AI時代にこそ大切にしたいコミュニケーション|「伝わらない・かみ合わない」を防ぐシリーズ1

職場で次のような困りごとを感じる場面はないでしょうか。「話が途中からズレていく」「世代の離れたメンバーに意図が伝わりにくい」「メールのやり取りで温度感が分からず、誤解が生まれる」
AIの普及によって仕事が高速化し、多様な人材が協働する今、コミュニケーションスキルの重要性は増してきています。AI時代だからこそ押さえておきたい誤解を起こさない伝え方のポイントとは何なのか、見てみましょう。
本コラム「伝わらない・かみ合わない」を防ぐシリーズでは、職場における「伝わらない・かみ合わない」を防ぐために、「世代・立場の違う相手に何をどう伝えるか」「言いづらさをどう克服するか」「メール・チャットで誤解を生まないためには」をテーマに、AI時代に求められるコミュニケーション力についてお届けしていきます。
職場で起きるコミュニケーション課題は3つに分類できる
インソースの受講予定者へのアンケートでは、次のような悩みが寄せられています。
- 部下に指示する上で、口頭だけで説明を行うと、相手が分かっているように見えても、実際には全て伝わらない(管理職・情報通信業界)
- 叱らない先輩がどう思っているか察することができずに悩んでいる(一般職・製造業界)
- 忙しい上司に対し、簡潔に要点が伝わるような話し方が難しい(一般職・製造業界)
- 「自分はこう考える」と言えないタイプなので、社内外の人に対し、相手に押されて納得してしまい、最終的には相手に合わせてしまう(一般職・行政機関・外郭団体)
- お客様が理解、或いは把握されている内容に誤りがある場合に、規定の趣旨を理解していただくことが難しい(一般職・不動産業界)
こうした職場で起きるコミュニケーションの課題は、おおむね次の3つに分類することができます。
①意思疎通の課題
話の前提やお互いの情報量、話題の粒度が揃っていないことで生まれる意思疎通のズレに関することです。
- 伝える力の不足
- 傾聴・共感・理解する力の不足
- 情報共有不足・認識のズレ
②気持ちの面での課題
心理的安全性や自他の感情の影響により、やり取りがうまく進まない状態です。
- 人間関係・立場
- 感情・自信をコントロールする力の不足
③コミュニケーション環境の課題
職場全体におけるコミュニケーション手法や機会など、個人のコミュニケーションスキルによらない面から生まれる制約です。
- コミュニケーションの機会・仕組み
- 報告・連絡・相談のタイミング
- コミュニケーション手段
変化の大きい時代だからこそ、すれ違いが起きやすい
この10年ほどを振り返ると、私たちは変化の大きい時代を過ごし、急速な働き方の変化を経験しています。例えば、2015年~2025年頃に起きた時代の変化による、共通の経験として、次のものが挙げられます。
- グローバル化
- 少子高齢化と団塊世代の引退による労働力不足
- 働き方改革(残業削減、ハラスメントの認知度向上)
- コロナ禍によるリモートワーク・オンライン会議の定着
こうした背景から、同じ職場でも、働く場所や時間、雇用や採用時期などのキャリアの背景がバラバラになり「先輩の背中を見ているうちになんとなく伝わる」という状態が成立しにくくなっており、「伝わらない」「解釈がバラバラ」といったすれ違いが起きやすくなっています。
AI時代がやってくる
この10年で変化したのは、私たちの価値観だけではありません。技術面から、どのようなツールが実用化されてきたのかを振り返ってみましょう。
- 通信速度の向上
- オンラインコミュニケーションが、ツールの種類・利用者数ともに増加
- SNSの定着(急速な情報拡散が起こるようになる)
- 生成AIの実用化
SNSの普及により、やりとりする情報量は増え、やりとりの一往復も高速化しています。生成AIの実用化は加速度的にアウトプット量を増加させ、今後は意思決定のスピードアップが求められる時代となりそうです。
AI時代の職場におけるコミュニケーション
多様なメンバーの多様な働き方による仕事観の変化と、通信・生成AIの実用化などによる技術革新は、コミュニケーションに大きな影響を及ぼしています。今、職場では、次のようなコミュニケーションが求められています。
①多様な相手との意思疎通が求められる
場所、時間、背景、考え方が異なる相手と協働する場面が増えています。単一のやり方では通用しづらく、相手の前提を理解することがより重要になりました。
②発言に配慮が求められる
SNSによる情報の拡散性、ハラスメントへの認知度向上により、言葉選びにこれまで以上の丁寧さが必要となっています。
③「今」のコミュニケーション手法へ適応が求められる
メール・チャット・オンライン会議など、使うツールの種類が増えたからこそ、それぞれ最適な伝え方は異なります。場面に応じて使い分けることが求められます。
AI時代に必要とされるのは「新しいスキル」ではなく、従来のスキルの「レベルアップ」
生成AIの普及や働き方の多様化により、職場では「多様な相手との意思疎通」「発言への配慮」「様々な手法への適応」といった新たな能力が求められているように見えます。しかし、これらは従来から存在する3つの課題が、環境の変化によって、より顕在化したものだといえます。
多様なメンバーと働く中では、前提の違いを埋めるための丁寧な言語化が欠かせません。オンライン中心の働き方では、表情が見えにくい分、配慮ある言い回しや確認の一手間が以前より重要です。さらに、チャットやメールが当たり前となった今、シーンに応じた最適なツールの選択も避けて通れないスキルといえるでしょう。
環境が変化しただけで、コミュニケーションの本質は変わらない
ここまで見てきた現代の職場に求められるコミュニケーション力とは、これまでと別のものになったわけではありません。求められる力の「根本」は従来と変わっていないのです。変わったのは、働く環境と前提条件です。だからこそ、これまでも大切とされてきたコミュニケーションの基本を、より丁寧に実践する必要があります。
前提を明確にし、具体的に伝え、相手の理解や気持ちに配慮し、ツールに合わせて手法を調整する。その行動はAI時代でも変わらず効果を発揮します。むしろ、情報量とスピードが増した今だからこそ、基礎基本が組織のコミュニケーション品質を大きく左右すると言えるでしょう。
コミュニケーション研修
コミュニケーションは仕事で求められるスキルのうち、最も基本となるものの一つです。職場のダイバーシティ化が進む中、価値観やバックグラウンド、働き方の異なる相手と協働するために、相手に合わせたコミュニケーションが求められています。
また最近では、あいさつや言葉遣い、立ち居振る舞いといった「ビジネスマナー」に関するコミュニケーション、メールやチャットなど「文書」に関するコミュニケーションのご相談も増えています。従業員がコミュニケーションの重要性を理解するとともに、そのスキルを身につけることで、信頼関係構築やチームワークの向上、仕事の効率化、コミュニケーション不足によるトラブルの未然防止にもつながります。
コミュニケーションスキルを体系的に学ぶなら、インソースの研修をおすすめします。
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リーダーのためのコミュニケーション実践研修~新規開発・価値創造編
不確実性の高い現代においては、あらゆる業界・企業で新たな価値を生み出し提供していくことが不可欠です。また、未知の分野に挑戦するうえでは、異なる考えや価値観を持つ相手でも、ときとしてその意見を取り入れることが求められます。
本研修では、新規開発・価値創造に必要な「チームワーク構築力」「提案力」「共創力」「社外人脈力」の4つを身につけます。実務に即したケーススタディに取り組み、関係者を巻き込みながら成果に結びつけられるようになることを目指します。
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