修
「ロジカル(論理的)である」ということは、筋道が通っていて、矛盾がないことを指します。あいまいな表現を避け、相手の立場に立ったわかりやすいコミュニケーションをすることはビジネスにおいて非常に重要です。
本研修では、ロジカルシンキングのフレームを学ぶだけでなく、思考法を実際にビジネスの現場で使えるようになっていただきます。また、ワークは具体的かつ身近なテーマで構成されており、研修が進むにつれて無理なくロジカルシンキングを身につけることができます。
営業力レベルアップ研修~成果を出すための原理・原則
本研修は、一定の営業経験を積んだ受講者の方に、さらに効果的な営業活動を行うための考え方を身につけていただく研修です。
若手や中堅営業の方を対象に、自身の営業活動を振り返りながら、「目標を達成する行動ができているのか」「戦略的で効率的な営業活動ができているか」を徹底的に考えていただきます。






